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カテゴリー  [いちご100% ]

アニメ版 いちご100% 第04話 「幻の美少女ふたたび!」 

話はあっという間にすぎて泉坂高校入学試験の日。

真中母は朝からトンカツという気合の入れようである。

原作ではこのあたり 
だがふたりの再会は教室のみに限定される。


その受験会場において真中の後ろの席は空席になっていた。
ここに来るのは真中と同じクラスの人らしいのだが。
泉坂を受けるのは真中と小宮山だけのはず。

いったい誰が…。



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「すいません。遅れました。
 受験番号173番。東城綾です。」


そう。その娘はメガネもおさげもしていないありのままの東城。


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『あれはいちごパンツの女の子…』
受験の最中にもかかわらず、はげしく動揺する真中。



原作ではこのあたり 


ここからは注さんのきまぐれでピックアップ。

真中の妄想がこころゆくまで炸裂する。

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地味だけどかわいい。

そもそも地味で何が悪い。


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いちごパンツのイメージはメガネ無し東城。

いいえ。メガネありでも全然問題ないですよ。


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そして男の欲望が炸裂する。


原作でもこのコマがいちばん笑った。



試験の出来に自信をなくした真中は、東城にわびる。


「東城ごめん。せっかくこの高校を受験してくれたのに
 おれ。ここ受かりそうも無いよ」


「真中くん。合格してるといいね。そしたら一緒に映画作ろうね。」


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それだけ言い残し溢れる涙をぬぐうことなく教室を走り去っていく東城。


そのセリフもその涙も、その一部始終を見ていた西野を混乱させるには十分であった。


そうなんだ。
メガネとかパンツとかそんなものもう全然関係なくて、
俺、真中淳平は東城綾で頭も胸もいっぱいなんです。




西野を前にしてそーゆーこと考えてはいけない。






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[ 2006/08/19 09:23 ] いちご100% | TB(0) | CM(1)

アニメ版 いちご100% 第03話 「揺れる恋愛勉強会」 

早朝。
図書室で東城とふたりだけの勉強会が行われていた。


原作ではこのあたり 


「俺。東城と一緒にいる時間。すっごく好きかもっ」


などと浮かれているのもつかの間。
西野の前で、東城と一緒に早朝勉強していることを口走ってしまう真中。


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こんな顔で詰められたがために、ドーナツ屋で勉強会をすることになる。


原作ではこのあたり


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東城にメガネを外すよう頼む西野をみながら、あきらかに動きの怪しい真中。


コラッ! なにやってんのっ!


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胸元なんか見えませんって。


そこへ生活指導の白鳥先生が入店してきたため、三人は裏口から脱出を試みるものの。
掃除用具置き場だった。


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なにげにここでも東城の下着はいちご柄。


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わずか13秒間とはいえ、このふたりが色っぽく喘ぐから、たまらない。


いいですよーっ!!
さすが深夜枠。


ってこんなところを記事にしている自分が情けない。



もっと情けないのは、店を出たあとの真中の提案。

「じゃあさっ。明日から西野も、一緒に朝、図書室で勉強しようよ」



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大草に言われるまで東城の気持ちに気づかない鈍感男。

「どこからどう見たって東城はオマエのこと好きだろ」






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[ 2006/08/16 00:45 ] いちご100% | TB(0) | CM(0)

こーゆーのを聴いてるっ! HINOIチーム 『IKE IKE』 

テレビアニメ版 いちご100% EDソングということでやはり紹介しておきたい作品である。


ただ、ノリのいい曲なんだが
はっきり言ってアニメーションが全然ないんでつまらないんですよ。


どーやって記事にすればいいんだって感じ。


唯一の見所はヒロインたちのディフォルメが動くってとこだけ。



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ヒロインが横に並んで、ポーズを決める。

『魅せて 恋は度胸に愛嬌
 見てて あとは成りゆきでしょう
 ココロの準備はちゃんとしとこう
 8ビートよりもセクシーダンスで』 



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HA! HA! HA! HA?というリズムにあわせてまたポーズ。

『HA! HA! HA! HA?
 思った通りに はじけてほら 天使のパワー

 IKE IKE happy night! ノリたいだけ
 IKE IKE もっと熱く! Feel the power
 踊りたい衝動 楽しんでしまおう wow wow
 IKE IKE forever 終わらないよ
 IKE IKE party night! 夜が明けるまで
 青春の時間は 自由な今だけ yeh! Yeh! イケイケ!』



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最後また横に並んでポーズ。


ね。
わずか1分弱のエンディングソングとはいえ
ディフォルメが動くシーンをピックアップしてもこれだけですよ。







最初。なにかのジョークだと思ってたら実はマジだったという典型がここにあります。


ここを見て怒りを爆発させましょう。









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[ 2006/08/10 20:31 ] いちご100% | TB(0) | CM(1)

こーゆーのを聴いてるっ! dream 『SHINE OF VOICE』 

テレビアニメ版 いちご100% OP主題歌ということで
やはり紹介しておきたい作品である。


ただ普通に歌詞書いて感想書くのもつまらないので、OPアニメに感想書く感じで記事にしたい。

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一粒のいちごがくるくると回転しタイトル。


『ほら見上げた空 動き出したよ 
 驚くキミ眩しくて
 昨日ついたウソも許そうかな? 
 今朝の光 きれいだから』



ここでヒロインたちが順に登場する。


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最初は東城。
メガネを取りおさげがほどけたら別人という
設定のままにアニメーションしていきます。
うん。悪くない、全然かわいいじゃないですか。


『キミの笑い声』


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続いて西野。
クールな印象のままに閉じていた目を開くアニメーション。
いいですね。昨今はやりの行動的女の子の印象ある目をしています。


『いつだって大事だよ』


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唯ですね。
なんか元気ない表情ですが、これはこれでいいのですよ。
しかし表情ひとつ与えないというのはちょっと扱い軽くないですか?


『勇気くれるからさ』


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最後にさつき。
45度角度を大切にした構図です。
うん。高校生らしからぬ色香が漂っていて、
個人的にいちばん上手いと感じます。


『ウソじゃない』



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思わず、ギョッとしたシーンです。

なにっ!? こっこれは…。
さすがに深夜帯に放送されただけあってこーゆーシーンもあるのか…。
思わず何かを期待してしまうような東城のパジャマシーン。


『Your voice whenever 些細なことも』


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かと思ったら、西野もパジャマを披露。
こっちはこー言ってはなんだけど色気が物足りない。


『いとしく響くよキミの声なら』



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完全に扱いの軽い唯。
何でこんなにふてくされてるのかな?

もはやヒロインというイメージからかけ離れています。


『You say whatever』 



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ヒロインたちそれぞれのアップ。 


ここにきて、突然唯をクールな表情にしたところで
もー全然遅すぎます。


『はみ出す心抑えられなくて 走り出したよ』


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真中に飛びつく東城…。
本編でもこれくらい勇気と行動力があればなぁ…。


『I can forever』


まったくもって恋愛というものは勇気とタイミングなのである。







世の中好きな人は好きなんだという事実がここにあります。


おおらかな気持ちで見てあげましょう。









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[ 2006/08/10 00:48 ] いちご100% | TB(0) | CM(0)

アニメ版 いちご100% 第02話 「誤解それともカン違い?」 

前編で第一話分がそっくりアニメ化されてしまったところで後編突入である。

といっても、真中の告白を東城が見ていたというシーンは全部カットされていて
東城が真中に対して徐々に恋心を育んで行くといった演出はどうやらなさそうだ。



原作2話目のネタバレはこちら



まずはふたり並んで帰るところから。後半は始まる。


『学年一人気の西野とふたりでこうして歩いてるなんて』


幸せ絶頂の真中である。が。そんな真中に西野は言う。


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「コラッ。淳平くん。
 なにボーッとしてんの? デレーッとしちゃって
 まさか! ほかの女の娘のこと考えたんじゃないでしょーね?
 私のこと好きって言ったくせに」



この段階で、ほかに誰がいるんでしょうか?

それともこのセリフによって東城の存在をにおわせているのならまだ時期尚早です。




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そして西野のアップ。
いいですね。
真中でなくともため息ついてしまいます。


『この娘が今日から俺の彼女だなんて…』



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「いちごのパンツ見たかったんでしょ。淳平くん」

という楽しい妄想もつかの間。


「わたし。冷静になってよく考えてみると君のことよく知らないんだよね。
だから。あたしと一緒の高校受験して! 淳平くん」


西野って勢いだけの女の子!?


「西野さんってそーとー目が悪いか。よっぽど物好きだよね」
と後日、女の子連中から噂にされるのですが。


真中と一緒にいればワクワクできるからという理由で付き合うってどーなのさ?


一緒の高校に行きたいという西野に
自分の夢をかなえるために行きたい泉坂高校のことを伝えられず苦悩する真中。


ここで素直に「映画を作りたいって言う夢があるから泉坂高校に行きたいんだ」
って言っていればこのマンガはこんなにまわりくどい話にはならなかった。



そして真中は西野との
『夢と恋愛まみれの高校生活』をおくるため泉坂高校めざして猛勉強を開始する。



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そして図書室で勉強しているところに東城がやってくる。

ここで真中は東城にも一緒に泉坂高校で映画を作れたらと話を持ちかける。


あきらかに惚れた女の弱みである。
すぐに顔を赤らめてしまい、西野も泉坂に行くという話題では顔が曇るあたり
まだまだ経験値の低さが露呈してしまいます。


さらに真中は東城に勉強を教えて欲しいと言い出す始末。


東城にしては真中と同じ時間を共有できるチャンスである。



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そしてこの物語のクライマックスシーン
転んだ東城の下着がいちごパンツだった…。


瞬間。夕焼けに染まるいちごパンツの女の子を思い出す真中。

 

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信じられないことだが、このおさげメガネの東城が
あの日であったいちごパンツの美少女であることなど今の真中には知る由もない。


っつーか。
髪形変えて、メガネかけたら別人という設定なんて。












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[ 2006/08/08 00:39 ] いちご100% | TB(0) | CM(1)

アニメ版 いちご100% 第01話 「幻のいちごパンツ」 

ひさかたぶりの沈黙を破り、いちごレビュー再開である。
それも今回はアニメ版。

どうやらこのアニメ版では30分通して1話というわけではなく15分で1話とするようだ。

また。コミック版のレビューは完全にネタバレであったが、今回は簡単にストーリーを追っていきたい。


原作第1話のネタばれはこちら



OPアニメは別記事に編集しました。


『立入禁止のチェーンを超えて 
残り18段の階段を昇った先にある 
鉄のドアを開けると、その先には…。
そう。この町で最高の景色がある…』


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東城との出会いのシーンである。


『きれいだったな。夕日に照らされて…。スカートがめくれて…。
いちごパンツだった。』


本来モノローグであるべき妄想を
そのまま口に出すあたり、真中はやっぱりバカです。



そして残されたノートを頼りに、昨日の女の子であるはずの東城に会う。


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しかしそこにいた女の子は昨日の女の子とは全然違う地味な娘だった。


また声がイイッ。
さすが能登さんです。
注さん的にはもうこれ以外の東城の声は考えられない。




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そんなかわいい女の子はこの学校では、
西野つかさしかいないだろってことで騒いでいたところに西野がやってくる。


「あたしの今日のパンツはいちご模様。
 あんまりエッチなことばっか考えんなよな!」


そのあと、真中は昨日の女の子は西野だと断定する。
髪型も声も全然違うってのに、どうしてわかんねーんだろう。


「髪形は違うけど、いちごパンツはいてるって言ってたし…。」


それが根拠かよっ!!



このあと、東城のノートを読んで東城の才能を褒め称えるシーンがあるのだが簡単にながす。

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初めて自分を認めてくれた男性に恋心を持ってしまった東城。

惚れた女の弱さである。
これはあきらかに経験値の問題である。





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そしてこの物語のクライマックスシーン
地響きを立てながら鉄棒に走りこみ、懸垂告白する真中。


俺のこの熱い懸垂で、西野の鋼鉄の心を動かしてやるっ!!

 
このモノローグがバカすぎて笑いを誘う。


「好きだーーーっ。
 西野つかさちゃんーーーっ!! 
 俺と付き合ってくださーーーい!!」



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信じられないことだが、この告白が西野の心を揺さぶったらしい。

爆笑しながら西野つかさは答える。
「アハハハハハハ。いいよ。君となら」


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マンガならではのサプライズである。


っつーか。マジありえないですから。











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[ 2006/07/31 23:48 ] いちご100% | TB(0) | CM(4)

いちご100% 番外編 ~京都初恋物語~  

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とびら絵は白のタートルネックセーターに緑のチェック柄のミニスカートの美鈴


当時赤丸についてた煽り文は 『京都 初めてがあたしを染める』 

フツーこんな書かれたらイケナイ想像しちゃいません? 
俺だけ?

ところが内容は美鈴メインの健全なステキな物語でした。



朝。
携帯の目覚ましが目覚めを誘う。


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「ん~~っ。もう朝ぁ~~?」
目が覚めたらそこは今まで住んでいた部屋ではなくて、京都のとある下宿先。


無防備な腰つきと、パジャマ姿にちょっとだけ反応。


まだ引っ越してきて間もない様子で、
引越し荷物の段ボール箱が片付いていない。


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「あ…。あっ。あっ。あ…」
このなにげにかわいい美鈴に撃沈した。


「そうだあたし京都に住んでたんだっけ…」


外村美鈴18歳 
私は大学進学のため今年の春から 
4年間京都での生活を始めることになりました。


新歓のサークルの勧誘にもみくちゃにされてたけど、
美鈴の目的のサークルはただひとつ。

『映研』

高校生活の大半を過ごしたあの思い出を大学でも味わいたくて。


「絶対映研に入るんだ」


そして映研新入生歓迎コンパの席上。
新入生の中で一番人気だった美鈴が加わったことで盛り上がる映研の面々。
「で、美鈴ちゃん。どーゆー映画が好きなん?」


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「あっ何でも… とりあえず先輩達が撮った映画が観たいです!」


この発言に場が静まり返る。
この映研は自主映画を撮らないで映画感想を述べる場だったのである。


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店を出て橋の上で落ち込む美鈴

「大学の映研って言えば普通は自主制作映画作るだろ 
 あたしはいろんな作品やいろんな才能に触れて
 自分もいろんな知識吸収したかったのに…」


ふと真中のことを思い出す美鈴。
今、思えば真中先輩はすごいや。
高1の時に自分達で映研を作ったんだもんね。

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口先ばっかりのあたしには そんな力ない。
美鈴が正直に自分を語る数少ないシーンです。




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「はあ…」
大きな溜め息をつき、
気がつけば隣にも大きな溜め息をついていた男がいた。

「ちゃうねん…俺が求めてたサークル活動はあんなんやなくて。もっと…こう…」



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映研のコンパから抜けてきた仲間だと思い込み、
大学生の映研のあり方を論じかけた美鈴だが、


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その男はマンガ研究会のコンパから抜けてきたようだった。


女の子ばっか嬉々として描く男性に抵抗ある美鈴。
どうやらマン研のコンパもそんな感じだったらしく、

男は自分のマンガ読んでもらおうとして持ってきたものの
そんな気になれず店を飛び出してきたらしいのだ。


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「じゃあそれあたしが読んであげる」


ちょうどその時、映研の先輩達が美鈴の様子を見に外に出てきたので、
見つかる前にその男の手を引き走り出す。
「やばっ ほら行くわよ」
「え? え?」


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「いーから早く!!」


ほんの軽いキモチだった…。
予定もあいてしまったし…。
暇だったから。


初めてマンガを見てもらう男。
文学部の美鈴が指導してあげようということで、喫茶店で読み始めた。


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しかし読んでいくうちに…。 


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引き込まれる。
目が次のページを追う。


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こんな感覚 東城先輩の脚本読んだとき以来…。


「で どないでした…?」


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「感動しました…」
深々と頭を下げる美鈴。
そんな様子に慌てふためく男。

辛口批評家の美鈴が人の作品をこんなに褒めることはない。
まして頭を下げるなんてこと本編では一度も見たことない。



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頼りなさげだった第一印象が100倍カッコよく見えた。


この男の子の顔見てて思ったんだけど。
西野の髪型に東城の顔を足してるよね。
このメガネが黒ぶちだったらおさげ東城の顔だよね。



喫茶店からの帰り道。
「大丈夫絶対才能あるって!」
辛口評論家の美鈴の口からこんなにお褒めの言葉が出ています。
まして東城の脚本のような感覚を与えるのであれば相当のものなのでしょう。



その夜。気を利かしてわざと遠回りして美鈴を送ってくれた男。



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女の子の表情になる美鈴。
マンガが好きで描いている男。
映画が好きで夢に向かっている真中。
何かに夢中になって夢を追いかけている姿が、とてもきらめいて見えた。

自分も真中のようにビデオカメラを買って頑張ることを決意した。




それからしばらくたって

内場。


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「美鈴 なんやのあの人」
「…同じサークルの仲間…かな?」
このビミョーな間が読者をくすぐります。



美鈴のバイト先は最初に内場のマンガを読んだ喫茶店だった。

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マスターに内緒でこっそり一杯おごる美鈴。
まだビデオカメラは買えそうもないという話題から内場の作品を批評する。
出だしはいいんだけど練りが足りないと叱る美鈴。


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「あたし内場の才能買ってんだからさ」
「あっ バイト終わるまでここで描いてるから!」


思い過ごしだろうか 
遅番の時はいつも彼があたしのバイト終わるまで待ってる理由は 
夜道、またあたしを送ってくれるためだって…
内場といると楽しい 
こんな前向きで明るい気持ちになれたのは久しぶり…


そんな日の帰り道
京都だけあって着物来た人とすれ違うふたり。
「さすが京都 普通の日でも着物着る人いるんだねえ」
「うん」


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そのまま内場は着物女性をずっと目で追っている。
『まだ見てる! あーゆーのが好みなワケ?』
嫉妬する美鈴。


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その美鈴を不意に抱き寄せる内場。
「車 来とるで…」
まさしくはねられかけた美鈴だが、こんなシチュエーションないだろ…。


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不意に抱かれた背中。

ビクッ
美鈴のカラダも鼓動も一瞬だけ止まる。
「あ…えと… ちゃんと前見なアカンって…」
内場も緊張した。この瞬間ふたりの距離が急速に縮む…。



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下宿でシャワーを浴びる美鈴。
背中が熱い…
あんなことでドキッとするなんて…
ただ話が合ってちょっと尊敬できる奴ってだけなのに…



内場…



恋愛感情の芽生えは突然にやってくる。
全然意識していなかった異性が突然カッコよく見える瞬間。
なにげなく触れられた背中に戸惑う日。



そして季節は夏を迎えた。
キャンパス内でもイイ女と呼び声の高い美鈴。
最近ますます色っぽくなってきたようで、そんな話を木陰から聞いていた内場。


そしていつもの喫茶店での製作作業。
「作業進んでる? 
 もう夏休みだし本場描き始めないと締切りに間に合わないよ? 
 賞金200万は絶対いただくんだからねっ」

そんな日常の会話に内場が言う



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「今度の土曜日花火大会あるんやけど見に行かへん…?」


『こ…これってデート!?』


あわててさつきの料亭に駆け込む美鈴。
「例の物用意できてます!?」


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久しぶりのさつきの登場なんですがわずか3コマだけ。
さつきの扱いひどくないですか?
京都の料亭に行ったのも最終回の同窓会のためだけの役割っぽいし…。
そもそも女将っていうイメージのキャラでもなかったし…。



そして花火大会当日。
待ちぼうけしている内場。
「どないしたんやろ。今までこんなに時間遅れたことあらへんのに…」


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そこへ現れた美鈴。
一瞬目を奪われた内場。
「ほな 行こか」
と目を背けて歩き出してしまう。



えっ…。取り残される美鈴。


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「ねえ あ あたし あそこの抹茶ソフト食べたいなぁ」
それでも内場はまだ背中を向けたままだ。


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「はよ行こうや 
 俺花火のシーン描きとおて参考に今日ここまで来ただけやねんから」



凍りつく美鈴。



…何よソレ
結局内場は あたしより自分のマンガが大事…?
なのにあたし一人だけ浮かれて
北大路先輩からわざわざ浴衣借りて 
髪も上げて…


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バカみたい

目にうっすらと涙を浮かべて、来た道を走り出す美鈴。

振り向いた内場は慌てて追いかける。
「美鈴さん!!」





別に内場なんていなくていいよ
マンガだって映画だって一人で作れるし
ちょっと横で内場の才能を見てたかっただけ…

走りづらい浴衣。
何でこんなの着てきたんだっけ…

いつか内場が着物の女の人に見とれていたから…
あたしにも見とれてほしくって
そんな理由で浴衣着てたんだ…。


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「美鈴さん!!」
「アンタは花火見てればいーじゃない…」
「…何怒ってんの…?」
「怒ってなんかない!」


「一緒に花火見ようや! せっかくここまで来たんやし…」


ひとことええか。
やっぱ、内場の態度がアカンて。
美鈴が傷つくのも当然や。
なんも言わんとプイと脇向いたら不安になるやろ。

なんや。ここのコメント、エセ関西弁になっとるわ。




「悪かったとは思ってる」

美鈴にはきっと他にも花火に誘ってくれるいい男がいると思う

けれどマンガの取材を口実に連れ出したんだ。



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「マンガの賞獲るまで言わんとこ思とったけど
 俺…俺 
 美鈴さんのこと
 ホンマゆーと初めてマンガ見てくれた時から
 す…っ 好きやから…」


遠くで花火が鳴っている。
うつむく内場。


内場の告白に美鈴の返事はもっとおしゃれなものだった。



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「証拠がないから信じない!
 あ、あたしは、内場に褒めてもらいたくて浴衣を着てきました!
 内場は? 内場はあたしのこと好きだってどう証明するの!?」


しばらく考えて美鈴に向かって一歩踏み込む内場。
「なっ 何!?」


t_168-34.jpg
さらに顔を近づける内場

「ちょっと。たんまたんまたんま~~っ!!」
「せ、せやかてこれが恋愛マンガなら 
 ここで熱い抱擁と、キッ。くっくっ、口づけかなと思たんやけど
 ちゃいますか? 美鈴カントク!!」
「そそそ、そうね確かにそうかもね 
 けど心の準備が、あ、あたしこーゆーのってはじめてで!」

「安心してください俺も初めてですからっ」
「じゃあ失敗したとしてもあいこだね」
「ハイ…てゆーか失敗ってどんなんです?」


t_168-35.jpg
「わかんない…から どんなキスでも正解…かな?」



・゚・(つД`)・゚・

ワーン。
美鈴がぁぁぁぁぁ。
あのクールな美鈴が。
恋をしてるぅぅぅぅぅ。

・゚・(つД`)・゚・





それから三年後…

泉坂高校映研同窓会に出席すべく身支度を急ぐ様子の美鈴。


t_168-36.jpg
ドアにつけられた表札…。



なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!?

キ・キ・キ・キタ━━━同棲━━━(゚∀゚)━━━生活━━━!!!!





t_168-37.jpg
あたしはコイツと一緒に暮らしていて
少し照れくさい毎日を過ごしている
ずっとこんな日が続けばいいと思いながら…









21歳になった美鈴。
マンガ家としてこれから頑張っている様子の内場と同棲生活を送っている。


もしこれが東城の後日談だったら…。
きっと注さんへこんで。読みきれなかったと思う。


美鈴ちゃん。
おめでとう。
また一人、大人になって旅立っていってしまったよ。








この記事の原作はこちらまで



[ 2006/07/18 01:13 ] いちご100% | TB(2) | CM(3)

いちご100% 第167話 (最終話) 「選んだ未来」 

…真中たちが泉坂高校を去ってから、何年の月日が流れたのであろう。

泉坂高校映像研究部部室には、あの頃と似た風景が流れていた。



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画面に映る東城を前に盛り上がる学生たち。

「5、6年前に泉坂入学してれば本物に会えたのにな。美人小説家。東城綾!!」


2年次と3年次の作品を見ながら、批評に盛り上がる学生たち。


1年次の作品についてはスルーされた…。
・゚・(つД`)・゚・




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「この3部作の監督って全部同じなんだっけ?」
「ああ…ケースに『監督、真中淳平』って書いてあるよ」

時代の流れを反映してビデオテープはDVDに変わっていた。

「今先輩たちって何してんだろうな…」
学生の視線の先には賞状。



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そして映研を駆け抜けたメンバーの写真が壁に飾ってあった。




 迷いながら 
 つまづきながら
 夢に向かって
 恋をして

 今は進む
 それぞれの道

 いちご、終幕



ジャンプに連載されてたときのアオリ文です。

入学当時からいろいろと迷いながら突き進んできた3年間。
さまざまな夢を見て、恋の矢印も多方位に広がって。

ようやくひとつの形を見て最終話です。


もうあれこれ説明は要らないでしょう。









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「おばんどす~~~。
 このたびは、はるばる京都のウチの店まで来てくれはって、おおきに~~~」


卒業式から何年たったのだろうか?

具体的な年数こそ今は描かれていないので推定できないが、
すっかり女将としてのあでやかさを醸し出すようになったさつき



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「そんなアヤシイ京都弁での挨拶はいいから、早く酒追加ーーーっ!!」
「いよっ 若女将! 着物姿が色っぽい!」
「さつきちゃんグッと大人っぽくなったよねぇ~」

卒業して数年が過ぎてもぜんぜん変わんねー面々とそのテンション。


注さん。
こーゆーノリが好きなんです。
しっかしこいつらなんにも変わってねーな…。



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「ちょっと! 
 この人気グラビアアイドル端本ちなみが一番乗りで
 他のメンバーが揃ってないってどーゆーことなのよぉっ!!
 タイトなスケジュール調整して京都まで来たのに~~~っ!!」



このあたり、結構気に入っているシーンです。
映研のメンバーが再び出会うというシーンがいい。
そして、今までぜんぜん出番減ってたメンバーがここぞとばかりに活躍してるのが楽しい。


高校時代からアイドルを自称するちなみが
こういうつながりで外村からのスカウトがあっても不思議はなかった。

ただ意外なのはマネージャーが小宮山ってことだけか。




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「みんな集まってるー?
 東城先輩、道に迷っちゃってさ。今、携帯で教えてあげたけど少し遅れると思う」


外村美鈴。
数年ぶりの再会にもかかわらずタメ口での登場。
高校のときとなんら変わってはいません。


そして外村ヒロシ。
妹を見て目が飛び出るほど驚いて
自分のプロダクションにスカウトしだすあたり最後までわけがわからん男である。


みんなが美鈴の変貌に驚いている中、さつきだけは驚かない。

美鈴は京都に住んでいてさつきとはよく会っているらしい。



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「それが聞いてよコイツがつきあってる男ってのがさーーっ」
「ちょっ。先輩それ秘密!!」
「美鈴ちゃんに男なんて嫌ーーッ!! 不潔ーーッ!!」


このさつきのなにげない発言。
これが後日伏線になります。全然スルーしてました。

ってか。全然読み飛ばしました。

だってここが最終回だから…。


甘かったです。まだまだ終わらなかったんです…。




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「…俺。軽くショック…」
「いいよねぇ。二十代は華やかな話題があって!」
「ままセンセイおひとつグッと」
「はは…。教え子が呑める年になるのって。なんか、ウレシイね」


こーゆー気遣いが高校生のころからできるのが、外村を気に入った理由。
それにしてもこのふたりの恋愛話とか読みたかったな。

もっと外村が自分の事語りだして、
目をさらしていたらそんな話もあっただけに…。
ここ掘り下げて欲しかったな。


うーん。しかしながら美鈴の彼氏。見てみたいですね。
どんな男性なのでしょう。




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「ごめんなさい遅くなっちゃって…」

この宴の主役。東城がやってきました。

なんか普通のお姉さんになってしまったかんじですが?
制服着ていた東城のほうが個人的にはよかったな…。



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この宴は、東城の直林賞受賞祝賀会。



あれから東城は、成長した。間違いなく成長した。



美鈴が髪を伸ばしたのはきっと東城の影響なんだろうな。
憧れの先輩を意識しているように注さんには見えます。


しかし、もうひとり肝心な人がまだ到着していない。


真中である。



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「お兄ちゃんたち真中先輩と遊んだりしてないの?」

「とっ。東城さんは最近真中と会ったりは…」

顔を赤くしつつも質問していくさつき。
最終回だけにさつきがすごく可愛く見えてしまいます。

「ううん! あたしも卒業以来全然―…」




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「よぉ、みんな。久し振り!!」

ここで遅れてやって来るあたり演出が小憎らしい。



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「悪い悪い遅くなって
 …あれ。もしかしてメシ食わずに待っててくれた?」


時が経てば人は変わる。
これは真中ですよね?
キャラが違います。
いまさらこれは反則だ。



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そんな真中の変わり身に絶句する男性陣およびさつき。

逆に女性陣はいたって驚いた様子がない…。




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「日雇いのバイトしながら金溜めてさ。世界中歩いてまわってきたんだ。
 去年はヨーロッパ今年はアフリカ…って。
 なんだか急にいろんな世界を見ておきたくなったんだ」

真中が大学に進学したのかは描かれないままスルー。
だが工事現場などでの仕事は映画撮影のために使われたようである。



「そのフィルムで賞獲って、今。角倉の事務所に誘われてんだよな」

新進気鋭の映画監督もここにきてようやく真中の腕を認めたのである。




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「なんだよ その不満そーな目は…」
「計算違いよ計算違い!! 
 あたし次に真中に会うときはとびきりキレイになってびっくりさせてやるつもりだったのに。
 逆に真中の方が…カッコよく…」



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「十分驚いてるよ、さつき。綺麗になったなって」
「その余裕ある言い方 気に入らなーーーい!!」

高校生の真中ではこんなセリフ言えないでしょう。
いつの間に覚えたんでしょうか。
知らないうちに大人になってしまった設定に注さんは取り残されています。



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そして卒業式以来の東城との再開。

「おめでとう」
「またデカイ賞獲ってホントさすがだよ東城は!」
「真中くんこそ受賞おめでとう」
「いや 俺のは東城の賞に比べりゃ全然知名度ないし…」



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「…世界旅して考えた。
 あのノートの小説どこでロケしたらぴったりかなって。
 やっぱほら、日本で足りるスケールじゃないじゃん。あのハナシ!
 何十年先のことになるかはわかんねーけど、
 俺があの映画作れるようになるまで待っててくれよな」






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「………」

「うん!」


「夢は。泉坂コンビで世界せーふくだね……!!」


世界せーふくと書いて『アカデミー賞』とルビをふる。

「東城先輩酔ってる!?」 とは誰のセリフでしょうか?


注さんの知っている東城は、もういません。
昔はこんなジョークさえ言えなかったのに。


いつの間にかすっかりふつーのお姉さんになってしまいました。


こういう風にキャラの成長を楽しむのも、このコミックの楽しみ方なのでしょう。

それにしてもこの酔った雰囲気の東城はかわいいです。
こんなに弾けた姿を見るのは初めてです。
時間が過ぎていい女に成長してくれて嬉しいです。まさに親の心境です。




こんなに可愛い東城。反則だぁ~~~!!






一人じゃこんなに果てしない夢を追い続けることはできなかった気がする



だけど みんながいたから


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東城がいたから―…



東城。いい女になってくれてありがとう。
この先のふたりの話が気になりますが
読者に先を想像させる終わり方としては秀作だと思います。


やっぱり。
女の子は笑ってくれてる方がいい。




!!━━━東城最後の━━━(゜∀゜)━━━笑顔キタ━━━!!













…そして
舞台はとある公園に切り替わる。



「約束15分前…か。
 少し早く来すぎたかも。
 …このカメラも、もう寿命かな」




高校入学の際に買ってもらった真中のビデオカメラ。
このカメラが真中の3年間を大きく彩った陰の主役である。



でも もうすぐ
もうすぐ会えるから…



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ファインダーの隅に映ったスカート。



真中はファインダーから眼を放しスカートの映った階段の上を見上げる。


なんか美形になってないか? 真中淳平…。



「えらい! 15分前行動!」

「…再開の第一声がそれ…?」

「…じゃあ。大人っぽくなったね淳平君」

「送った映画観てくれた?」

「うん。すごくいい作品だったよ」





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「それじゃ質問。白紙に戻した関係だけど、もう一度俺とつきあってくれますか」










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「………そうだね。もう一度あたしをワクワクさせてくれる……?」




そして━━━ヒロインの━━━(゜∀゜)━━━感動的対面━━━!!






階段を駆け上がる真中。





そして俺は





大好きな西野と共に





「あっ。やだちょっと……」





新たな未来を描いてゆく…




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きっとはにかんだ笑顔の西野。

きっと特上の笑顔で西野を抱き上げる真中。





この物語最高のラストカットは

いま確実にビデオカメラのファインダーのなかに収められた。












この記事の原作はこちらまで

いちご100% 19 (19) いちご100% 19 (19)
河下 水希 (2005/12/02)
集英社
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7月7日1時ちょうど。

いまようやく長かったこの物語の感想もどきが書き終わりました。


時間にして1年近くかけたこのブログの主題がここに終了しました。


いま、ひとり祝杯を上げながら、書いています。
かなり酔ってしまっています。
無事にアップできるでしょうか?
ここで記事消したりなんかしたら「今までなんだったのかぁーっ!!」と

大雨の降る外に飛び出し裸で踊りだしそうです。




去年の夏に最終話を迎えた『いちご100%』ですが、私はこの作品が大好きです。


今でもまだ大好きです。


初めて読んだときはラブなのかコメなのか、お色気重視なのかと思って全く軽視していました。

ですが全話読み終わったあとにメチャメチャ切ない気持ちにさせてくれました。



当時20代後半の注さんの気持ちの中には


『オッサンに片足突っ込んだ大人がいまさらこんなもん読んでてもいいものだろうか…。』 

ってのが正直ありました。



でも登場するヒロインたちのあまりにまっすぐな姿に感動してしまって以来。



ええい。恥も外聞もかまっていられるか。

俺は書きたいから、これを書くんだ。書いたんだ。

こーなったら、誰も見てなくても最終話まで書き上げてやる。



でも嫁さんには見られたくないな…。


と言う気持ちが強く強く起こり、今日まで書き上げました。


考えても見ればとんでもないマラソンでした。

途中何度か辞めてしまおうとも思いました。

自分のテンションを維持するために書いた競馬記事も結局は全部消してしまいました。

こんなグレーゾーンギリギリなブログを誰が見てくれるのだろうかなんて不安にもなりました。



マジで集英社からクレーム来たらどうしようなどとも考えました。



今考えればよく書き上げたよな…。自分で自分を褒めてあげたいくらいです。



でも、実際にはここを見てくれてコメントやトラバをくれた皆さんがいたからガンバレました。



実を言えば『いちごアニメ版』とか『いちごCDドラマ』とかも感想書きたいんですよね。

でも。いますぐには書けません。少しだけ休ませてください。



次回レビュー作品はまだ決めていませんが、とりあえず面白いものを書いてみたいと思います。






ありがとう。河下先生。

願わくば次回作はこの二番煎じをしないで頂きたいです。


河下先生の次回作をかなりかなり楽しみに待っています。



[ 2006/07/07 01:32 ] いちご100% | TB(2) | CM(24)

いちご100% 第166話 「さようなら。泉坂」 

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「だから!
 今日出席しなくていいから! 絶対学校来んなよな!!」


泉坂高校卒業式当日。
真中の脳裏には中学卒業時の悪夢がよぎったに違いない。


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「おめでとう!
 あんた。泉坂受かったのよぉ~~~っっ!!」

母親が式典に駆け込んできて、真中の高校合格を告げたシーン。
このあと卒業証書もろとも演台から転げ落ちた真中。


たしかにトラウマにならないわけではないが
こんなこともう一回やられたら母親とは疎遠になって当然である。



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扉絵。

とうとう、この日が来てしまった。
入学があれば当然、いつかは卒業する。

ヒロイン達が集う扉絵もこれが最後である。





3年前。中学生のとき。

すでに将来の夢を 映画を作る人になりたいとしていた真中にとって
泉坂高校の映像研究部に行くことは夢への第一歩であった。



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「東城さん。桜海学園受けなかったの!?」
「うん」

東城も泉坂を受けるという情報を聞き合格を決意する真中。
「そうだよ俺は!! 
 やりたいことがあるから泉坂高校に行きたいんだー!!」



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しかし入学試験での東城をみて
屋上で出会ったいちごパンツの女の子だったことが判明。
髪の毛おろして、メガネ外したらとんでもないほどの美少女だったなんて…。

結局。試験どころではなくなってしまい、真中はかろうじて補欠合格となる。



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「あたし。泉坂高校には進学しないの」

泉坂の合格発表の日に告げられた爆弾。

自分の人生を人に合わせて生きていくのはつまらない。
これが当時から確立されていた西野のスタイルである。



そんな高校進学までのシーンを振り返りつつも
卒業式はあっけなくも淡々と進んでいった。



『こないだ入学ばかりなのに…
 とまではさすがに思わねーけど、やっぱり、あっけない…
 こんな紙切れ一枚もらって、俺達どんどん押し出されていくんだ
 もう少し高校生でいたいなんて
 俺って、やっぱ。甘いのかな…』



式は淡々と進み、卒業生からの答辞となった。



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答辞を読んだのはなんと東城。
入学当時は引っ込み思案で恥ずかしがりやだった東城が。
卒業生代表として壇上にあがる…。


この事実に真中も一瞬驚かされた。



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「三年前の今頃。私はある夢を抱いてこの泉坂高校を受験しました」




だがさらに驚くのはこの答辞の内容である。



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「それは入学したら中学時代からの同級生と映画を作りたいということでした」


この答辞の滑り出しに、真中は動揺する。


当時。
真中は知っていたのか。
すっとぼけていたのか。
それともマジで知らなかったのか。

東城の当時の気持ちを集約しつつ、答辞と共に過去を振り返りたい。



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「そしたら。一緒に映画作ろうね…!」
真中が合格するか、わからないほどのあまりの試験の出来の悪さを
東城が勇気づけるための発言。

真中のつくる映画のためになにかをしたい…。

自分の小説を「すごい」といってくれた真中のために脚本を書き始めた東城。



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「しかし。生憎その夢を叶えられる部はすでに存在しておらず…」



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7年前はコンクールで賞をとっていた映研だが
いまはIT分野に力を入れたCGでの映像作品をメインに展開している部となっていた。

しかし真中としてはフィルム映像にこだわっていたのである。



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「作ろうよ!! あたしたちでこれよりもっと面白い作品作りましょう!」

映研がないという事実に落ち込んだ真中のために
真中が泉坂を受けるきっかけとなった7年前の泉坂映研映画フィルムを探してきた東城。

角倉の残した映画に対して、再び映画への創作熱が燃え上がった日。
この日が泉坂高校映像研究部のスタートである。



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「高校生の本分は本来なら勉強なのかもしれません。
 それでも私の三年間のすべてが
 映像研究部と…その仲間達と共にあったと心から思います。
 何もかもが手作りで、でもみんなで協力しあって―…」



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東城の答辞に3年間の映研活動が真中の脳裏にフラッシュバックする。



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東城の初めての脚本作品。
色気が足りないと外村が手を入れたために、露出度の強い作品となってしまった。
さつきのイメージビデオと言っても過言ではないであろう。

おまけに主演男優が小宮山というところで
果たして本気で撮った作品だったのだろうかという疑問は今でも残る。




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その映画の編集作業の途中。
ふたりの唇はたしかに、触れあった。

なにげない事故のはずであったが…。
なんでもないことと捉えることは出来なかった。



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「こないだみたいに、討論しあえる有能な後輩が欲しかったんじゃない?」

2年目。映画館で出会った辛口批評娘。外村美鈴の入部。
映研初年度作品を、脚本と主演女優だけで、なんとか見れると切り捨てた。



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その美鈴が2年目の作品の主演女優としてスカウトしたのは西野つかさだった。
東城の脚本を読みこんでスカウトしたものの、真中・東城・西野の関係など知らなかった。
ただ、純粋に西野のキャラクターなら映えると考えたのである。

そして、真中に対する恋心こそあれ。
いい作品を作りたいという気持ちは東城もまた然りであった。



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その撮影合宿初日の夜。
合宿所のロッジにたどり着けず、物置小屋で嵐を避けたふたり。

まるで三島由紀夫の『潮騒』 を彷彿とさせるシーンであったが。
そこは少年誌の限界である。

だが、後にも先にもこれ以上の接触はこのふたりにはなかった。



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そんな2年目の作品もノンフィクション映画の土俵の上では評価が低かった。
85作品中の15位の努力賞。
屋上で泣き出しかけた東城を支える真中。
「言っとくけど俺は、これからも東城と映画作るつもりだよ!?」
「俺は東城のストーリーで絶対いけるって思ってる!!」

このあと、美鈴・ちなみが屋上に上がってこなかったら
間違いなく東城の告白があっただけにつくづくタイミングの怖さを思い知った。




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そして高校生活最後の作品。
昭和初期。ヒロインは旧家の令嬢。
引っ込み思案だが優しい心の持主――

主演女優には東城が抜擢される。
今まで登場したヒロインの中でどう考えても東城だけしかこのイメージを伝えることが出来ないのである。


紆余曲折を経て、真中の夢のために勇気を振り絞って挑戦する。



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撮影合宿のさなか。
またしても接触事故から始まったキス。

ふたりの唇はたしかに、触れあった。



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もはや事故とはいえない…。
東城にとっては間違いなくキスだったのだ。
この事実をなんでもないことと捉えることは出来なかった。



しかし今の東城の真中への思いは依存であることを知ってしまう。
馴れ合いのままこの関係を続けていくことはふたりのためにならない。



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だが、思いは伝えたい。
東城は芝居を通して完璧なまでのアドリブで
脚本の筋を壊さずに自らの思いを重ね合わせた。

「あなたのことがずっとずっと好き……!」



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そして高校生活最後の文化祭の日。

夢が生まれ。夢が育まれた場所で。
その夢が終わろうとするその日。
今までふたりで築き上げてきた夢の最終日。
誰もいなくなった部室でただふたりきりの夜。



「…好きなの」


しかしながら東城の恋は実らなかった。


だが、それでも東城は
この泉坂高校での3年間の思い出をこう締めくくる。



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「この泉坂高校の自由な校風の中で過ごした3年間は、私の大切な宝物です…!」


東城は最後までいい女の子でした。

同じ志を持った仲間たちと映画を作り。
素敵な恋をした。
その恋は実らなかったけれど、彼女はこの経験を糧にさらなる飛翔のステップとした。


だから。
間違いなく幸福な高校生活という時間を過ごした。


そう願いたい。


そして今までの連載の中で最高の笑顔を見せる。



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中学生の時のオドオドしていた東城とこの東城が同一人物とは思えない。
すがすがしいまでの笑顔である。





真中の気持ちを走らせた東城の小説のエンディングがここであきらかになる。

真中に似た主人公は西野に似た王国の王女ではなく、
どこか東城に似た幼なじみの少女の元へ帰っていった…。


結局、あのあと東城の描いた物語は
東城個人の気持ちが先行した物ではなく、小説家として物語を完成させたのだ。


『俺が東城を選ばなかったこととは関係なく―…』



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最近テレビや雑誌の取材の絶えない東城。

中路賞作家18歳! 
綾タンの最後の制服姿
推定Fカップの文学的アイドル…。


このグラビア記事には注さんかなり笑わせてもらった。


「逃した魚はデッカイかもよ~?」

いや。違うんだ外村。

真中に振り回されずに、自分の一番望むべく道を東城は進めたのだ。

勉強の合い間に暇つぶしのように書いていた小説が
偶然にも真中によって才能を見出され、褒められ、自信を植え付けられて

とうとう、小説家として歩むことが出来たのだ。

真中と付き合っていたらまた全然違う人生を歩んでいたに違いない。



注さんにとってこの『いちご100%』 は東城の成長記であるととらえたい。




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そして部室にて
すでにビールの入っている黒川先生を中心に盛大に卒業記念パーティーが繰り広げられる。
文化祭の後、打ち上げらしい事ひとつしなかった映研としては今日ここでその機会をもつに至ったのだ。


ここで部員たちの進路がそれぞれ描かれる。


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まず外村ヒロシ。
全然勉強しているシーンが描かれなかったのに東大に合格を決めていた。
まったくもって意外性の男である。

さらには女性タレント限定の芸能プロダクションの設立まで視野に入っている。


結局。こいつの前髪が上がった姿は最後までなかった。
これで大草バリのいい男だったとかいうガチな設定もアリだったのにちょっと残念である。



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次に北大路さつき。
その外村プロダクション専属タレント第一号としてスカウトされたのだが

さつきの親戚は京都で120年の歴史をもつ料亭を経営している。
だが後継者がいないという事でさつきが立候補し女将になるというのである。


小宮山と真中は浪人生活…。

だが浪人の件に関しては何もしゃべらない真中。


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「けど角倉言ってたよ。
 俺を頼りにしないところは少しだけ見込みあるって」



…最終話への伏線か?




そして、仲間たちとも別れのときがせまっていた。

夕暮れに染まる校舎を眺めながら感慨にふける面々。



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「あたし。これからやれることたくさん頑張っていくから
 ―真中くんもまた素敵な映画作ってね…」


あの別れの日以来東城は変わった。
もう、自信なさげで臆病だった東城はどこにもいない。

もちろんもう二度とおさげでメガネ姿にはならないんだろう…。



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「もちろん! 待ってろよすぐ東城のとこまで追いついてみせるから」

「そのときはちゃんと東城先輩の原作で映画作ってくださいねっ!!」

「俺んとこの女優が主演で」

「映画の完成祝賀会。会場は北大路の料亭で決まりだな!」

「そしてまたみんなで会おう…!」


なんだよこの面々。
すげー楽しそうな別れのシーンじゃないかよっ…。


注さん何よりもこのシーンに感動してしまいました。










そして桜の花が散り行き、新緑の季節となった頃。
真中は工事現場で働いていた…。


心配する母親の意見を振り切る真中。


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「一応自分なりに考えあるんだ。
 迷惑かけねーからちょっとだけやりたいことやっていいかな…」










いよいよ次回で最終話です。
とうとうこのブログも今月の17日で一周年です。

とりあえずなんとしてでも全部書き上げて、ゆっくりしたい。



今回の話のなかに登場した東城の答辞を
全文想像して書き上げていただいたブログがありますので紹介いたします。



ねこぱんだのひとりごと 『泉坂高校の卒業式だから』



ねこぱんださんの想像力にただただ脱帽。
こんな答辞聞かされたら映研のメンバーは涙を流すしかないです。


注さんもちょっとホロリとさせられました。










この記事の原作はこちらまで

いちご100% 19 (19) いちご100% 19 (19)
河下 水希 (2005/12/02)
集英社
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[ 2006/07/05 03:30 ] いちご100% | TB(0) | CM(3)

いちご100% 第165話 「旅立つまで」 

真中が決意の言葉を口にする。


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「西野。話があるんだ…」




『東城がくれた小説。それが俺の思いを走らせていて』




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「俺達の関係。…白紙に戻せないかな」



……凍った。



当時リアルタイムで読んでた時を思い出す。


いきなりこんな発言から始まるのか!?
そもそもこんな場所で言うセリフか!?



西野の表情が正視に耐え難い…。





カラオケボックスの外ではいまだに雪が降りやまず。

にぎやかなはずの店内でさえ静まり返ったかのようなの夜。

そして室内のモニターは次の曲さえ流さない、この『清算』な夜はまだ始まったばかりである…。





「…マフラー」
静寂の中、西野の呟きから始まる。


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「あれじゃ淳平くんの心はつなぎ止められなかったんだなって…」



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『これ。風邪ひいたらいけないから』
唐突な西野の言葉は真中をつなぎとめるはずであったアイテム。



同じ女の子として東城は、そのマフラーの意味に気付いていた。



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だからこそ外させないために、近くの店に入ることよりも「公園」を選んだ。
それが東城の優しさだった。



昨日。
真中の家の前で東城とあった瞬間に

『あ。もう。ダメなのかなって』
西野自身覚悟は決めていた。


そんな西野の勘違いをすばやく修正する真中。


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「きっかけは、東城が書いた小説。東城じゃなくて小説の方なんだ」



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「だから俺。真剣に映画の道、目指したいなって」
別れを決める原因を、ここにきて本気で、そして本音で話す真中。



皮肉な話だが、二人の関係を白紙に戻すということで
今まできちんと話してこれなかった真中の気持ちを話すことができたのである。


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高校受験のとき、泉坂高校に行きたい理由を話せなかった真中。
『映画作る人』になるという夢を語れなかった真中。

それは笑われるのが怖かったから。
西野のことをよく理解していないうえに
西野のイメージを勝手に自分で作り上げたがためにおきた間違い。

そのときから夢を語り合える東城に惹かれはじめていた真中。



だがここにきて初めてふたりは理解しあえた気がする。



西野のやさしさに甘えたら、甘えっぱなしになってしまう。
そんなんじゃ夢は叶わないと思うから…。


別れという選択肢を選ぶ。


西野が留学している間、俺も頑張ってみようと…。


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「その前にあたしが誰か他の男、見つけるかもしれないよ?」
「だとしても。…もう決めたから」


真中が夢の実現のために『進む』という不退転の決意。

映画に関して真中の妥協はない、それは昔から変わらない。


決めた事だから。
どんなことが起きても…。
どんなことになっても…。
それは自分が決めた事だから。


このなにげなく交わされた
セリフのやり取りにふたりの切なる想いが込められている。


それは西野にしても同じこと。
西野も自分の夢を持っている。
その実現のためには、たとえ反対されても反対を押し切るであろう…。


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「だけど。
 あたしがフランスに旅立つまでは、あたしは淳平くんの彼女だからね!」



こうして、2月14日にして、最悪の夜を回避した。


西野がフランスに旅立つまで、ふたりの関係は続くことになった。




これで
「実は…俺。
やっぱり東城のことが好きなんだ。」

などと言い出した日には、東城ファンだってキレた。
最低男。真中淳平の前途を祝して
派閥を越えてブラッディーバレンタインとなっていたであろう。





チョコ。オトナ味。


西野のいたずら。
バレンタインのチョコの中にひとつだけ入れられたものすごく苦いチョコレート。


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「にゃんらこれ…。にがっっ!!」

「大丈夫? あたし苦いチョコ甘くする方法知ってるよ」

「嘘! 教えて教えて」

「あのね…」





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キス。


ふたりのキスシーンは3度目。
しっかりと描かれるのはこれで2度目。

なにより今回のキスは西野から…。




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幻想的な西野ファーストキスシーン。
これがふたりの仲を決定付けた。



こんなことされれば甘くなりますって…!!



前話のラストひとコマから
こんなシーンが起きるなんて全然考えてなかったですよ。



考えれば考えるほど味なことをする女の子である。

そもそもこの苦いチョコレートをどんな想いで作ったのか?

本当に罰ゲーム的な意味で作ったのか。
それとも、キスを誘導するために計画して作ったのか。


そもそも真中に呼び出されたところから覚悟してたってことでいろんなことが考え出されてやまないです。




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「あ…」

真中に抱きすくめられて吐息を漏らす。

色気と離れた位置にいた女の子が
突然色気を出すとなんかこうエッチなんだよね。



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「…いつ行くんだ? いつまで会える?」
「…さ、3月2日…。卒業式が3月1日だか…ら…」


西野の声に、このエッチっぽい声に。
一瞬大事なこと忘れそうになった。



西野の出発日くらいチェックしとけ!!










「だからそれまで、あたしのこといっぱいいっぱい抱きしめて…」


最悪の夜となる悲劇を回避したふたり。


それからの15日間があまりにもあっけなく過ぎていってしまったがこれはこれでよかったのだろう。
きっと毎日ふたりは時間の許す限り会ったのであろう。

互いのてのひらに温もりや感触が染み込まれるまで
互いの身体が互いの違いをはっきりと認識するまで

そして、その匂い・その吐息が
身体全体に染み込むまで。
自分の記憶に刻み込まれるまで。

ずっとずっと、やさしい時間をすごしたのであろう。









そして、別離のときが来る…。

別れぎわを寂しいものにしたくない真中は空港で、はしゃいでいた。

見送りは真中ひとりだけだった。


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「両親やバイトの人たちは仕事あるから。
 友達も昨日卒業式のついでにお別れ会してくれたし…
 てゆーかホントは彼氏が来るから遠慮してって頼んだんだけどね」


この西野の表情が本当ににくらしいほどイイ表現ですわ。
おどけてみせてまで
この別れは永遠の別れではないということを強調するかのようである。


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「ありがとう淳平くん。キミに見送られて出発できること、本当に幸せだって思う」


正直。すてきだなと思いました。
正直。すごく潔いなと思いました。


このセリフは、迷いとか不安や不満があったら上手に言えません。


いままでいろんな西野の表情をこのプログでピックアップしてきましたが
こーゆーのかなりお気に入りな表情です。



フランスに着いたらもうふたりは彼氏でも彼女でもない。


この関係は白紙に…。解消される。


西野の口から出るのは…。寂しさと強がり。
「向こうに着いたら、もうあたし彼女じゃないから…」
「電話もしないし…」
「手紙も書かないし…」
「淳平くんのことも、なるべく考えないようにするから…」


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「動いちゃダメ!! 
 あたしも、もう振り向かないから、淳平くんもこのまま帰って!!」


ここでめずらしく西野が自分からビシッと切り出した。


もう数時間後にはフランスに行く機内の人となる。
真中の顔を見ていたら決意が揺らいでしまう。




これからはお互い

それぞれの未来に向けて頑張ろう…。



それぞれの未来に向かって。


ふたりの進む道は、別の方向へと向かっていく。
菓子職人になる夢。
映画監督になる夢。
それはいままでずっと考えて…とても真剣に選んだ道だから。



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だから『振り向かない』


これから先の未来は、夢の方だけを向いて歩いていく。


出会いと別れ。
どんな形であれ、それはいつか来るものである。


ずっと一緒にいて欲しいと願ってもいつかは別れのときがやって来る。


その理由もそれぞれである。


どんな者にも平等に出会いと別れは訪れる。


誰かと出会うという事は、同時に別れのはじまりでもある。



その別れの理由が永遠の別離…。『死』でないのであれば。

きっとふたたび、またどこかで出会う日が来る。



出会いは縁。


そして縁はたとえ切ろうとしても切れないものである。


『それにいつかまた会えるよ』


互いに成長したとき。

ふたりをつないだ運命が再びふたりを結び付けるかもしれない。


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だけど…。


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だけど。


もう一度だけ。


最後にもう一度だけ。



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…振り返る






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すぐ後ろに、真中。


このマヌケな間も
逆に物語を引き締めてしまうから
もうたまらない。




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最後の抱擁。

「会えるよね?
 またいつかあたしたち出会えるよね!?」


他人の目なんか気にしない。

運命はいたずらを起こすけれども、縁は自ら切っても切りきれないものなのである。


「そして次に会う時は
 もっとあたしのことワクワクさせてくれる淳平くんになっていてね!」




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「それじゃカンヌで待ってる!」

これはあきらかに未来への伏線ですよね!?

数年後。西野と淳平が再び出会う舞台は…フランス。

『いちご100% 第2部 ~フランス編~』がスタートするわけですよ!!


そして映画監督真中は、人種の坩堝フランスにて
さまざまな女性達と複雑な恋愛模様を繰り広げるんですよ…。


もーいいよ。
そんな真中なんて見たくないよ。




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旅立つ西野にはやはり笑顔でいて欲しい。

西野を載せた飛行機は日本を飛び立っていく…。







まさか前回の流れから、こんなにいい話につながって行くなんて誰もが予想しなかったでしょう。

絶対に真中の血祭りだ。
とうとう物語全体にひびを入れてしまった。…と思ってました。

いままでずっと楽しんできた『いちご』という作品を
最後の最後で投げ捨てることになるのか…。
東城の告白のとき以上に絶望するのか、と。


けれど違った。
河下先生は『奇跡』を書き上げた。


こんなにも、感動のあまり鳥肌が立つなんて…。


西野との関係を美しいままで、別れまで書き上げ
留学という問題を、こういう形でクリアさせるとは思っていませんでした。


この別れなら、ほとんどの西野ファンは納得いったのでしょう。


この展開で次回、東城と付き合っているということは絶対にありえません。


確実に西野エンドです。それ以外は認めない。


これで最終回にしなかったのはなぜかという話ですが
それは、真中自身がまだ未来への展開をなにも示していないからです。









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いちご100% 第164話 「あの日のノート」 

昨日のうちに電話ができなかったことを西野に謝る真中。


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「―悪いと思ってるよ。ワガママ言って
 ただ、どうしても西野に会いたくて―…」


電話で話す真中の背後には、東城からのノートが置かれていた。


その日。
2月14日。

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一日泣きはらして疲れきった真中の目に飛び込んだのは東城からのノートだった。

「…なんでこれが…」


東城が勉強のあいまに書いていたファンタジー小説。

主人公の生まれた国を治める美しい王女と主人公と同じ夢を持つ
はた織りの少女。



この小説に登場するふたりのヒロイン。
それはまさに東城と西野そのものだった。



東城はこの物語の結末を、最初から決めていた。


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「あの物語の最後。
 すべての戦いが終わって、疲れ果てた体で主人公が帰ったところは
 美しい王女のもとではなくて、同じ志を持った女の子のところだったのよ」


真中が西野との交際を始めた日。
その結末は変更された。


その後、真中と西野の交際が終わったことを知った東城。
バレンタインを境に一気に東城と真中との距離が縮まったその日。

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「あたし。 あの小説の主人公が
 ふたりのヒロインのうちどっちを選ぶのか、今やっとわかった気がするの」

部室で真中から抱きしめられたとき。東城の中で物語に再度変更が加えられた。

それ以後。小説のラストについて特に言及してきたところは今日まで無い。



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『…大丈夫なのか?
 これを読み終わったあとも
 俺はまだ西野と上手くやっていけるのか?』

このノートに書かれている物語が真中の心を揺り動かすのか?


前話で東城と真中の恋愛感情は清算したはずなのに、まだここからドンデン返しなのか?


まさかとは思う。
3冊のノートに書かれた物語の結末。
それは真中と西野の仲さえもくつがえす内容だとでもいうのか。

小説のラストに。
そこに東城の隠された想いがあるというのか。


だとしたら。あの決別は一体何だったのか。


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『東城は三人の登場人物にどういう結末を与えたのか』



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そして真中はノートを開く。

ノートに描かれたそれぞれの登場人物と真中・西野・東城を重ね合わせながら…。







そのころ、それぞれの場所でそれぞれの未来に向けて現在が動き始めていた。

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きりっと着物を着付けたさつき。
「『あの時、つきあっときゃよかった!』って言わせてやるんだからね!」


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「ちなみの真心溶けないうちにみんな召しあがれ」
パトロン目当てに余念の無いちなみ。


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「あたしは恋愛って素敵だと思ってるよ!」
恋愛に費やすエネルギーには意味があるという発言である。
初めて出会ったときからは全然想像つかなかったが、
憧れの東城が精一杯恋愛に生きた点を見てなにかが変わったのだろう。


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「これつまんね―物だけど…受け取ってくれや」
硬派右島の仁義。
予備校での勉強の助け合いから、お互いに異性に対して苦手同士の微妙なスタート。



なんでこんなに一気に人間関係を整理し始める?

この後一体なにを清算するのか!?






雪の降り止まぬ2月14日。バレンタインデー。
真中の急な呼び出しは一体なにを意味するものなのか?

夕食を共にする二人。

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『西野。昨日のこと全然尋ねてこない。
 思えば中3の時からずっとこうだ。
 俺達いつも肝心な部分には触れないままで』


違うだろ。
お前が全然肝心な部分に触れないまま逃げ回ってきたんじゃないか!?

西野は一度も逃げたことがない、自分の気持ちを前面に出してきていた。
それを真中が気がつかなかっただけで、読者はいつも痛いほど気付いていた。




『西野はカンがいいからこのあと何が起こるのか、もう気付いてるみたいで』




ふたりはカラオケボックスの個室に入る。
つとめて明るく振舞う西野。

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ほとんどが西野主導で進む中、真中は一人何かを決意した顔である。




『わざと明るく振舞って。 わざと明るい曲歌って――』




時間だけがすぎていく。


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西野が歌う曲の分だけ――
グラスの中身だけが減っていく――



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そして沈黙のときが訪れる…。



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西野はすでに何らかの覚悟を決めていた。


だがあえて真中に甘える。


「あたし。淳平くんの歌声が好き。
 淳平くんの声ってどことなく優しい響きがするんだ。
 ひさしぶりに聞けると思ったんだけど――」


真中の歌声でこの切ない空気を緩和しつつ、
西野はそれで自分の心を慰めるつもりであったのか?



その西野の気持ちを受けた真中がついに動き出す。



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「西野。話があるんだ…」




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「うん…」


西野の瞳が痛い…。
こんなタイミングで真中がなにをしでかすのかが怖い。


うつむく真中。


そしてベッドの上に置き去りにされたノート達。





カラオケボックスの外ではいまだに雪が降りやまず。

『清算』の夜はまだ始まったばかりである…。









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[ 2006/06/29 22:17 ] いちご100% | TB(0) | CM(3)

いちご100% 第163話 「あたしから」 

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「西野さんも、真中くん待ってるの…?」


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西野は戸惑う。
それは当然。


なぜ? なぜここに東城さんが来るの?


本命の受験日のあとに会いたいと、
真中からの電話は西野ひとりだけのものではなかったということか。

真中の帰りを待ちわびていた西野にとって
ここでの東城との出会いは読者に「清算につきあう覚悟」を求めるものであった。



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「どうしても真中くんに話したいことがあって…
 真中くんも多分あたしに聞きたいことがあると思うから」


(注さんの深読みか? 
 もうこの瞬間から東城は西野と目を合わせない。
 そしてその振る舞いが今まで東城とは別人である。)




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ついにこの日が。この瞬間が来てしまった。


ついに決着を。けじめをつける日が来てしまった。



今回ばかりは1コマたりとも見落とすな!!



この瞬間まで、真中淳平を中心にさまざまなヒロインが
中学生活そして高校生活という名の甘酸っぱい時代を走り回った。


そう。それこそ真剣に走った。


…その結果。
真中のそばには最初から真中のことを想っていたふたりが残った。



2月13日。
真中淳平にとっては本命の大学受験日であったが
ふたりのヒロインにとってはこの日が本命の相手とのそれぞれの決着日となるのである。


唯から東城にかけられた電話。
はたしてその内容はどういうものであったのか?


勉強会でのキスシーンか?

または…ベッドの下に置き忘れた下着のことなのか?


そして。
もしそのような内容の電話であるのなら…。
どのような形で『清算』するのであろうか…。





そしてそんな一触即発な修羅場に
雪の上を懸命に走ってきた真中がたどりついた。


そして息を整える間も無く発した言葉は西野の表情を暗くさせるものであった。

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「話があるんだ。東城…!」

言葉の意味をはかりかねる西野と、何かを決意したかの東城の顔がそれぞれに切ない。


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「淳平くん。あたし…?」
「あっ。えっ。えっと…。ちょっと。急用でその…」


なぜここで素直に東城と確認したいことがあると、西野に対して一言のフォローも入れないのであろうか。
そのせいでますます西野に不安をあおっているということに気がつかない。


「西野さんとの約束の後でもいいけど…」
と言いつつさりげなく真中の頭上に傘をかざす東城。
そして西野のほうを一度も見ない。
こんなにクールを貫く姿は今までの東城のキャラではない。


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そして一度うつむき、
無理やりに笑顔を作った西野は自身のしていたマフラーを真中に巻く
「これ。風邪ひいたらいけないから」


そして西野は帰っていく。
傘に隠れたその表情さえ読者に見せないものの

決してファンにとって見て楽しいものではないのは確かだ…。



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「お店に入ったらせっかくのマフラーはずしちゃうことになっちゃうし…」

この東城の心遣いがちょっとした前奏になるなど気がつかなかった。



東城の提案でふたりは裏の公園に向かう。



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ベンチに腰掛けるふたり。


東城に昨日のことを確認したい。
唯の言っていたことがはたして本当なのか。
もし本当なら東城の気持ちは…。

真中としては、この唯からの話をどのように東城から聞き出そうか迷っていた。
だが、話が話なだけになかなかきっかけをつかみかねていたのだが。


受験の出来から話は始まった。
予想より難しくて、せっかく東城に勉強見てもらったのに。と謝る真中。



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「…気。使わないで。
 本当は唯ちゃんに言われた内容に動揺していたからでしょう…?」


話を切り出したのは、覚悟を決めた東城だった。
ここから『清算』が始まる。


この事態さえも笑い話として片付けたかった真中であったが

東城はそれを許さない。



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「…意識なかったんだね」
「そうそう」
「じゃあ、詳しく話すね」


唯が見たのは、
真中が東城の上に覆い被さっていたこと。
そして東城も真中の背中に手をまわしていたこと。
そのときキスはしていなかった。 


多分、顔が近かったからそう見えただけ…。



「でも。その前に…してるの」



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「キス……。 あたしから、真中くんに」


本来ならこの発言は真中に向かって言うつもりではなかった。


だが…。
東城は清算しなければならなかった…。

たとえ、抱擁の現場をキスシーンと勘違いされてしまっていても。

実は唯の見た現場は、キスの後の抱擁だったのだから。



東城にとって、真中への想いの終着点は
誰にも見られず。
誰にも知られずに

東城だけの秘密として、胸の中でひっそりと終わるはずであった。


だが運命のいたずらで唯に見つかってしまった。


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「勝手なことして怒ってたらごめんなさい…。
 けどもうあたし何も望まないから、
 こんなことで想いが満たされたってわけでないけど
 あたしは…やっと前に進める気がするから」



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「真中くんを好きだったことも、結局は実らなかったことも全部に感謝できるよ。
 あたしの中の様々な感情を真中くんのお陰で知ることができたから」



いま東城の表情は吹っ切れたいい顔をしていた。



複雑な気持ちを引きずりながらこの先の人生を過ごすよりも
いまこの瞬間にすべてに決着をつけて前を向こうとする。
東城の瞳はたしかに未来を見つめていた。



そして自ら立ち上がり、別れを切り出す。



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「……じゃあ。
 唯ちゃんを責めないであげてね」


こんな瞬間でも真中のことをおもいやって笑顔で去っていく東城。



ひとり残された真中は、去っていく東城の背中に向かって語りかける。


『もう一度振り返ってくれ。東城!』

『…いや。振り返るな』



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『振り返るな―…。』


もう一度振り返りたい。
でも振り返れない、東城。

もう一度だけ振り返って欲しい。
でも振り返って欲しくない、真中。




別れの際には涙無しではいられない。


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真中はベンチに崩れ落ち、声を殺し泣いた。


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東城も真中への気持ちを断ち切るために傘を握り締めながら涙をこぼした。












ザッ……


風がおさげをゆらす。


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初めて東城の小説を読んだ次の日。
小説のイメージを映画にしたいと語ったその日。



初めて出会った女の子が、初恋の女の子だった。


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自分の夢を語っても笑わずに聞いてくれた女の子が東城だった。



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互いに互いの才能を認め合い、励ましあいながら時間を紡いできた。



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それは映画や小説のみならず、ふたりでいれば何だってできるような気がした。


そう。ふたりでいれば無敵になったかのようなパワーがあった。




もしあの頃に、もっと早くお互いの気持ちに気付いていれば…。

もっと早い段階で、ちゃんとその思いを伝えていれば…。



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このマンガはもっと早くに完結した。(ぉぃ)







翌日。真中あてに届いた封筒には
東城が中学の時書いていた小説のノートと
その続きが書かれているノートが入っていた…。



数学のノートに書かれた小説。


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それはふたりだけのささやかな夢の結晶。
ふたりのほかには誰も知らない、ふたりをつなぐノートであった。


それが真中のところに送られてきた。

これが何を意味するのであろうか。



『東城』の気持ちがつまったノート




次回。物語が大きく動く!!










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[ 2006/06/17 00:39 ] いちご100% | TB(0) | CM(4)

いちご100% 第162話 「決戦前夜」 

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『今はこのままで―――』

東城は目をつぶって、真中の背に腕をまわす…。



(この東城の行動についていろいろと非難はあるだろう。
 よくわかっている。
 だがあえて注さんはいち東城ファンとしてこの行動について語りたい。)




東城にとって、この想いの終着点は
誰にも見られず。誰にも知られずに東城だけの秘密としてひっそりと終わるはずであった。


しかし運命のいたずらにより、東城からのキスだけでは清算は済まなかった。
寝ぼけていた真中は、そばにいた東城を西野と勘違いし抱きしめてしまったのである。


もちろん東城はここで真中の抱擁を回避できた。



真中には西野さんがいる。
自分はいま西野さんと勘違いされて抱擁を受けている。

自分の名前を呼ばれたわけではない…。


でも…。


それでもいい。


それでもいまはこのままでいたい。



この行為は倫理的にいけないことであることは承知のうえ。
この行動が自分の気持ちを満足させるだけで何も解決しないことであることもちゃんとわかっている。


もはや理屈ではないのだ。
3年間の自分の想いをこういう形でしか清算できなかったのである。
たとえそれが人から非難を受ける行為であったとしても。


実際。
男だってこーゆー気持ちはあるのだ。
たとえそれが許されないことだと知っていても。



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しかし。
背徳の幸せの時間は長く続かない。

こっそり入ってふたりを驚かそうとした唯が逆に驚いてしまった。



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あまりの現場を目撃してしまったために悲鳴さえあげられない唯。

この現場はどこをどう見たってキスシーンである。
これだけ顔と顔とが近づいて、
東城の腕は真中の背に回され
スカートはめくれあがってしまっている…。




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「ああっ!」
唯のなかにくすぶっていた謎が解き明かされる。

真中のベッドの下に眠っていた不発弾がここで炸裂する。

『西野さんには大きすぎても、東城さんには…』



以前。この爆弾を発見したとき唯は真中に聞いた。

「そうだ! あのさ淳平ってさ。付き合ってる人いたり…する?」
「へっ? あ…うん一応今は西野と…」

「…ふぅ…ん。じゃあコレは西野さんので二人はもう…。
 お、オトナ… ってこと…???」



真中はたしかに、西野と付き合っていると言った。
それなのに…。
それなのに…東城と部屋で…。


これって浮気!!


唯は真中を許せなかった。
今回、東城に家庭教師を頼んだのは唯である。
それが誤解だったとしても、自分がこの事態を招いてしまったという責任感がある。








唯の責任感など何も知らない真中は、東城との勉強会を楽しんでいた。
高校受験時の勉強会を彷彿とさせるような、この懐かしく居心地のよさを楽しんでいた。

『中学の時。東城のことどんどん好きになってったのも勉強会でだったかな…』


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そして…。
多少の罪悪感を抱えたまま、ひさしぶりに電話をくれた西野にまでウソをつく…。

「そっ。そう今も勉強中…。
 え? ああ。朝から晩まで一人でずっと受験勉強だよ」


それでも受験が終わったら会う約束をするふたり。








そして真中の本命校。青都大学受験前日の夜。

2月12日の夜。 



全国各地に雪を積もらせる静かで冷え込みが始まる夜に

唯からの『清算』 『決戦前夜』が始まる…。



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「淳平に話したいことがあるの」

受験日前日は勉強会をもたない約束だったが唯は真中の家に来た。


唯自身に降り積もった雪を払い落とすよりも先に伝えなければいけないほど重要な話。
普段からは想像もつかないほど真剣な唯の表情。
ここに彼女の責任感を強く感じる。


そして唯から投げつけられた言葉に真中は激しく動揺する。


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「勉強会の初日。淳平と東城さん抱きあってキスしてた」



真中には全然思い当たる節がなかった。
だが、真中から東城に覆い被さっていたことを告げる唯。


…。
そう。
あの日。
たしかに真中の記憶がない時間があった。

それは東城が中座したわずかな時間。
その時間の記憶が抜け落ちている。


「待てよ。けどそれ様子おかしかっただろ?」
「東城さんも淳平の背中に腕まわしてたもん」



真中はこの行為について記憶がない。
女の子を抱きしめている夢を見ていた気がするだけ…。

ただし、唯の言うことが本当なら
その瞬間にふたりは抱き合ってキスをしていた…。



動揺し混乱する真中。
それは事実なのか?

衝撃的な言葉を振り切るように真中は声をあげる



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「…ってなんで!!
 青都大の受験前日にそんな事言うんだよ!!!」




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「ばちが当たればいいと思ったんだよ!」


唯。言った━━━Good━━━d(゚∀゚)━━━Job━━━!!!!


すべてのいちごファンがずーっと思っていたことを代弁してくれました。


「そうだよ、二人の女の子に優しいふりしてさ。
 結局どっちも泣かせるよーな事、淳平はしてきてるんじゃん」


真中のことをよく知っている幼なじみだからいえるこの言葉。
この言葉は唯だけにしか言えないのである。




そして『清算』はつづく…。





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昨日の夜に唯から聞かされた出来事が
真中から受験に対する集中力を欠いていく…。



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ほぼ同じ頃。
東城の携帯に唯からの着信が届く…。



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真中の家の前で、雪と戯れる西野。
「もうそろそろ受験終わって帰ってくる頃だよね」

本命校の受験が終わったら会う約束をした西野。
早く会いたいから、真中の家の前で待っていた…。



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傘を手に真中を待つ西野であるが、ひとつの足音が西野の瞳を凍らせる。




とうとう3人を巡るこの物語に決着をつける日がきた。

三者三様の想い。
それぞれの想い。
ふたりだけしか知らない事実。
ひとりは知らない事実。



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中学3年の初めての出会いから続くこの三角関係。


このアンバランスに決着をつけるために、ふたりはここで出会う。




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「…こんにちは
 西野さんも、真中くん待ってるの?」



なにかを決断したかのような東城の瞳。
もうあのときのようなおどおどした東城ではない。


西野の瞳がさらに凍りつく。











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余談
この話を読んだのは、すごく暑い日であったことを記憶しています。
汗だくになりながらコンビニに入り読み耽ったのをおぼえています。

しかし、このラスト1ページを見た瞬間に背中に冷水をくらったかのような錯覚を感じました。

来週どうなる!? 
そんな気持ちでいろいろなシミュレーションをしたことをおぼえています。
そんな気持ちで何度も何度も読み返して、ジャンプ買ったことをおぼえてます。
[ 2006/06/04 17:36 ] いちご100% | TB(0) | CM(4)

いちご100% 第161話 「ふたりきり」 

大学受験もそろそろ大詰め。
センター試験までもうそんなに時間がないその日。

12月26日。

塾に行くために羽織った真中のジャケットのポケットから
西野から送られたクリスマスプレゼントがこぼれ落ちる。



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それは手紙と、学業成就のお守りであった。

「え…これ。いつの間に…」


『今年のクリスマスは私にとってすごくステキなクリスマスになったことと思います』

実際にはちょっとしたことからケンカしてしまい、ステキなクリスマスなんてできなかったけど…。
ちょっとだけ罪悪感にさいなまれる真中。


その夜。
塾帰りに西野に電話を入れる。


「すっげ~驚いたよ! で。アレ一体いつ入れたの?」
「うふふふふ。ひーみーつ!」


「もし。よかったら会えないかな。少しだけでいいから…」
「…ムリだよ」

「えっ!! 何? もしかして怒ってる?」

ムリも当然。
そのころ西野は雪積もる金沢まで家族旅行をしていたのである。


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「郵便受けにプレゼント入れたの淳平くんでしょ? ちゃんと使ってるよ…可愛い指環!」


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「ねぇ淳平くん。一緒に年は越せないけれど、来年も大好きだから…。
 来年もよろしくね。淳平くん!」

指環にキスをする西野。
この何気ないしぐさに何かと反応してしまう。



クリスマスは過ぎた。年末はもう会えない。



そう。
留学するということは家族とも会えなくなるのである。
真中とばかり時間を割くわけにはいかないのである。


来年…。

といっても春には西野はフランスに行ってしまう。
それまでの時間。何日会えるのかはわからない。
ここに来てようやく西野との時間を大切にしなければいけないとわかった真中。



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やっぱり笑顔の西野はかわいい。。。
河下先生の描く女の子はみんな笑顔がかわいい。。。


屈託のない笑顔がみたい。
女の子の笑顔って、癒されるよね…。


書きながらこのページで腕が止まってしばらく中断してしまったほど。


うーん。
最近…笑ってないな。
最近…。ゆとりがない。時間がない。
夜中遅くまでパソコンに向かい合うものの書けない…。

(いかんいかんいかん。愚痴が出そうになった…)


…話を続けよう。


このあたり時間の流れが速い。
もう大晦日である。


推薦入学を勝ちとった生徒はともかく、受験生にとって年末年始は無い。
大晦日も正月もすべては受験が終わってからなのである。

塾で年を越した真中たち。
講師に新年の気合を注入されたところでそれがそのまま受験力となるわけではない。



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センター試験の難解さに自信を失い、完全に沈んだ真中。

受験勉強そっちのけで映画に取り組み。
クリスマス直前からようやく勉強に励んだものの、いつまでも付焼刃が効くような話ではない。


真中が点を取れなかった英語も、唯にかかればすらすら読解されてしまう。


塾も自習中心となったようで、
勉強を教えてもらいたい真中としては塾へ行く意味がなくなってきたのである。



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「唯。マンツーマンで勉強教えるの上手な先生に心当たりあるよ。まだ学生だから多分タダだし」




そして唯の紹介する家庭教師が来るその日。

家庭教師代の浮いた真中の母は美容院へとでかけていく。
連日朝まで勉強している真中にとっては、眠気とも戦いであった。



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「えっ? と。東城!?」
「えっと…。唯ちゃんに頼まれて来たんだけど」
唯の紹介した、家庭教師とは東城のことだった。


真中としては困ったところである。
いくら勉強会とはいえ西野以外の女の子と二人きりという設定は好ましいものではなかった。


ましてついこの間まで互いに意識していたふたりである。

そんな真中の顔色を見透かしたのか東城は言う。
「学校終わったら唯ちゃんも来るって。唯ちゃんも一緒に勉強したいって言ってたよ」


ふたりだけの勉強タイムはおよそ一時間ほど。



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東城が中座から戻ってくると、真中は連日の疲れが出たのか眠っていた。
さきほど洗面台においてあった時計は15時10分前をさしていた。
唯が来るまでもう少しといったところである。


『きっと毎晩遅くまで勉強してるんだ…』


そんな真中の寝顔を見ているうちに、突然東城の脳裏にクリスマスの悪夢が甦った。


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『綾さん…』
天地のキス未遂事件。


「や…」

『なんでこんなこと思い出したんだろ』


この瞬間。
東城の中で何かが動き出す。


それは今まで誰にも見せたことのない一面。


それは理性ではなく、野生。


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『真中くんがいい。初めての人は真中くんがいい』



この行為がいけないことであるのは知っている。


この気持ちは持ってはいけないものであることも知っている。


だけど…。


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『それ以上もう何も望まないから。だから…』



真中と東城の間に『キス』は一度もなかった。
事故や偶然で触れたことは二度ほどある。

いちご100% 第036話 「秘密の出来事」
最初のキス?

いちご100% 第131話 「IN THE 暗闇」
2度目のキス?



だが今回は違う。
明確な意志を持って行う『キス』である。



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『神様許して――…』


言葉を胸に秘め、真中と唇を重ねる東城。
ふたりの他に誰もいない部屋。
そしてこの事実を知っているのは東城ただひとり…。

ただひとり、真中への思いを胸に奥にしまう決意であった東城。


それはあまりにも孤独な幕の引き方であった。



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だが。目を覚ました真中に押し倒されてしまう…。



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一瞬。真中の目が覚めていたのかと本気で疑った。



「真中く…」


「…西野…」




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『…ああ。そうか…』



呼ばれたのは自分の名前ではない…。


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『真中くんはあたしを西野さんだと間違えて…』



さらに寝ぼけてたうえでの勘違いでも…。


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『でも…。それでも』



それでもいい。


それでもいまはこのままでいたい。



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『今はこのままで―――』

東城は目をつぶって、真中の背に腕をまわす…。









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[ 2006/05/31 13:33 ] いちご100% | TB(0) | CM(2)

いちご100% 第160話 「それぞれの聖なる夜」 

「あたし春にはフランスに行っちゃうんだよ!?」

「あたしだってあたしの夢を追いかけたいよ!」

「淳平くんならわかってくれるよね!?」



西野の夢。
それは菓子職人になること。

その夢の実現のため、高校卒業後パリに留学する。


ふたりで会える時間は限られている。


なのに真中はそんなことお構いなし…。


事実。西野が留学することなんて忘れていたのではないだろうか…?



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クリスマスイブに女の子からこんな顔されたらどんな気持ちになるよ?

それはすべて真中のせい。
こんな状況ではとてもデートを続けられない。


「悪いけど、今はそーゆー気分になれないよ…。
 今日はもう帰ろ? じゃあ…」


帰る西野。
送る真中。


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走ればすぐに追いつく距離を保ったまま、真中からは近寄れず。
微妙な距離を保ち続けてとうとう西野の家に着いてしまった…。



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そこで西野が振り返る。
怒っているかのような。
また一面でなにかを誘っているかのような不思議な表情。

そして真中にとって衝撃な一言をつぶやく。

「…キスしよっか」



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西野からのキス…!

直接キスをしている描写こそないものの
西野が真中のポケットに手を入れています。

(プレゼントか!?)

…河下先生心情描写うますぎっ。



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「…ね。留学までにあと何回キスできるかな
 だからっ。ちゃんと大事にしてよね!」

そう言いつつ西野は自宅へと帰っていった。

この表情。
このセリフ。
やっぱり西野は真中には、できすぎたいい女の子だよなぁ。


残された真中はようやく反省して、西野へのプレゼントを郵便受けに入れた…。



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これからはなるたけ会えるように努力する。
努力するから―…。

西野っていつもクッション抱えてるシーンが多いですよね。

それってどう考えても真中とのスキンシップが不足しているからですよね?










クリスマス当日。

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東城綾 著 『夏に歌う者』 が発売された。
高校2年次の映画を小説化した 東城の作家デビュー作&中路賞受賞作である。

本の発売日。
誰が買ってくれるのだろうか?
どんな人が本を手にとってくれるのだろうか?

東城としては気になって、見張ることにしたようである。
そしてもちろん正太郎もついてきていた。


「おっ! ねーちゃんの本の前で客が止まった!!」

「またそーやってからかうんだから―…」

「すっげえ。アイツ5冊も手にとって…」

「え!?」



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5冊も手に取った客。それは天地だった。

読む用。保管用。人に広める用。(飾り用・切り抜き用か!?)
そんな感じで5冊買う男。


しかし、天地はちょっと不愉快だった…。

「綾さんはアレかな?
 本が並んでるのを見に来たのかな? その…カレシと一緒に…っ」


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「そうそうそう!!
 とりあえず宣伝よろしくね。ねーちゃんが書いた本…」
「……『ねーちゃん』?」


またしても東城の彼氏のフリをした正太郎は
いたずらが成功した子供のように陽気に走って逃げていく。


文化祭のとき東城が文芸部のみんなに説明したにもかかわらず
天地は女の子に囲まれていたため説明を聞いていなかったという話。
文化祭から2ヵ月近くずっとだまされていた天地。



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「天地くんはモテるから、わざと内緒にされてたのかもね」

東城かわいい…。
この笑顔最高。 
メガネ女子の笑顔ってなんでこんなにドキドキさせるんだ…。



しかし。
なにげないこの笑顔に、心動かされてしまった天地が今回大きく動く…。





天地からのお茶の誘いを断りきれずついていった東城。

なにげない会話。
正太郎が実は東城の弟であったこと。
天地も慶法大学が第一志望であること。

そして、作品を書くプレッシャーの話に及んだときである…。


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「あたしの小説を昔からよく知ってる人にアドバイスもらえることになって…。
 気分的には少し楽になったかな」


注さんって。
メガネにだまされてる?
パーツに弱い男?
上目づかいにコロッときてる?
わずかな首の傾き加減に揺れてる?


全部正解です。。。




東城がいくらオブラートに包んでも天地にはお見通しだった。



「それ真中のこと? 僕はそういうのよくないと思うな」

「それって君の才能の幅を狭めることになるんじゃないのかい?」

真中を意識して小説を書くことで、
知らず知らずに真中好みの作品になってしまうのではないか?

君の小説を一人のために書こうなんてプロにあるまじき考えだって思う。



と話を進め。さらに天地は東城の恋心に言及する。



「君には恋を選んで夢を諦める人生なんて歩んで欲しくない。
 僕なら選ばざるを得ない恋愛なんて君にはさせない!!」

「第一。真中には彼女がいるじゃないか! それなのになんで…」





「僕だって」



天地の話が脱線し始める…。
同時に天地のココロも道を外しだす…。


立ち上がる天地。
異様さを感じる東城だが圧倒され動けなかった…。


「中学の頃の眼鏡でおさげの綾さんに会っても
 君の良さにちゃんと気付いてあげられる自信はある
 たまたまだよ…。たまたま先に真中と出会ってしまったってだけで」



「…眼鏡外してみて」



天地の話が脱線した…。



「ほら…僕にもその眼鏡を外させることができた…」

「やっぱりそれがないとよく見えないのかな。僕の顔もわからない?」


…って眼鏡外すなよ東城っ。
ホントこの娘だまされやすい女の子だな…。



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そして天地が動くっ!!


「綾さん…」
「や…っ」


突き飛ばされる天地…。
走り去る東城…。




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「待ってよ。ねえ。
 ごめんね。綾さんが傷付くとは思ったんだけど
 君の中の真中を消せたらって思って…」



天地の気持ちはよくわかっている。
どれだけ東城のことを大切に思っているかは東城もよく知っている。



…だけど

いまの東城は真中のことしか…。



この天地によるキス未遂事件が
東城の心に大きな動きをもたらしたことなど。

読者を含め東城自身。今はまだ誰も知らなかった。









東城と真中の間に存在するふたりだけの関係。
そのジレンマに限界を感じた天地。
とうとう実力行使に出たものの、
この行為で今まで積み上げてきたものが一気に崩壊する。


同時に天地自身。


ここでお別れである…。









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[ 2006/05/23 08:35 ] いちご100% | TB(0) | CM(1)

いちご100% 第159話 「恋人ならば」 

この回はジャンプ連載当時タイトルがありませんでした。

あれっ!? とか思ってたんだけど単行本ではしっかりとタイトルがつきました。





さて、受験シーズン中ごろ、クリスマス手前といったこの時期。
推薦入試で進学先が決まった者も出始めたこの時期。


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「真中くん! これ…昨日目を通したんだけど」

約束どおり東城は真中の映画を観てくれたようだ。
さすがに映画の感想を他のみんなに聞かれたくなかったので東城を引っ張り階段へと向かう。


そして東城の感想は…。


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「真中くんらしい作品ではないと思う」

と前置きした上で、アドバイスを行う。
3年間。
ずっと真中の映画に立ち会ってきたからこそ東城のアドバイスは真中にとって的確であった。

ドキュメント風であり、セリフもなく、淡々と時間だけが過ぎていく手法。
短編映画の雰囲気を撮ったものであったようだ。


だが、さすがは東城。一度否定したうえで褒める。


「けど、映像的にはすごく綺麗だったな。
 真中くんって繊細な物を撮るの上手だよね」

真中のこだわりに気付き、褒める東城。
褒められた真中は自信を持つようになる。

この手法は高校生にできる技ではありませんよ。


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「うんっもちろん!」

最近。蘭泉祭以後、東城の表情が別人です。
真中にフラれてしまってからというもの可愛さに磨きがかかりましたよね。

「好き」という気持ちを伝えただけに、もうその気持ちを隠さなくてもいい。
それだけに東城ファンはちょっと複雑な心境なんですけどね。



ここで東城は、自身がすでに推薦入試で慶法大学文学部に合格したことを告げる。

真中にとっては5浪しても受かりそうもないほどの大学…。


ここで真中は今まで自身にくすぶっていた疑問を東城にぶつける。


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「東城はさ。なんで大学行くんだ?」

東城はもう小説家として人生が決定している。
なのになぜ大学に? ハクがつくから?
小説家だって映画監督だって大卒じゃなくてもなれる。
映画業界に就職して直接技術を身につけたほうが近道なんじゃないのか?

角倉に映画を酷評されたとき。
『今はもう少し自分自身を厳しい環境に置くことだな
 とりあえず受験勉強頑張ってみるとか…』
と、言われたようだ。


それは絶対に大学に行かなければいけない。ではないだろう。
東城の言うとおり「もっと自分を鍛えろ」と捉えるのが自然だ。
大学に行き、たくさんのものを学ぶこと。
いろんな人に出会い、いろんな場所に行き見聞を広めること…。

たしかにそれは大学に行かなくてもできることなのかもしれないが…。


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うなだれる真中を見つめる東城。

…この色っぽい顔は『罪』だ!


思わず伸ばしたその手が痛烈に切ない。


元気を取り戻した真中は去っていくが、東城はその場を動けなかった。


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「もしも。あたしが真中くんの彼女だったら…
 あの時…あの時―…」

東城の中で何かが変わり始めたのでしょうか?
今までとはぜんぜん違う積極さが出てきましたよ。





本当はスルーしようと思ってたんです。
今回からようやくシリアスに移っていくとこなんで…。
でもやっぱ、できませんでした。

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「あっ。やだ…」

どうやったらそんな転び方ができるんですかっ?


パンツキタ━━━━━━V(゚∀゚)━━━━━━!!!!

とりあえずお約束のサービスシーン「キター」と小さくやっておく…。



さてそれから真中は真剣に受験に取り組み。
気がつけば2学期も終了し…。



物語はクリスマスイブを迎える…。




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「えらい! 10分前行動!!」

ひさびさの再開を素直に表現できる西野が可愛い。
もっとすごいのは、真中が10分前に来ることを見越してその前から西野は待っているということ。

なんていい子なんだよ。

しかし、真中としてはちょっと乗り気ではなかったようだ。
勉強の成果が出てきて面白くなり始めたころだから…。


ふざけんなよ真中。(怒)


しかし、そんな真中の気持ちは見透かされています。


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「あのねえ!
 一日勉強サボってバカになるよーな頭なら、大学なんてもともと受かるわけないの!」

真中の優柔不断ぶりにはもうこっちはわかっているはずなのだが、どうしても許せない。
勉強もしなければいけない。
しかし、西野とのクリスマスイブもある。
どっちが大事かって天秤をかけるなよ。


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「せっかくのクリスマスだし…。
 せっかくのカップルだし…ね?」

怒った後にすぐにこーゆー切り返しのできる女の子って最高ですね。


そしてさっきまでは乗り気でなかった真中が『オス』としての本性を出す。


『思えば、あの夜以来触れてもなかった。
 西野だったら今日も何か用意してくれてるハズ!!
 眠ってたオオカミの血が騒ぎ出す~~~っ!!』

『とりあえず日中は普通にデートして
 日が暮れたら狼は目を覚ますのだ…にひひ』


この単純な思考回路を
注さんは同姓として許せないんですがぁぁぁ…。


たしかに10代後半の男ならこーゆー気持ちを抱くのは否定しない。
まして一度経験してしまっているのならなおのことであろう。
だが、露骨すぎだ。


やらしい事考えるのは百歩譲って許そう。
だが西野の身体目当ての考えはファンとしてどーかと思うぜ。



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「ホントしあわせ…」

穏やかな西野の顔と、隣に描かれた欲望丸出しの真中。

実際クリスマスイブのカップルの大半がこんな感じなんでしょうか?



注さん。恥ずかしながらこーいった経験ございません。
今の妻とは、結婚前こーいったデートしておりません。
また学生時期も野外でクリスマスを過ごすという経験がございません。
いったい何をやっていたかというと…。
まぁそれは別の機会に…。




しかし、この幸せいっぱいな空気を真中はぶち壊します。
最低です。
西野を何だと思っているのでしょうか?

「俺はてっきり夜は西野の家かと…」
「そういつも都合良く親がいないわけじゃないよ」
「俺ん家も親いるしなぁ…。
 じゃあ今日はその辺でメシ食ったら帰ろうか…」
「ちょっ…。せっかくバイト忙しい中頼んで休ませてもらったのになんでそんな風に言うの?」


「…もしかして淳平くん。今日ずっとエッチなことばっかり考えてたわけ!?」



「図星です…。」って言えよ。真中。



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「わかってるの? 淳平くん!
 あたし春にはフランスに行っちゃうんだよ!?」



この真中の顔は明らかに西野の夢を忘れてた。
西野の話なんてぜんぜんおぼえてなかったのだ。



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「本気なのか!?」

オイ。何だよその言葉は?
去年のバレンタインの夜にしっかりと聞いていたはずだぜ。

今まで冗談だと思っていたのか?

西野がすごいなぁって感じるのはこの瞬間に手が出なかったことだ。
殴られたっておかしくないはずの失態である。



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「あたしだってあたしの夢を追いかけたいよ!
 淳平くんならわかってくれるよね!?」


真中にも、西野にも夢がある。
まして真中にいたっては西野のことほったらかしにして映画に没頭したこともある。

だから西野の夢については理解できるはずなんですが…。










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[ 2006/05/22 07:58 ] いちご100% | TB(0) | CM(3)

いちご100% 第158話 「MOTIVATION!」 

真中のベッドの下から出てきたブラ。

この不発弾を唯はどう処理するのか?



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「? どうしたの?さっきからずっとこっち見て…」
「唯。西野さんのおっぱいなんて全然見てませんよ~~っ」



…バレバレである。



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『どうしよう!!
 西野さんにブラジャー返すべきなのかなあ~~っ
 でもこーゆーのって見て見ぬフリしたほうが親切かもっ』


もしこの段階で西野に言っていたら…。

言うまでもなく『修羅場』である。


爆弾は依然ベッドの下。



修羅場へのカウントダウンか?
という読者の期待は今回はなかった…。


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「…じゃあバイトあるから行くね」

西野が一方的に会いたいと来てくれたというのに、
真中は全然帰ってこなかった。


『淳平のニブちん!』 と唯が心の中でつぶやく頃真中は…。





東城と出会っていた。
真中が東城の家の傍まで行ったのだから必然的に会うことになるだろう。


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真中は角倉に酷評された映画の話をしたかった。
そして東城もまた真中に話したいことがあったのである。



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「俺の映画。東城の脚本がなかったらこんなもんなんだって
 なのに、ちょっと声かけられただけで調子に乗ってさ…」


この東城の表情が秀逸。
真中の夢の実現のために手を貸してあげたい。
いや、そもそもこのふたりが作品に携わったことでこういう関係になることは予想できた。

しかしこの表情はまだ序章である。


東城が小説を書く原動力。
それがなんであるのか気付くまで、
たっぷりページを割いて書き上げていくこの技術。
…上手すぎです。


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「あ、あたし…。才能なんてないもん…っ」

東城の脚本あってこその真中の映像。
ほかの誰かにダメ出しされるのは辛いけど、才能ある東城ならダメ出しされてもいい。
真中としてはそんなつもりのひとことだった。

しかし、東城は今スランプのどん底にいた。
プロットを書いても書いても通らない日々…。
それどころか小説を書きたい気分でもないのだ。

「…でも実際東城は賞が獲れるレベルの小説書けるんだし」


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「あたしが小説書く動機なんて結局…」



『それは真中くんのために…』



一番大事なことに気付いてしまった東城。
そう。東城にとって小説を書く原動力。
それが真中淳平。


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「俺が頼むから東城小説書けよ!」

東城の原動力がまさか自分だなんて知る良しもなく。
スランプに悩む友達を助けるためのアドバイスくらいにしか思っていなかっただろう。

だが、それは東城にとって一番欲しかった言葉である。


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涙ぐむ東城。

いきおい余って転んでしまうくらい驚いたけど…。
でもその言葉が一番欲しかった。
真中くんのために小説を書く。


恋心はつながらなかったけど、モノを作るという気持ちはつながっていてもいいよね…。


真中のアドバイスを受けて、脚本作りのつもりで書くことにした東城。
真中の映画を観てアドバイスすることも約束した。


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「うん! 真中くんも頑張って。
 そしてまた映画化してね真中くん…!」


最高にいい顔する東城。
告白以来最高なほほえみです。

今まで自分の気持ちを抑えていた女の子が告白を超えたとき、
こんなに「大好きっ」ていう顔してくれるからたまらない。


惜しむらくはもう東城が舞台のヒロインではないということ…。


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部屋に帰ってボーっとする東城。

文化祭の夜以来、
もう二度とふたりのモノづくりについて話をすることはできないと思っていた。
だけど今日久し振りに話ができた。

ふたりをつなぐものはふたりの得意分野でのモノづくり。


『でも真中くんは…今は西野さんとつきあってて…』


それでもさっき感じたの
空を見て思い出したの
真中くんに初めて自分の小説読まれた時
一緒に夢を語った時


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この恋が実ることはないかもしれないけれど
それでもあたしたちはやっぱりつながっている…よね?


いちご終盤。恋する乙女の胸の奥に燃える炎を見ました。
東城の中で整理したはずの気持ち。
でも簡単に整理できるわけない感情。

せつないです。
この気持ちは男でも理解できる感情です。


そしてなによりこの腰のくねり具合…。  …そそります。

え? 見る場所違う!?



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「真中くんが原動力なんだなぁー…」

本当にいい顔します。
どうしてこの子が正ヒロインおろされてしまったかがわかりません。

ラスト数回でこの恋の行方がどういう結末を迎えるのか気になってしょうがないのです。





物語と直接関係ないけどこの二組のペアがちょっと楽しい。

角倉周と黒川栞

真中に対して酷評を出した角倉であったが、
実際そこまでひどい作品ではなかったようだ。
新進気鋭の若手監督でさえ『ドキッとする』シーンもあったようだ。

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「…なんて言ってほしいのよ
 真中淳平を見てあの頃のアンタを思い出したとか言って欲しいのか~~っ?」


注さんは、このへんのオトナなやりとりにドキッとしましたけどね。


黒川先生は角倉とどーゆー関係だったの? ここのあたり補完して欲しいですよね。






美鈴と玉三郎館長のクリスマスコスプレ

じつはここのあたり時間の流れがぜんぜん見えなくてね。
文化祭終わって今いつ頃ということで、サンタによるクリスマス目前という布石。

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角倉監督に見切りつけられたんでしょー。と全然容赦ない美鈴。

もうじきクリスマスだよーっ。というそれだけの伏線である。






そして。時間は確実に進んでいるという事実を突きつけられる。

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「留学先のお店と住む所決まりそうだって」

店長からもたらされた報告は西野の顔に影を落とす。
この不安そうな陰。

真中のことに決まっています。

突然会いに行ったけど、待てど真中は帰ってこなかったということ。
映画に夢中になるのはわかる。
だけど時間は確実に過ぎていくのである。





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そのころ、爆弾は唯が持ち帰ることになりました。

爆弾のサイズは『E70』 西野のサイズではないらしい…。










この記事の原作はこちらまで














余談。および疑問点。


スイマセン女性の方見ていたら教えてください。

『E70』なるサイズがどうして大きいのかわかりません。


このおバカな三十路親父に教えていただけないでしょうか?
[ 2006/05/18 08:03 ] いちご100% | TB(0) | CM(2)

いちご100% 第157話 「何かが足りない!?」 

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「彼氏とラブラブのつかさちゃん。これからデートぉ?」

桜海学園のとある場所にて、乙女たちは恋心を隠し切れない。

「隠してもトモコさんにはわかるのだよ。
 最近のつかさミョーにニコニコしてるし色っぽいしー」


女の子たちの日常生活書かせたらやっぱり上手いなーって感心してしまうシーン。
やりとりが非常に自然なんですよ。

はやく河下先生の新作でないかなーっ。
少年誌無理なら少女誌でもいい。週間連載きついなら月間連載でもいい。
とにかく注さんは次の作品を待っています。



「それでも、もっと会っとかないと! 
 なんせアンタ達は春になったら離ればなれになっちゃうんだから…」



えっ! って思った人。 第95話参照です。


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「あたしね。高校卒業したらパリに留学するつもりなの!」


当時高校2年の冬。バレンタインの夜のことである。
実は書いてた注さんもこの伏線のことすっかり忘れていましたよ。

そう。真中も間違いなくはっきり聞いてた西野の未来。



だが真中。この言葉覚えているのでしょうか…。



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そして、西野は走る。
待ち合わせの場所へ。

愛している人の元へ…。

この笑顔がいいですね。満面の笑みってこんな感じなんですよね。


そしてこのセリフ。
「淳・平・くんっ」


この句読点の置き方が最高。


「ジュン、ペー、クンッ」

こう発音するのだろう。
一音ずつ区切るこの発音は
女の子から彼氏を呼ぶときはぜひ使っていただきたい。

もう甘えんぼって感じで…。
実際言われたらマジでくすぐったくなるようなこの発音術。


効きます!! (何が?)



それよりも何よりも
今回一番注目しなければいけない発言が西野の口から出ました。


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「…淳平くん。
 あの時みたく、また『つかさ』って呼んでよ…」



今まで読み返してしまいましたが、それは野暮というものです。

『つかさ』と呼んだ描写は今までどこにもありません。


…ということは。


そう。
その顔だけですべてを把握したよ。
余計な描写とかいらない。

あの時の回想とかもいらない。

もう、それだけでいい。

きっと『あの時』も同じように真中の髪をなでたのだ。

フワフワトーンの下で行われた、ふたりだけの時間が思い出されたのだ。

そしてその表情に読者はもう。
お腹一杯である。



しかし、西野の大切な時間の回想など真中は聞いてはいない。


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「実はさ! 俺また映画作ってんだ!!
 コンクールの審査員してた本物の映画監督から声かけられたんだよ!」



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そして真中と手をつなぐため少しずつ手を近づけていく西野…。
しかしぜんぜん気づかない真中。


せっかく真中のこと見直したのにまた最低野郎に逆戻りだ。


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「……」


あーあ。西野すねちゃいましたよ…。

「けどいいの? 受験勉強ほったらかして。
 別に将来を約束してくれたわけでもないのに
 …大学に入ってからでもできることじゃないの?」



美鈴。東城。そして西野。
みんな真中の進路を心配してくれているのに。

「受験からの逃げって言いたいわけ?
 いーのいーの俺。映画の仕事ができれば大学とか関係ねーの」

この馬鹿はこんな簡単な言葉でみんなの心配をますます増していきます。


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『わかってるのかな淳平くん。あたしたち会えるの、あと少しなんだよ…』


先に書いたとおり、ぜんぜんわかっちゃあいませんよ!


高校卒業まであと数ヶ月。
留学するまで目前。カウントダウンはすでに始まっていて二度と戻ることはありません。

それまでにふたりの思い出をいっぱい作りたい西野。
角倉に認められたくて映画作成に夢中な真中。

二人の思いはちっとも交わらない。



学校でも受験勉強をしなくなり、映画作成に夢中な真中。

「はやく映画でメシ食えるよーになって、西野に何でもしてあげるんだ!」
「夏頃の小宮山みてーな事言ってんな~~」



真中。もしかして西野の夢の存在忘れちゃった?



その頃はもうすぐ訪れる未来にワクワクしてた。
何もかもが想像通り動いていくって信じてた
他のみんなのことなんて考えもしないで…


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そのころ、東城は塾をやめていた。

「出ない
 思いつかない
 やりたくない 
 小説なんて…書きたくない…」

小説のネタにつまり、大変なスランプに陥っていたのである。

編集者からの催促にも満足な答えを返せないくらいドン詰まりだったである。


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真中に内緒にしていたことだが
すでに東城は親の勧める大学に推薦で合格していたのである。

真中と同じ大学に行ってもいい理由がなくなってしまったから…。


推薦が決まった今、小説を書く時間はいくらでもある。
…ありすぎるぐらいに、ある。
しかしそれは、考える時間があるということ。
そうなるとどうしても真中のことを考えてしまう。


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思わず涙ぐむ東城。
黒ぶちメガネが似合う女の子の涙…。

ここは胸を突くシーンなんですが、注さん的は『萌え』です…。




かなり脱線するうえファンの方には申し訳ないですが…。

『時東あみ』さんはイメージに合わないんですよ。

あの娘は狙ってメガネっ娘を演じている。
だからメガネだけが浮いている感じがする。
もっと言えばメガネ自体に生活観が感じられないのだ。
あんなにオシャレで存在感をアピールしすぎるメガネは所詮小道具なんですよ。




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「北大路さんみたいに、あたしも強くならなきゃ」

それが今もまだ真中くんを想っていてもいい条件だと思うから…。




そのころ真中は角倉と会っていた。
ようやく完成した映画の評価をもらうためである。

真中としては、自信があった。
直接会って話をするということは絶対に悪い結果ではないはずだ。


だが、真中の自信はあっという間に覆される。


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「正直。ちょっとがっかりしたな」
「え?」

「これちゃんと観客意識して作ってる?
 シナリオ係に頼まないと途端にこんなレベルじゃあ…」

素人の唯が読んでもおもしろさがわからない脚本。
田舎から上京してきた女の子の心象風景をつづった映画。

映像のほうも唯から見ても意味不明な映画だったらしい。

結局、角倉からは「今は受験を頑張れ」と諭されてしまったのである。




そのころ唯は…。

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「……およ?」

大変ヤバイものをベッドの下から発見してしまったーーーっ!


不発弾キタ━━━東城の━━━(゜∀゜)━━━ブラ━━━!!!!


物語終盤。こんな物まで伏線にしてしまうとはーーーっ!!

恐るべし河下水希…。



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「なんで淳平のベッドの下に…」
ひとまずブラをあててみる唯。

こんな唯のテイストがかなり気に入っています…。

恐るべし河下水希…。




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「そうだ! あのさ淳平ってさ。付き合ってる人いたり…する?」
「へっ? あ…うん一応今は西野と…」

「…ふぅ…ん。じゃあコレは西野さんので二人はもう…。
 お、オトナ… ってこと…???」



普通ブラ忘れて帰る女の子なんていません。
どこの世界に下着付け忘れて帰る女の子がいますか?

あっ。このブラ東城のか…。



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「あれっ唯ちゃん! こんにちわ。淳平くん…いる?」

そしてここで西野登場。
うおっ。
なんてすげー展開なんだ。

ということは唯がこのブラについて口を滑らせたら修羅場だよなぁ…。


真中と西野の関係がさらに深まっている今。
この下着という爆弾は大変な破壊力を持っています。





映画の評価が散々だった真中が向かった先は東城の家。

自分の映画のどこがいけなかったのか。見てもらいたかった。
そしてどのように修正すればいいか意見を聞きたかったのだが…。


いまさら会ってどうしようというのか?

いまさら東城に会えるわけがない。

そして東城だっていまさら真中に会いたいとは思わないだろう。




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だが運命の歯車は、再びかみ合い動き出す。

「ま、真中く…ん?」

出会ってしまったふたり。
この突然の出会いに東城は動揺する。









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[ 2006/05/16 08:23 ] いちご100% | TB(0) | CM(4)

いちご100% 第156話 「好機到来!」 

話の冒頭からいくつか大事なところがスルーされている。


前話で出た右島の「殴ってやる」は描かれていない。

(実はこのシーンをかなり期待していた。
 真中がおもいっきりぶん殴られるシーンを見たかったのだ。
 殴りながら右島がどんな言葉を真中に向けるのかを見たかったのだ。)



そして。

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こずえからの真中への別れの言葉。

「あ、あの。あたし、もう一緒に帰ってもらわなくても大丈夫だから…
 真中さん。塾来てない間ずっと一人で帰ってたし。だから…
 …さよならっ」

ここまで言われたのに、こずえの恋心は真中には伝わってはいなかった。



・゚・(つД`)・゚・
…こずえの気持ちがあっけなくスルーされた。
「あーん。そんなのひどいよぉ」
・゚・(つД`)・゚・



そして塾帰りの真中に美鈴から電話が入る。

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「映画監督の角倉周って知ってます?」



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角倉周。
ショートフィルム部門で賞を獲ったことのある、泉坂高校の卒業生。

そんな新進気鋭の若手映画監督が真中の作品を観て
『俺は優勝でもいいと思う』
『一番情熱がこもっていた』と褒め上げて

『真中の一人で撮った作品が観たい』と言ってきたのである。


話をしていくうちに、実は角倉監督。
東城が映研立ち上げの際に持ってきた作品の『作者』であったことが判明。


さらに驚きの新事実。
その作品の中に出てきた女の子。
(読者はそんな存在が出てたことさえ知らないのだが…)

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その映画のヒロイン役の『栞ちゃん』が黒川センセイだったなんて…。



新進気鋭監督からの夢のような本当の話。
真中の作った映画を観たい。


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だが、真中の作った映画はすべて東城の脚本があってこその評価である。
脚本担当の東城にはこの話を伝えられない。

まして、東城の告白を蹴ってまで西野を選んだ手前
東城に相談できることではないとの判断である。

『自分だけの力で挑戦…。
 そうだよ、これは誰のものでもない俺だけの夢なんだから…!!』




そして、豆大福を手土産に…。
唯に頼る。

だが、真中が唯に持っていったシナリオは
素人の唯から見ても面白いものではなかったらしい。


田舎娘が上京して都会に驚く設定…。
当然そんなシナリオ唯が納得するわけがない。


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「淳平の力で唯の魅力もっと引き出して」


…ごめん。ちょっとだけ唯に惹かれた。



真中としては、角倉に映画を見せることで
当然自らを売り込みたいところである。

あわよくば角倉の下で映画に関して学びたいという野心がある。



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そんななか、真中は新聞に載った東城の記事を見る。

東城の文才について、いち早く発見したという自負がある真中にとって
東城の才能が人に認められることは素直に嬉しかった。



そんな真中は初心に戻り
ビデオカメラ片手に屋上に出る。






中学のときとは違い、立入禁止の札もなく。

階段の段数も数えることなく。



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ドアを開けたそこには…。














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わーい。

東城のパンツキタ――――――――ッ!!


キタ━━━いちご━━━(゜∀゜)━━━パンツ━━━!!!!


『と、撮ってしまった。
 風にたなびくスカートからのぞくいちごパンツ…!』







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「ただ。あのコのパンツがめくれる瞬間をビデオに収めたいだけなんだ!!」



真中の夢が実現しました…。

どんどん伏線が消えていきます。

最終回まであと何話? って感じですよ。





あの文化祭の夜以来。
久し振りの対面。

ぎこちなさが目立つふたり。



「東城の才能を見抜いてた一人としては。俺ホント嬉しいんだ…。」

「美鈴ちゃんから聞いてるわ。
 プロの映画監督に声かけてもらえたって…おめでとう!」


東城の脚本から脱却を図るため、一から作り直すことを告げる真中。


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この寂しげな東城の表情がなんか胸を突きます。

「…けど受験勉強があるんじゃ…」
「映画の道に進めるなら大学行く理由別にねーもん」


深読みなのかもしれないが、
東城としては真中に対して未練がないといったら嘘であろう。

できれば真中の夢の実現に関して、自らが脚本を書いてあげたいという
そういった複雑な気持ちが表れているのではないかと読んでしまうのである。



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それから俺達は黙り込んで屋上からの景色を眺めていた。
けれど見つめる先は多分同じ場所ではないだろう。


だから頑張るんだ。自分一人だけの力で。



かつて屋上といえば
ふたりの夢が同じ方向に向かって行くための空間であった。
だが今ふたりの関係は今までのそれではない。

互いに向かっていた恋愛関係は解消され
それぞれ個人としての未来や夢に向かって動き始めていく。


ふたりの後ろ姿が切ない
ふたりの向いている方角が
もう再び交わることはないのであろうか。









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[ 2006/05/14 17:38 ] いちご100% | TB(0) | CM(4)

いちご100% 第155話 「未来という名の来訪者」 

文化祭が終わった翌日。
『楽しい高校生活』も終わり3年生は受験モードに突入する。



そして絶対触れると思われていた『昨日の夜』については見事にスルー。
何ひとつ触れませんし、回想ひとつさえありません。

…なんだよ。ずいぶん大人じゃないかよ。。。



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そして、「ちなみとの未来のために就職する」と言っていた小宮山も受験生になる。
「キャンバスライフ!! 大学行ってサークル合コン彼女ゲット!!」


理解に苦しむ進学理由だが、それもアリなんだろう。

結局ちなみとは『ラブ・サンクチュアリ』の番号も違い、
自分と同じ番号の女の子さえ見つからなかったらしい…。


すべては夏の夜の夢であったのか…。
小宮山。
キミは幸せなんだよ。
すくなくとも読者に覚えててもらえるだけ…。


だが、忘れてはいけない。
真中淳平とて、受験生なのだ。


文化祭の作品に大きく夏の時間をさき、大きくスタートに出遅れている真中。
授業の合間の休み時間。
果ては昼飯の時間さえ勉強に費やすもののやはり我慢の限界であった。


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とうとう、爆発して逃走する。


クラス内の受験一色の雰囲気についていけなくて玄関先にたたずむ真中。
そんな真中に声をかけるさつき。


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「こんなとこで何やってんの? 日なたぼっこ?」
さつきもまたそんなクラスの雰囲気についていけなかったようだ。


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「あたしたちやっぱり。息ぴったりなんだなあ」
二人は泉坂高校に入学した際、補欠合格組である。

それから3年間ふたりが一生懸命勉強している姿なんて見たことがない。



さつきは何も用がなくて真中のところには来ない。
昨日の確認をしたかったのだ…。


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「…東城さんのことふったんだね
 東城さんの告白シーン見ちゃった。
 見たくて見たわけじゃないよ? たまたま…それこそ偶然ね」

さつきにとって真中の本命は東城だとずっと思っていた。
それは東城ファンもそう思っていた。

「真中が東城さんのこと切り捨てるなんてありえないって思ってたから」


だが西野を選んだことで、真中の心はもう揺らぐことない。


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さつきは将来をきちんと考えていた。
フリーターして結婚と簡単に考えていた未来も、真剣に考え直すことにしたようだ。

「なかなか踏ん切りがつかなかったけど」と言うあたり、何か大きなことをするのでしょうか?

 






その頃こずえは、真中のことを思い出して泣いていた。

文化祭が終わって間違いなく塾に顔を出す真中にガツンと言ってやれ。
と、舞に言われても。

こずえにそんなこと言えるわけがない。


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ガラスの反射に映るこずえの泣き顔に気を遣う右島。

・゚・(つД`)・゚・描写上手すぎ…。


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「どこの学校の、なんて野郎にフラれたか言え。
 俺が今からそいつんとこ行ってぶん殴ってやる」


女の子の扱いがわからない、右島なりの気遣い。


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「もー少し、わらっ…。 …困んねーでくれよ」
中学・高校と男子校だった右島にとって。
女の子の涙の意味なんてわからない。

けれど、女の子の涙を見たくないのは事実である。


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こずえはそんな右島の無骨な気遣いに自分を重ねて微笑む…。








その頃美鈴は、来年以降の映研存続のために面接を行っていた。

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「…じゃあ、次の質問。
 今まで見た映画の中で一番好きな作品の名前をあげてください」

だが、来る者来る者。冷やかしばかりでウンザリしていた。



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そして、そこに明らかに学生ではない男がやってきた。

「僕は、こないだ行われた映像コンクールの審査員をしたものでして
 あの映画作った監督さんっている…?」







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そのころ東城は、自作の詰まった『数学のノート』を抱きしめていた。
真中に始めて認めてもらった自分の才能の原石。

あのときの夢は重なったけれど、その後の人生までは重ならなかった。

複雑な心境でノートを見つめる東城に、正太郎が郵便を届ける。



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その郵便の差出は『蒼睡社』…。

正太郎が美鈴とデートをしたいなぁ…。
なんて言ってますが果たして耳に入ったのかどーかは疑問。



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中身を見て東城は驚きを隠せない…。

「中路賞、受…賞…」



ふたりの夢は、いよいよふたりだけの夢ではなくなった瞬間…。

ふたりの才能は、自分だけの才能ではなくなった瞬間…。



そして当人の知る・知らざるを問わず、確かに夢は動きだしたのである。









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[ 2006/05/04 00:54 ] いちご100% | TB(0) | CM(1)

いちご100% 第154話 「嘘ついた」 

「……あがってく?」

西野からの誘い。

もはや、ふたりの間に障害はない。



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そして扉が閉ざされる。


親のいない西野の家。

ふたりきり。

そして夜…。

ふと足元に目をやれば西野のと思われる靴が一足あるばかり。
本当に、今、この家には西野以外誰もいない…。



何かが起きるのを期待してしまうのは男の性である。



…ドアを閉めたものの、次の一歩が踏み出せない。
玄関先で立ちすくむ真中。


『だって。俺の頭の中。西野には言えないようなことでいっぱいで
 どうしてもそっち期待しちゃって
 西野と朝まで一緒なんて、俺にはまだ…』


男であるがゆえにいろいろな欲望が飛来しては消えていく。
どれも女の子には言えないような欲望である。



『はっ』
だが、真中は気づいてしまう。


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それは西野も?
西野も同じ事を考えている…?



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「どーしたの? 玄関口じゃ寒いでしょ。早く上がって。・・・ね?」

西野も今夜を期待している?
そして決意している?

真中は胸の高鳴りを隠せない。





…そしてふたりは一緒に夕飯を摂る。



「テキトーに座って。ありあわせの物しかできないけどいいかなあー」


中学生のとき。
西野はまだ料理が上手じゃなかった。

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スープの隠し味にマヨネーズとチョコレート入れるような女の子でした。

でも今は全然違う。
西野は桜海学園に通っている間に料理を学び、
将来は菓子職人になりたいとまで成長したのである。



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ふたりをつつむ甘い雰囲気。
向かい合ってパスタを食べながら、このあとの展開を探り合う…。


今夜は?
これ食べ終わったあと。
…そのあと。どうなるの?


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目を合わせる事が出来ないふたり。

可愛いです。
目が合っただけで赤くなってしまう西野…。


互いに緊張する。
互いに鼓動を静めることは出来ない。


そして。
お互いに口にしないこの先の展開。




食事も終わり、ソファに落ち着く真中。
しかし心は裏腹。
ソワソワし始めて落ち着いてなんかいられない。


このあと、いよいよ…なのか?

…やっぱり、男の俺から切り出すべきだよな。



そして西野が洗い物終わってリビングに来た瞬間…。

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ふたりの目の前のテレビが繰り広げていたのは

ふたりの願望。 『ラブシーン』だった。



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『に、西野。顔真っ赤…』

可愛すぎます。
女の子が顔真っ赤にしてるのってすごくイイです。

そして小さなセリフなんですが「はあ、はあ」と吐息が漏れています…。


これはチャンス?


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それを感じ取った真中は西野にキスをしようと…。



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「ちょ…。ちょっとストップ! ストーーーーップ!」

当然です。
こんなキス顔がだらしない真中では…。

「ごっ。ごめんね! その…嫌ってわけじゃないんだ。た。ただ…」



…そーだよね。
わかっていたよ。

毎回毎回そんなに都合よくいくわけがない。

今回もそーゆーつもりではないよな…。





って思ってたら…。



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「こーゆーのって。先におっ…お風呂入ったりするんじゃない?」

「あーっ。もうホント変な事言ってゴメン! ごめんねっ」


キ・キ・キ・キタ━━━お風呂━━━(゜∀゜)━━━お風呂━━━!!!!

西野もパニックをおこしています!

この顔を真っ赤にして…言うセリフが!



お風呂!


…ってことは?
…ってことですよね? (ってなんだよ)


今回はハズレなし?



というわけで風呂に入った淳平。
「あ。ある意味ものすごく順調に事が運んでる気がする」

もうこの段階で真中は覚悟を決めた

『西野の気持ちはすべてOKだ…』





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その時西野は真中の靴を隠そうとしていた。

皆さんもそーだと思いますが。
最初読んだ時はぜんぜんこのシーンを気にしていませんでした。

なんかの伏線?
なんて気に留めてる状況ではなかったです。

今回の話を醒めた目で読んでた人だけはなにかを感じ取ったかもしれませんが…。

注さんは、『はやくはやく次々…。』って感じで読んでました。

だって今回の話をフツーのテンションで読めた西野ファンはいないハズだ!


(注さんは東城ファンですが、こんなどきどきするシチュエーションなら派閥も超えます)



そして風呂を出た真中は西野の父親のスウェットを着ておどける。
「おじさんのスウェット少しでかいみたいで…」


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「あたしの部屋で待っててくれる?」

それだけ言い残し西野はバスルームに消えていく。


再び高鳴る鼓動。

「部屋で待ってて」

部屋でって…、



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『それじゃあ、このあと…』




今回、西野の下着シーンは一切ないみたいです。
あるのはこのシーンのみ…。


初めて西野の家に来たときはこんなシーンもありましたが

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下着披露。


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入浴シーン披露。


あの頃から比べるとこの物語も色合いが変わりました。
こんなシーンは全然描かれなくなったし…。




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大人しく部屋で待つ真中。
正座である。

背後の時計の秒針がやけに響く部屋。


今、下のフロアで、西野が風呂を浴びている…。
意識するなというほうが無理である。


ソワソワの絶頂。



『流れてく時間が長く感じる…。いや短くても困るんだけど
 はやく来てほしいような、このまま来なくてもいいような…。』




振りかえってみると西野の家に入るのはこれが…4回目。


最初は中学の時のふたりだけの勉強会。
結局勉強なんてしなかったけど

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「…うん。明日まであたし以外誰もいないから」



2度目は別れを告げられたとき。

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「だから今度こそ。サヨナラ…」



3度目は西野の手作りケーキの試食。

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たまたま覗いてしまったキッチンの中で西野は…。
日暮との抱擁勘違い事件。



毎回、西野の家に来ると大きなイベントがあった。
その都度読者はドキドキした。


だけど今回のドキドキは意味あいが全然違う。
ふたりを取り巻く状況はあの時とは違う。

もう、ふたりの間に会った人間関係の障害も環境の問題もすべて取り払われた…。




『…西野。バスタオル一枚で来たりして』



この真中のドキドキ感を注さんは否定しない。
読者のみなさんもこのシーンはドキドキしたと思います。

もうまるで自分が西野を待ってるかのような錯覚。
そんなヴァーチャル体験をジャンプ見ながら経験しました。


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そして西野が部屋に来る!!



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パジャマ姿の西野キタ――――――――ッ!!

湯上がり姿の西野キタ――――――――ッ!!

ちょっと照れてる西野キタ――――――――ッ!!




しかし、真中にはこの味を理解できなかった…。
「あっ。パジャマか…」

真中若い。
若すぎます。

西野がいきなりバスタオル一枚で来たら、キャラが違います。


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「悪かったな! 
 裸でバスタオルで来る自信なんてあたしないもん!
 淳平くんは東城さんやさつきちゃんのカラダ見慣れてるでしょ?
 あ、あたしなんてっ」


「あたしなんて。…ホント貧相だし…」


こーゆー拗ね方するものですから西野は可愛いのです。
また無防備な背中がさらにイイッ!!



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「ひゃ…」

真中が自分から抱きしめに行く。
ギュッ…と抱きしめる。
正直真中を羨ましいと思いましたよ…。


「そんなことない! 西野がいい! 西野くらいが俺はいい!!」


この発言はちょっといただけないな…。
いくら胸が貧相だからといっても「西野くらいが」はいらないと考えます。


でも、西野にとっては
東城やさつきよりも西野がいいと言ってくれたことがうれしいのである。


「ホントにホント・・・?」

あえて確認するのは、もっと聞きたいから。


自分だけを見てほしい。
自分の事だけを大切にしてほしい。



そして…。




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「じゃあ、見てもいいよ」


爆弾発言キタ━━━見ても━━━(゜∀゜)━━━いいよ━━━!!!!


西野ファンが。いや、すべてのいちごファンが驚愕したシーンと推測します。

つ・つ・ついに少年誌の限界への布石!?

本当に、み・見ても…いいの?
西野の裸が描かれるの!?

リアルタイムで読んでた注さんにとってこのシーンヤバすぎでした。
コンビニで立ち読みだったから
改めて周囲を見回してしまいました。


久々にど真ん中です。


「見てもいいよ」


言われたい! そして言わしたいよ!! (ぉぃ)



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「ホントにいいのか…?」
「うん…」


ドキドキな鼓動は臨界点!!

なんなんだぁ。
これは少年ジャンプだったよなぁ?
成年誌じゃないよなあ?


女の子のパジャマの前ボタンをはずしていく瞬間。
この瞬間が…死ぬほど好きです。 (ぉぃ)



思わず真中と同じように手が震えます。



いよいよ。
いよいよ…西野の。

西野の裸が…。
公開される…!?





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「な、なんだ今の音!! 西野! 誰かが家の中に…っ!!」
「あー…」



あーあ。やっぱこんな展開かぁ…。



ご両親のご帰宅です。

興ざめです。
今までものすごく盛り上がってただけにショックです。

真中だけじゃなくて西野ファンが大ショックです。


皆さんよく考えてみてください。
これは少年誌です。

期待していたシーンは本来あってはならないのです。



…と思いきや。



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「とりあえず隠れてくれる? 淳平くん」
「え」


か、隠れる…?

西野には全く焦った様子はない。
むしろ笑っているじゃないか。

一体どーゆーこと?
西野はこの状況を…楽しんでる?



「ただいま」

と言いつつ西野のお母さんが部屋に入ってくる。
まさか西野のお母さんも娘の布団の中に男がいるとは思わないだろう。

とんでもないシチュエーションです!!



だが問題はこのあとです。



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「にぃ~しぃ~のぉ~」
注さんイチ押し。この西野の顔。

いたずらが成功して喜ぶような顔。


さらにもう一個イチ押しを紹介。


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「あ、小声で怒鳴る、それ正しい」

このセリフとポーズにやられました…。



そう、西野は最初から全部…知ってたのだ。
親が帰ってくるのも…。
真中があわてふためくことも…。
全部。





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「嘘ついちゃったの。淳平くんのことが好きだから」

「…帰るのは、お母さん達が眠ってから…だよね?」



『好きだから。』

このシチュエーションさえもこの言葉の下に楽しめる女の子。
恋する女の子は女優にも悪女にもなれる。




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「西野…」

ふたりの鼓動が重なる。
ふたりの呼吸が重なる。

緊張した面持ちの中。
ふたりの命のリズムが響き合う。



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「あ、ちょっと待って!」


何だよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!

ここまで来てお預けですかぁぁぁぁぁぁぁ!




と思いきや違った。
もう寝てる事になってるから…電気を消す。

そうそれは普通のことだ。


そして何よりこれから起きるであろう出来事に備え明かりを消す。



今度こそ本当にふたりの間に障害は無い。


きっとふたりの脳裏には今までの記録が思い出される。



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中学の時。初めてのふたりきり。
まだ西野はぜんぜんコドモだった。


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高校一年のとき。
「淳平くんがしてみたいこと、なんでもしていいから…」
この時は、真中に勇気がなかった…。
だからふたりは別れてしまった…。


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「淳平くん。ま、待って」
西野17歳の誕生日の夜。
思い出の中学校の保健室にて。
この時は西野に運がなかった。


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「ちょっと待って西野」
久し振りの西野との対面はベッドの上…。
寝込みという最大のチャンスであったが、
真中は結局プラトニックを貫き通した…。


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「今夜は淳平くんに一晩中、話聞いてもらおっかな」
ふたりきりの3日間の逃避行。
西野が未来に向かって行き詰まっていた夏。

大声を出してしまった真中に対してビックリしてしまう西野。
そんな西野の顔に真中は再びプラトニックを貫いた…。




だけど。
今夜。ふたりはすべての束縛から解放される。

そう。それは愛するふたりにとって自然な流れ。

自分でその行為について責任がもてるのであれば。
そしてそこに倫理的な問題が何もなければ。



すべては自然な行為。



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そして二人は結ばれるっっっっっ!!



なんだこの表現はぁぁぁ。この描写はぁぁぁ。
なんなんだ、このフワフワトーンはぁぁぁぁぁ!!
・゚・(つД`)・゚・・゚・(つД`)・゚・・゚・(つД`)・゚・





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そして、おそらく深夜か明け方であろう。
帰っていく真中の後ろ姿を眺めながらのこの西野の幸せそうな顔。

もうそこには少女のあどけなさを超えた西野がいた…。









この記事の原作はこちらまで








ちょっとだけ余談。

「マンガがあればいーのだ」さんの記事にもありますが
今回の話は、下着姿一つ描かずにラブシーンを描ききっているのです。

中学時代の西野との一幕を今回の記事に書きましたが
直接的な下着姿や裸を描かなくてもシチュエーションやセリフだけで
ここまで魅力的に描かれるのです。

これが河下先生の真骨頂です。
大変見事な手腕です。


もはや二人の関係はひとつの事実によって深められました。
このとき注さん的にはこのあと数話で完結だな…。
と思っていたのですが実はまだまだ完結しないのです。

ではなぜ?
それはこのあとのお楽しみですね。 

…そう。まだ伏線が残っているのです。
[ 2006/05/02 12:35 ] いちご100% | TB(0) | CM(6)

いちご100% 第153話 「わかってたのに」 

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「…好きなの」

東城の本気が、いまここにある。

長い間胸にしまっていた感情を伝えるということ。

これは映画のシーンではない。
当然演技なんかでは決してない。


初めて出会ったときに生まれた素直な気持ち。



…いままで口に出すのが怖かった。

だから、いつも想いを心の底にしまいこんでいた。

この想いを伝えなければ、何も始まらないのはわかっている。
 
でも、口にしたらこの関係が…全部消えてしまいそうで…。

だから怖くて…。
 
無理に伝えなくても…今のままでも十分に幸せだけど…。



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「中学のあの日から、ずっと、ずっと…!!」




告白。
東城綾という女の子にとって、この行為はまさに命がけである。


告白をすること。
女の子にとっては大変なパワーがいる行為なのだから…。


東城の言葉はたしかに真中の胸に届いた。
切なく。
重く。
激しく。
真中の全身に響きわたった。




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そして真中は黙り込む…。


『本当はわかってたんだ』


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大草、外村、美鈴… 。
いろんな人に言われてきた。


『でも確かめる勇気がなかった。
 心のどこかでそんなわけないって期待しないで暮らしてた』



って知ってたのかよっ!(怒)




告白のあと。
相手からの返事が帰ってくるまでの時間。
時間にして数秒なのだが、その一瞬が永遠にさえ感じられる。


真中の気持ちは
どんな言葉となって東城に返るのであろう…。


鼓動はますます高鳴る。


息苦しささえ感じる、このわずか数秒間。



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「東城」

「! あ…真……」


告白は終わった。
東城は、たしかに永年の想いを伝えた。


きっと気持ちを受け止めてくれるだろう。

きっと笑顔で扉を開けてくれるはず…。



ぅぅ…すっげー切ない。。。

こんな東城の表情見たら…。



(つд`)もうこのままエンディング突入してくださいっ…。
もうこれ以上東城を苦しめないでください…。(つд`)





東城の想いを真摯に受け止めて真中は答える。


それは東城にとって。


また東城ファンにとって聴きたくない答えだった…。





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「ごめん。 本当にごめん…!」

真中、土下座。
東城に真剣に対して、真中の真剣さはこういう形であらわれた。
永年の東城の想いに対して、真中は真中なりに真剣に詫びた。


何より痛々しいのは東城の右手である。
間違いなく真中を触れるために伸ばされかけたその手。

だがその手は永遠に行く先を失ってしまう。




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「俺、今は西野を大切にしていきたいんだ。…だから」

長かった真中の放浪人生にピリオドを打った瞬間。
そして東城に対して、きちんと筋を通した真中。


すでにうつろな東城の瞳。


(もう東城についてはそっとしてあげたい。
 東城ファンとしてはこれ以上彼女の痛々しい姿を書くことに耐えられない。)




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「ごめん。ごめん。ごめ…ん…」

何度も謝罪する真中。

涙の粒が筋となり、こぼれ落ちる東城。

それは永年の想いがつまった涙。

それを抑えきれなかった感情をあふれさせた代償というには悲しすぎる。



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「…気にしないで真中くん」

謝り続ける真中を止める東城の言葉。



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東城もわかっていた。
真中には西野がいるということ。
中学のあの日。西野に告白の相談を持ちかけられたときから…。

でも、それでもそばにいたいというエゴがあった。

最後の文化祭。
高校時代最後の作品に自分の想いを全て込めた。
だがその作品は真中の胸には届かなかった。



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「謝らなきゃいけないのはわたしの方。
 ごめんなさい真中くん…!」

自分の想いを一方的に押し付けることで、好きな人を苦しめたくないから自分から謝る。



なんで東城が謝るんだよーっ!(怒)



悪いのはキミじゃない。ここまで長く引っ張った真中だ。

謝る姿が切な過ぎる。
まるで土下座だ。

…こんな東城は見たくなかった。


しかしすべての女の子がひとりの男と両思いになれるわけではない。
みんなが笑顔でハッピーエンドにはならない仕組みがある。

それが恋愛なのである。
恋という感情が絡む以上、誰かが陰で涙をこぼすことになる。

しかし、まさか東城が涙をこぼすことになるなんて考えられなかった…。



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そして最後に見せた笑顔。
いちごのヒロインたちは何て健気で強いんだろうか!

まともに考えても、こんな笑顔が出るような状況ではない。

それでも最後ににっこり笑える東城の強さ。

大盛況で終わった映研を。
ひいては真中の映画に対する実力を。
笑顔で褒めてあげられるこの東城のチカラ。



・゚・(つД`)・゚・・゚・(つД`)・゚・

東城さん。あっ、あなた、すげえよ!

・゚・(つД`)・゚・・゚・(つД`)・゚・





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そして、偶然にも告白の一部始終を目撃する事となったさつき。

真中の本命であるとされていた『東城綾』 が振られてしまった。
それによって、自分自身も選ばれなかったという事実を突きつけられてしまったのだ…。

手にした包みを握ることで感情表現をする手腕。



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『今がまだ夏だったら…迷わず東城を追いかけるのに
 一生言うことはないだろうけど、俺が初めて好きになった娘は東城なのに
 今は東城の涙より、西野が見せた寂しい表情の方が、俺を辛くさせるんだ』




…こうして、連載153話目にして神の手は下された。

大多数の読者の希望や推測は、すべて創造主の手に委ねられたのである。






まさに『タイミング』なのである。


『if』 という単語はあまり使いたくないのだが
告白する時が違えば、全く違う結果が待っていたことは想像に難くない。

あの『SCENE122』の演技告白のあとに
「真中くんが…好き」と付け加えるだけでも変わっていたはずだ。

そんな大掛かりな告白でなくてもいいなら、
合宿で進路について話すとき、ふたりきりになったときに『告白』の場を持つこともできたのだ。
美鈴にビシッと言われた後だけに可能性はあった。

極端な話。
「ラブ・サンクチュアリには弟と出るかも…」
というセリフが事前に東城の口からあったら…。


…そうしていれば。


「俺も東城が好きだ」という言葉と、
ふたりのとびきりの笑顔。
感涙。
抱擁。
接吻。
スタッフロールがあったかもしれない。





また、ふたりの仲を決定付けたものに 『扉』と『瞳』 もある。


もしも、東城が真中と向き合ってしっかりと瞳を見て告白していたら…。
真中はきっと、はっきり拒否することは出来なかったと思われるのだ。
それくらい東城の瞳には力があったはずである。あったと信じたい。


事実。明後日の方向を向いた告白というのはありえない。
相手と正対して告白しなければ意味がない。
電話で告白しても本気さが伝わりにくい。


残念だが、東城は肝心要の部分で勝負から逃げてしまったのである。


西野は懸垂して、真中にまっすぐに告白した。
東城は最後の最後で『恥じらい』がでて真中との間に壁を入れてしまった。


ここに二人の大きな差が存在する。





『if』 の話で恐縮だが
西野との交際を輪投げの時点で消滅させることも出来たのである。
真中が積極的に西野を追わなかったことで若干そんなニュアンスを匂わせた。
(注さんはそーゆーふうにとらえてた。)

キス。という接触さえ 『あいさつ』 
(こんな考えのいちごは読みたくないが)
として考えられるのであれば、まだまだ東城にも逆転のチャンスはあった。



東城擁護派のひとりとしていろいろ考えたが…。
もはや、物語は動き始めたのである。


まさに ネ申展開なのである。 
すべては創造主の手に委ねるしかないのである。






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「東城さん!
 泣いているのは足のキズのせい? それとも別のとこが痛かったりして」

覗くつもりはなかったが、偶然にも居合わせてしまったさつき。
東城の報われなかった告白を励まします。



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「結果はさておきホント頑張った! 東城さん!!」

何気に東城のこと「あんまりよく思ってなかった」とかさらりと言い出してるけど
それはさつきなりの表現。

たしか1年次の合宿のときからこんなこと言ってましたよね。

同じ男に惚れて、そして儚く散ったことで戦友という感さえ漂います。



けれど今回のツボはここにある…。



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「ホントよくやった…」

東城の必死な勇気と自身の失恋を再確認し涙するさつき。

そのさつきの背後で、のんびりとモグモグ、たこ焼きを食べてる東城。

フラれたあととは思えないこのホノボノ感…。

さっきまでシリアスに泣いてたはずなのに!?

なんなんだよ、その他人事みたいな顔は~~~っ!



そんなあなたに…無条件で惚れた。
まいりました…。




振られてもなお、ヒロインとしての価値は下がらない。


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「あたし、真中くんにふられちゃったんだ…」

女の子たちが涙する絵。
注さんにとって一番見たくないシーンである。

だからと言って
…こんな痛いシーンを見たくないから恋愛しない。
というのも逃げである。



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「好きな人がいるとね、無敵な感じするんだ!」

恋愛のおかげで人生観が変わる。
好きな人がいたから頑張れた。

東城にとっては真中と出会ったことで小説を真面目に取り組むようになった。
クラスの隅っこにいた女の子がおさげもやめて眼鏡も外した。



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「真中くん。
 あたしいつか真中くんの事忘れられるのかなぁ…
 こんな…こんなに。好き…なのに」



 告白が残念な結果に終わっても、
 好きだった人をすぐに忘れることなんて出来やしない。
 
 そう。ここまでなら片思いのオブラートに包まれながらも、
 彼女の中で一番きれいな形で終われるのだ。
 
 仮に真中との交際が始まった後は、
 間違いなくお互いがお互いの良い面も嫌な面も知ってしまう。
 酸いも甘いもキレイもキタナイも知ったうえで
 別れを迎えることとなってしまった時、
 ふたりが無傷でいるとは思えない。

 東城にとってこの恋はムダではなかった。
 たしかに4年にも及ぶ片思いは悲しい結果に終わってしまったが、
 彼女にとってこの恋が、
 いつかさらなる成長の糧になってくれればと



注さんは願ってやまない。








さて、この話はまだあとちょっと続く。

そして真中は向かう。
彼にとって本命の女の子の元へと。



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「もう誰だよ、こんな時間に~~~」


昼間、最悪な感情で別れたにもかかわらず西野は普通に振舞っている様子だ。


玄関を開けた西野。
そこには息を切らして走ってきた真中の姿があった。

当然西野はビックリする。
今までの真中とは全然違う表情に。
そしてこの言葉に。


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「東城にちゃんと伝えたから」


いいぞ、真中。
その真剣なまなざしも誠実さが伝わっている。



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「俺が好きなのは西野だって、ちゃんと分かってもらえたから…!」


間違いなく西野にとって一番言って欲しかった言葉。

東城の演技告白を見て以来ずっと不安でしょうがなかったはずだ。

だが、今の一言はこれ以上ないほど安心したはずだ。


西野は知っていた。
東城が真中に好意を持っていること。
そして真中も東城に好意があること。

だけど今日。真中が自分を選んでくれたこと。
そしてその事実をすぐに伝えに走ってきてくれたこと。


だから西野は真中を強く抱きしめた。



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「あの…ね、今日うちの親いないんだ…」

伝えることだけ伝えた真中を引き止めるこの西野の言葉。


なんと! 
こんな展開をさらにもってきましたか…。
それも西野の口から言わせますか…。



この西野の後ろめたさ残るこの表情が最高。


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「……あがってく?」

そしてこの西野の色っぽさがたまらない…。


その表情、雰囲気がさっきまでとは全然違う。


もはや、ふたりの間に何も障害はない。


そして閉じられた扉。



…これが河下先生の神展開だっ!!









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[ 2006/04/24 02:15 ] いちご100% | TB(0) | CM(6)

いちご100% 第152話 「love drive」  

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今回の扉絵。
とうとう、西と東にしぼられたこの恋の話。
二人の表情がものすごく切なげでこの絵だけでも十分です。



『俺は西野が好きだ
 東城が文化祭に誘ったのは実の弟だったってわかっても
 今は西野が大切だ
 いつだって俺に明るく笑いかけてくる西野が好きなんだ』


…だったら
なんでこんなことになっているんだよっ!
なんでその想いを今すぐに伝えないんだよっ!



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「映画はもう少し落ち着いてから観せてもらうね」

「ホントごめん。…バイバイ」

こんな状況でも真中に笑顔を見せようとするその健気さに…。
西野ファンは感涙し、真中吊るし上げ運動は猛烈な勢いで膨れ上がったに違いない。

そして後を追って説得しない真中に注さんかなりご立腹。


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「うわぁんそんなのひどいよぉっ」

そんな真中の知らないところで、ひとつの恋が終わっていた。
注さん的にかなりお気に入りキャラであったこずえの恋が。。。


(つд`)「うわぁんそんなのひどいよぉっ」


残念ながら、彼女の武器では真中の心は射止められなかったようです。
エッチな妄想とパンチラ…。これを武器にしろって言うほうが難しいよな。




そして映画は幕を閉じる。

東城の渾身の作品も、ラブ・サンクチュアリに客足を奪われてしまったようだ。
男性客目当ての部は軒並み痛手を喰らっているという美鈴の情報である。


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「…すみません。
 先輩達今年最後なのにいい成績残せそうになくて…」

なんでこの話に出てくる女の子はみんな健気なんですか~?




そして祭りが終わる…。

いつのまにか部員が減った映研。
ちなみは退部。
さつきはラグビー部に拉致。
小宮山は振られたショックで…。
とうとう独りぼっちになってしまう美鈴。


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「やだ。すみませ…」

美鈴の株価ストップ高が止まらない。
絶対に誰かの後押しが入っている。
ここ最近美鈴の株が異常に値上がりしていませんか?


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「大丈夫! 頑張ります!
 来年も今年以上に盛り上げてみせますから!!」


この笑顔。
完全に存在感を確保しましたよ。この子。
初めてあった時の印象が全部飛びましたね。



(この先の展開に西野ファンの方は言いたいことがいっぱいあると思いますが、
東城最後の晴れ舞台のために協力をお願いします。)






真中はひとり。
部室に残り今までの思い出をふり返る。

今日で文化祭が終わる。
とうぜん部活も終わる。
だからこの部室にはもう滅多に来なくなる…。


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「俺達でこの部を作って、映画を取って編集して…」
だが、ここまでこれたのは真中ひとりだけの力ではない。

そう。
それは東城がいたから。

東城の脚本もそうだけど、なにより彼女の存在があったから…。

泉坂高校に入学したものの、映画を作る部活は消滅していた。
だから作った。

中学の時。屋上で夢を語り合った東城とともに…。
だけど、その部活が終わってしまう今宵。

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東城。今、キミにすごく会いたい…。





その東城は弟との帰路の途中にあった。

「ねーちゃん。あの男のことは忘れろよな」
「何よ。急に…」
「だってアイツ彼女いるじゃん。美人だし性格もよさそーなコだったし…。
 いくらねーちゃんでも相手が悪いよ」


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「それとも何? 告られんの待ってんの?
 彼女がいる男から? 部活ももうねーのに?」

弟に言われて、改めて夢が終わりを告げたことを自覚する東城。


『そうだ…もう部活はないんだ。
 真中くんの夢がたくさん詰まった映像研究部』



東城の夢は真中によって勇気づけられた。
真中の夢は東城の才能によって命を与えられた。
そしてふたりの夢はひとつのベクトルとなり映画という形に昇華した。

そして夢の完成とともにふたりの人生もひとつのベクトルに向かうはずだった。


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けれど、昨日の夜伝えきれなかった想いはまだ心の中でくすぶっていた。

『あたしの夢も。あたしの想いも』 消えてしまう前に。

…会いたい。



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まだ終わったわけじゃない。
『真中くんに会いたい…!』


東城は学校へと走り出す…。




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「マジ感動した! すげー才能あるよ おまえ!!」
教室の隅っこにいた東城綾の存在を
はじめて受け入れてくれた男の人。真中淳平。



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「そしたら一緒に映画作ろうね…!」
泉坂高校を受験した日。
屋上で出会った女の子は東城だったと判明した日。



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「作ろうよ!! あたしたちでこれよりもっと面白い作品作りましょう!」
ふたりの夢がひとつに昇華した記念日。
泉坂高校映研が誕生した瞬間。



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「あたし嫌な人間だね。それでも真中くんと一緒にいたい…!」
真中が西野と付き合っていることは知っている。
けれどそれでも真中と一緒にいたい。

初めて東城のエゴが出たシーン。
けれどこの言葉は雨音にさえぎられ真中の耳には届かなかった…。


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2年目の撮影合宿で、ふたりの距離がもっとも接近した夜。
肌と肌が触れ合った決定的な夜なのにふたりはプラトニックを貫き通した…。


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「言っとくけど俺は、これからも東城と映画作るつもりだよ!?」
2年目の映画が努力賞だったことで
私の脚本が原因だったと落ち込む東城を真中がなぐさめたあの日。
ふたりの運命を感じた瞬間。


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「あたしヒロイン役頑張ってみるね」
水泳が苦手な真中が勇気を出して泳いだことで
東城に勇気を与えたその日。



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3年目の撮影合宿で、事故とはいえ間違いなくふたりが唇を交わした夜。
真中にとっては記憶があやふやだが、東城にとっては間違いなくキスだったのだ。



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「中3の冬…。初めて男の子にあたしという存在を受け入れてもらえて
 心をギュッと抱きしめられた気がした…」
美鈴に真中との出会いを語る東城。



でも。

…あなたにまだ話していないことがあるの。

今までどうしても言えなくて。

でも。

このままあなたを失いたくなくて。

あたしは。

ずっとあたしは…。



そして彼女は運命への扉を開ける。



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扉の先には…彼がいた。


夢が生まれ。夢が育まれた場所で。


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その夢が終わろうとするその日…ふたりは再会する。



だけど…。

不意に顔が熱くなる…。

真中の顔を見てしまったら、途端に身体が震えてしまう。
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足がすくむ…。


途中で転んで、膝を擦りむいてしまったけれど。
今はそんな傷よりも

もっと大事なものがあるから…。


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はずかしさのあまり東城は扉を閉める…。


「お願い。このまま聞いて…っ」


「かっ、顔見たら、また、何も言えなくなっちゃうから…」





そして東城の永年の想いが臨界点を超える…ッ!!






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「…好きなの」







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「中学のあの日から、ずっと、ずっと…!!」





東城の靴箱に入っていた紙。

それは『ラブ・サンクチュアリ』での占いによる最高の相性を持つ相手をしめす番号。


『1508』


それは真中と同じ数字であった…。









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[ 2006/04/22 08:05 ] いちご100% | TB(0) | CM(5)

いちご100% 第151話 「どうして・・・?」  

東城は見てしまう。
真中と西野の間につながれた手を…。

真中は見てしまう。
東城の横に立ち、肩を抱く男の姿を…。


そして時が凍りつく…。


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真中は思わず西野とつないでいた手をほどいてしまうほど。


東城と並ぶ男はすげー美形の男で…。
東城と住む世界が違う人間のよーで…。

しかし、その心配は取り越し苦労であった。
長々ひっぱった東城に男性の影疑惑はあっという間に霧消した。

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「ちっ。ちがうちがーう!! 
弟なの弟! ごめんなさいバカなのこの子!!」

今回は東城の普段見ることのできない姿がいっぱい見れて
お腹いっぱいです!


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「こっ。校内で保護者ぶるのやめてってば…」

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「ちょ、ちょっとまた余計なこと~~!!」

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「も~~~アンタは、っとに~~~っ」

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普段とは違う一面を見せてしまい、照れる東城。


注さんまいったよ…。
なんで最初っからこーゆーキャラで出てこないかなぁ。
もしこんな感じで真中の前に現れていたら、
この物語こんなことにならなかったのに…。

とほのぼのしてた注さんを怒らせたのがこの真中。


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『なんだぁ。そーゆーことだったんだ…』
彼氏だと思われていた男が実は弟だと知って安堵したこの顔。

たぶんみんながみんな怒りに震えたと確信するこの顔。
拳を叩きつけた方もきっといると思います。




東城たちが映画に行くというので西野に提案するが

「あ…じゃあ俺達も映画観に行く?」
「え? えっと…あたしできれば何か食べたいな」
と西野は強引にたこ焼き屋に引っ張っていってしまう。

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映研を退部したちなみはアイドル部としてライブを展開していた。


「歩きっぱなしだから疲れないか? そろそろ映画見に行こうか」

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「うん! でも、先に他のお店回らせて。ねっ」

この西野のかたくなな抵抗。
この笑顔の下に、どれだけ悲しい思いが隠されているのだろう。


しかし真中は全然気がついていない。
『機嫌が悪いわけでもなさそうなのに…』と勘違いしだす始末。


輪投げ。
近くのどうでもいいモノは簡単に取れるけれど
奥にある欲しいモノは輪が届かないからなかなか簡単に取れないゲーム。


「やってみなきゃわかんない…よっ!」
この言葉に西野の気持ちが詰まっています。

西野つかさはこーゆー女の子なんです。
自分の信じる道。想いを叶えるために行動する女の子なんです。


けれど今そんな女の子に陰がさしています。

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「一番欲しい物って、なんで簡単に手に入らないようにできてるんだろうね」


西野の心は嵐泉祭以前から乱されていたに違いない。
また中学のときと同じ事を繰り返してしまうのだろうか?
もう西野の心の容積はこぼれる寸前だった。

「…あたし帰る」
このひとことでも、真中には理解できなかった。

「ちゃんと理由聞かせてくれよ、映画も見ずに帰るなんて…!」


もうダメだ…。
こいつ自分のことしか考えてねぇ。
どうして西野がそう言うのかさえ理解できないのか。
とうとう西野が想いを爆発させる。

しかし、それは静かで。
また確実に真中を詰めていった。

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「どうしてあの映画観せたいって思えるの?」

西野の後ろ姿が痛い。
以前偶然見てしまった今年の映画。
東城の本気の想いが詰まった映画。
そんな映画を見てどうしろって?


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「さっき東城さんと会った時も、あたしの手パッて放した…」

真中自身もう迷わないというような意思表示が
この手を握るという行為だったはずだ。
『だから手をつながせて。俺の心がこれ以上ふらつかないように』
と心に言い聞かせていたはずなのに…。

「な、なんとなく恥ずかしかったからじゃねーかな。
深い意味はないけど…」

ダメだ真中。それじゃ答えにならない。
西野の心の溝を埋められない。


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「じゃあどうして。
東城さんが文化祭に誘ったのが弟さんってわかって、
淳平くんホッとしてたの…」


切ない…。
東城のみならず西野まで…。

こんなに悲しい顔をさせやがって…。

不安な顔。泣き出しそうな顔を見せまいと
頑張って、無理してまで笑顔を作ろうとしているけど
どうしても気持ちが先行してしまう。

いちごファンすべてが同情するこのなんともいえない表情
そしていちごファンすべてが真中のことを見限った瞬間である。


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「…だめだ。ごめんうまく笑えない…」


そんな気づかいしなくていいっ…!

なんで西野が誤る必要があるんだ。

図星だった真中に何が言えるだろう。


「前みたいに不安な気持ちでつきあうのはいや…
 あんな思いもう味わいたくないって思ってたのに、なのに」


何ひとつ確かなものがあったわけではない。
高校生になってからの、交際のスタート地点が明確でなかったふたりにとって
そもそも、付き合うという感情があったかどーか定かではないのだが…。

ただ、その時わかっていたこと。真中は東城のことを好きなんだということ。

そしてその東城が再びふたりの間に立ちはだかるなんて…。





そのころ東城は正太郎の映画の感想を聞いていた。

「海辺での告白シーン…。
 ねーちゃん。アレ。本気で言ってんだろ」

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「中学のときからねーちゃんが好きな男ってアイツだったんだな」

「そうなんだろ。ねーちゃん」

弟に言われてはじめて気づいたわけではないはずだ。
あの日。
あのシーンのスタート以前から東城の中では
いつか伝えるべく言葉として温めておいた言葉であると信じたい。

そして誰が見たって本気の告白だったと感じているはずだ。




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「あたしバカだね、淳平くんのことがどうしようもないぐらい…」




錯綜する想い。
もつれあう感情。

何よりもこの一連の会話を木陰で
すべて聞いてしまったこずえがもっと痛々しい。









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[ 2006/04/20 00:47 ] いちご100% | TB(0) | CM(2)

いちご100% 第150話 「気づいてほしい!」  

最後の文化祭。
真中は今までの映研での出来事をを振り返っていた。

東城と語りあいながら始まったふたりだけの夢。
そして3年分の夢の結晶をふたりで見ながら告げた事実…。

そしてその夢もいつかは終わる日が来るのだろう…。


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東城の涙。

あの涙の意味。
真中とてその意味がくみ取れないほどのバカではないはずだ。


東城の涙から一夜明け、嵐の予感に満ちた文化祭が始まる。

そして、いちご史上最大最長の一日がここにスタートする。


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下駄箱に入っていた謎の手紙『1508』  
突然現れたこの手紙が
実は大きな伏線であったことなど今の段階で誰が予測できるであろう。


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「ねえねえ。真中はあの紙何番だった? 見せて!」
なんですかこのアンミラ風な衣装は?

さつきはこの番号の意味を知っているのか?  しかし、さつきとは番号が違うらしい。


その頃。映研では東城やちなみが来ていなくて大騒ぎになっていた。
文化祭当日に看板娘がいないということは映研にとって致命的である。
女の子目当てでやってくる客が捕まえられなくては売上は伸びないのである。


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ちなみにいたっては部活を辞めたらしい。
泣き崩れる小宮山。
ようやくここで夏の夜の夢が覚めたといったところか…。


看板娘ということで張り切ろうとするさつき。
だが、ラグビー部の面々に拉致されてしまった。
とうとう女の子は美鈴だけという事態になってしまう。

そして…。


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美鈴のコスプレ姿キタ――――――――ッ!!

外村恐るべし。
妹ですら使えるものはすべて使う。



とっさの対応でなんとか上映はできた。
女の子目当てのエロ男だが、映画の良さはわかるようだ。


第一回目の上映の途中。
映写室で真中は美鈴に言う。

「…俺。このあと少し抜けていいかな」

美鈴はすぐにピンと来る。

「西野先輩が来るんですか
 別に構いませんよ! 
 あたしだったて他校に彼氏がいれば案内くらいするだろうし
 行けばいいじゃないですか!!」

しかめっ面の美鈴に真中は顔色をうかがう。


昨日のことを知っている美鈴だから。
今までの東城の気持ちを知っている美鈴だから。
どうしても言わずにはいられない。


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「あたしが怒っているんだとしたら、それは真中先輩の鈍さにです。」


よっしゃ。美鈴言ったれ――――――――ッ!!


「東城先輩がプロの女優ならまだしも。
 そうでない人間が、あんな切ないセリフ。演技だけで口にできると思うんですか?」


そう。
あのシーンのセリフはすべて東城のアドリブだった。
あの夜。
一緒の大学には進学しないと決めた夜。

きっと今までの想いを練りに練りぬいて作り上げたセリフ。


東城が書き上げたシナリオ。
それは、きっと本人は意識してなかったかもしれないが、
確実に秘められた想いが反映された物語を創ったのである。


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「東城先輩は真中先輩のこと好きなんですよ。たぶん前から…ずっと…」


動揺する真中。
しかし、顔色を変えただけでオタオタしなかった。

それどころか美鈴に背を向けて映写室を出て行く。
「…西野を迎えに行かねーと」


「あたしがしてることって、もしかして余計なことなんでしょうか…」

このひとことに美鈴の立場や気持ちが凝縮されています。



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そして制服姿の西野登場。
なんで? 
私服禁止なの? 
…何でもいいや。女の子が一番可愛く見えるならなんでもいいっ!!


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そして最高の一枚。
「ラブ・サンクチュアリに行こうよ」
この西野最高ですね。



さて。
いままでさんざん引っ張ってきた『ラブ・サンクチュアリ』の全貌がここで明らかになります。

それは占星術研究部による相性占い…。
同じ数字を持つ者のみがダーツに参加できるという仕組み…。


西野の番号は「0247」
真中の番号は「1508」


「俺、参加するのやーめた!」

自分の番号をビリビリに破いてしまう真中。
今までなら余計なことを言って西野を不安にさせてきた真中だが
今は違う。すっかり別人のようだ。


「もー数字忘れたっ! 行こうぜ西野」
「・・・うん!」

西野に笑顔を作らせた真中。
だがこのあとまもなく、嫌な展開が待ち受けていることなど今は知らない。


「淳平くんの相手は誰だったんでしょうねー」という問いかけにも

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「俺の相手は西野だから! 答え出てるのにそーゆーこと考えるのやめようぜ」


だが、どうしても無理矢理言ってるように思えてならない。
美鈴からの言葉が引っかかってるんだと思えてならない。

だから西野と手をつなぐとき真中は自分に言い聞かせる。


『だから手をつながせて。俺の心がこれ以上ふらつかないように』




ここから物語は緊迫した展開へと突入していく。



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怖いくらい思いつめた表情の東城が…。ふたりの背後で転ぶ。

東城だということに気づいたのか真中は『ビクッ』と震える。




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そして東城は見てしまう。
真中と西野の間につながれた手を…。


そして真中は見てしまう。
東城の横に立ち、肩を抱く男の姿を…。









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[ 2006/04/19 11:07 ] いちご100% | TB(0) | CM(2)

いちご100% 第149話 「儚き結晶」  

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『でも あなたが好き』

『あなたのことが ずっと ずっと好き・・・!』


西野にとって一番見たくなかった映像である。
あわててパソコンを消す。



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『…あなたのことが、ずっとずっと好き。真中くん』


あくまでもさっきのは映画のなかのワンシーンである。

だが西野にとっては全然受け取り方が違う。


これは真中への東城の本気の告白なのである。
それは西野を含めた当事者だけが知っている真実。

中学のとき初めて東城と出会ったときから感じていた気持ち。
それを改めて見てしまった西野にとっては…。


不安になる。


西野にとって東城は恋のライバルだった。
本来ならみんなで泉坂高校に進学するはずだったのに
西野は泉坂高校には行かなかった。

しかし、その選択は結局失敗に終わってしまう。
だが紆余曲折を経て、再びふたりはつきあうことになった。


ふたりの大切な今が崩れ落ちてしまうかもしれない。

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西野はただ独りこの大きな不安にさいなまれていた。






帰り道。
西野は真中に聞く

「…そういえば
 外村君はあたしたちがつきあってること知ってるみたいだった」

「東城さんは? 東城さんの耳にもちゃんと入ってんのかなぁ」」


さっきの映像がどうしても気にかかってしょうがないのである。


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「それは…」
「あたし。淳平くんが好き」

真中はまだ事実を東城には伝えていない。

質問をしつつも西野はきっと知っている。
きっと東城さんにはまだ伝えていない。

だから不安が晴れない。
どうしても考えれば考えるほど、怖くてしょうがない。
だから口に出さずにいられない。


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「ずっと、ずっと大好きだから…!!」


こんなにいじらしく真中に寄り添っているのに真中は何をしてる?


なぜ抱きしめない?


それどころかこのバカと来たら…。
「お…俺も…西野のこと…好き…だよ…」


西野から目はそむけるは、どもるは…。
誠意なさげな返事だわ…。

この意気地なしがっ!!







『嵐泉祭』 の前日準備が始まる。

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文化部にとって最大のイベント。
そして高校生活最後の文化祭。


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会場設営も終わり、明日に備えて帰りだす面々。
チェックのために残ると真中がつぶやいたとき美鈴は何かを思いつく。

「あの!
 どうせならチェックついでに試写会しちゃいましょうよ!」


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「ではただいまより、
 主演のおふたりのための試写会を開催しまーす!!」


「他人に見られる前に二人で演技チェックしたいだろうって思って」


美鈴。切れ者です。
最高のお膳立てです。
去り際に東城にそっと囁くセリフが秀逸。

「先輩! 勇気を出してもう1度映画のあのセリフ…」


なんと。ここで東城に勇気を出させますか?
たしかにこの雰囲気で、東城が本気なら逆転もあり得るが…。






そしてふたりだけの試写会が始まった。

離れて座る。真中と東城。

もうすでにこの段階から美鈴の思惑が外れている。

『隣りになんて座れない…よな
 俺達。もうお互いにパートナーがいるんだから…』

ああもどかしいこの勘違い…。




しかしそれでも二人の前にあるスクリーンは、
中学生からの二人の思いが詰まった結晶を流し続けていく。

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「高校最後の年に…東城のこと撮れて本当に良かった」



映画が進むに連れ、東城の気持ちはあふれつつあった。


そして東城から動く。


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「真中くん…。真中くんは
 一緒にラブサンクチュアリ参加する人いる…の…?」

夢の結晶を前に、そして近づくべくクライマックスシーンを前に
東城の気持ちはあふれ出た。


だが真中の答えなんてまったく想像していなかった。



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「いるよ」
「西野と出る。俺達またつきあってんだ」


東城の時間が止まる。
たった一言で…。

東城にとって3年間秘め続けた心が崩れ落ちた瞬間であった。


皮肉にも、東城が伝えたかった言葉は
スクリーンの中の東城が伝えたのだが、今となってはもはや意味がなかった。



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告げられることなく消えた想い。
手を伸ばせば届く存在だったのに今はもう届かない。


「でもあなたが好き。あなたのことがずっとずっと好き…!」

このセリフに『真中くん』 と付け加えるだけでよかったのに。


思いは涙とともにこぼれ落ちてしまった。


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「ホント、気にしないで…」


気にしないでいられるかっ!

切ない…。

西野とキスしたあたりから
こーゆー話になることは予想が出来ていたし、
心の準備もそれなりに出来ていた。

さつきに伝えたときも切なかったが
今回はそれ以上に切ない。


まして涙の理由さえ…いえるわけがない。
映画に感動して泣いたなんて当然嘘で…。
本当にこの娘は最後まで人に気をつかって…。


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「ちょっ…東城先輩! 
 どうしたんです!? もしかして泣いて…」

門で待機していた美鈴の懐に飛び込む東城。

「先輩…?」




大波乱必至な『嵐泉祭』 開幕まであと1日…。









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[ 2006/04/13 00:31 ] いちご100% | TB(0) | CM(4)

いちご100% 第148話 「求めあう放課後」  

欲張りに何度も交わしたキス。

あれからそんなに日は経っていないのに、まだ余韻が残っている…。

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『キス…か』
クラスメイトのおしゃべりにキスという単語が飛び出し途端に心臓どきどきなつかさ。

「つかさ」
「は?」
「アンタ今 ものすごく色っぽいカオしてるよ?」

女子校の女の子ってこんな感じ。
なかでもこんな大人な同級生はすっごく頼りがいがありそうだ。

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「向こうだってきっとしたいって思ってるよ
 それとも何? もしかして全然会ってないの?」

トモコさん。あなたが素敵です。
さすが女性が書いているだけあって魅力的な女の子が多いです。

こういう会話が二人の中に出てくるくらい、西野はトモコさんに相談しているんだろう。


こういった女の子がもっと前面に出てくるようなお話を期待しています。

でもそろそろ充電期間もいいでしょ?
ジャンプ以外にもいろいろ活動の場所があると思うんだけどなぁ。
早く出ないかなぁ。河下先生の新作…。



この頃真中は映画の編集作業に毎日10時近くまで学校に残っている。

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「毎晩こうして電話をもらえるだけでも幸せって思えてたのに…」

しかし、一度キスを経験してしまった
西野にとってもうこの関係は電話では物足りない…。

定期的なスキンシップ。




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そして西野は行動に移す。

夜の泉坂高校に桜海学園の制服姿の女の子が現れる。


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「もーっ。なんて声出すのさ淳平くん!」

その女の子は西野。
毎晩夜更けまで学校に残っている真中のために
晩御飯を持ってきたのである。


西野お手製のサンドイッチをほおばる真中。
そんな真中をいとおしげに見つめる西野。


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「この…目の前にいる男の人が、あたしのカレシなんだなーって思って見てた。」

だんだん女の顔になってきましたよ。



「い、今サンドイッチの味しかしねーと思うけど…」
と真中の意味不明な前置きすら

「大丈夫。嫌いなものは入れてないから」
とさりげなくかわす西野。


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そして二人は互いを求めあう…。


…はずだった。


外村としては別に邪魔をしに来たわけではない。
東城に頼まれて食べ物の差し入れと編集作業の手伝いに戻ってきたのである。


しかしこんなタイミングでは、帰ったほうが得策である。



「もしあたしも泉坂通ってたらこーゆーことよくあるのかな。
 誰が来てもおかしくない教室で二人してコソコソして…」


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「淳平くんと同じ学校に通わなきゃできないこと、今してるみたいでうれしい」


そして真中から動き出す…。


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ドク…ン

無防備な背後から、近づく真中。
まだ、近づいただけである。

なのに、なんでこんなに胸が高鳴るのだろう。

『なんで西野って俺のツボにはまってくるんだろう』


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『学校だし こんなことするつもりじゃないのに…ヤバイ…』

真中の顔が西野の首筋に近づく…。

「…あ……っ」

西野の吐息キ・キ・キ・キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!






結局いいところで邪魔が入ってしまうのは仕様です。
今回は黒川先生に見つかってしまった。


「コラーーッ!! そこの生徒何してるかーっ!!」

「外から丸見えだぞ。不順異性交遊!!
 っとに最近の生徒はませてからに…っ
 うらやましいぞー!!」

この先生は本当に教師なのでしょうか?



「ふう…。あのまま邪魔が入らなかったら…どうなってたんだろ」


西野は緊張の糸が解けて、イスに座り込む。

そのとき手がパソコンのキーボードに振れ、モニターに「シーン122」が映し出された。


「あ。これ今年の映画かな?」


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『でもあなたが好き
  
 あなたのことがずっとずっと好き…!』



知らない人が見たら本気の告白ととらえても不思議はないこのシーン。



そして西野の瞳が凍った…。









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[ 2006/04/12 06:40 ] いちご100% | TB(0) | CM(2)

いちご100% 第147話 「大切だけど そうじゃない」  

さつきから告白を受けたのは、高校一年のとき。
映研を作るとき、真中と東城が初めてケンカしたとき。

廊下を走りながらの告白。

思えば あのときからずっと返事を延ばしてきた。


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「ダメなんだ。俺にはもう、彼女が…っ」

もうごまかし続けることはしちゃいけないんだ。これ以上…


重苦しい沈黙が続く。


「…か、彼女がいた…の?」

「ああ…き、昨日から…」

「あたしは、選ばれなかったってわけか…」

「…ごめん…」




そしてさつきは自分の報われなかった恋に怒り…

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「それなら…
 脈ありそうな態度なんてとらないで…よ
 あ、あたしのこともっと突放せばいいじゃないのよ…っ」


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涙する…。



「……ごめんな…。
 今までずっとはっきりしないままでホントごめんな
 俺、女子から好きって言ってもらえたのさつきが初めてだったから
 心地よかったんだ。それを手放したくなくて…やな奴だな。俺…」


西野と再びつきあうことになったと話す真中。
ところがさつきにとっては以外だった。
真中は東城とつきあうことになったと思っていたのだ。
 


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「東城さんなら、全然ダメな気するけど
 西野さんなら、なんとなくまだチャンスある気がしたんだもん」

以前付き合っていたけれど別れてしまったふたり。
さつきの入る余地はまだあるように思うのも無理はない。


だが真中はキッパリと言い切る。


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「それに俺。そんな半端な思いで西野を選んだわけじゃないから」

本当だな! 真中。
もう二度とフラフラしないって読者に誓ったも同然だぞ。



さつきのみならず、映研のメンバー全員(東城除く)に報告する。

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「真中。また西野つかさとつきあうことにしたんだってよ」


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「真中先輩! そのこと東城先輩は知ってるんですか!?」
「いや・・・まだ」
「あたしがお願いするのおかしいかもしれませんが 
 今はまだ東城先輩には秘密に…」

美鈴の立場の辛いところである。
東城の真中に対する気持ちを知ってるがゆえに。
そして何より合宿の夜。「はっきりしてから進学するべき」と言ってしまったゆえに…。


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「東城にも…多分相手がいるから…」
「…あ、ありえない。そんな事…!」

このメンバーはおそらく全員知っていることではあるのだが、
美鈴だけが真相に一番近いところにいる。

東城に男の影などありえない。

だって…。東城は真中のことを…。





そのころ。ひとりの男が再び舞台に上がる。




「いいんだよ。どうせずっと不登校だったんだ。
 綾さんに男ができたと思うと気力が湧かなくてね」

「奇遇ね。あたしもさ。真中と西野さんがつきあってるって聞いてからは
 毎日こーしてサボってんの」


真中が東城をあきらめた事実を知った天地。

東城に彼氏がいるなら、西野つかさくらい蹴倒してやると意欲あふれるさつき。


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「…お互い。諦めるのはまだ早いようだと思わないかい?」
「そうね!」

利害関係が一致した二人。
がしっと手を組み、物語はいよいよ佳境に近づいていく。



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-泉坂高校文化祭まであと2週間-

それぞれの人間ドラマがここに集約する!!









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[ 2006/04/11 07:54 ] いちご100% | TB(0) | CM(3)

いちご100% 第146話 「ふたりきりクライシス!」 

すごく幸せなことがあり、
その気持ちを抱え込みながら目覚めた朝は
いつもとは違った気分で目が覚める。


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幸福に満ちた朝。
「全部夢じゃないんだ~~~!!」


最高にハッピーな気持ちでいっぱいな真中。
早朝から部室に行き、編集作業にとりかかろうとしていた。


だがそこには東城がいた。
その理由は昨日のことである…。


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せっかく昨日投げ捨てたブラジャー捜そうと思ったのに…。
でもいくらノーブラだったからってあんな逃げ出し方失礼だったよね


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しかし、東城の思いもむなしく下着は見つかってしまう。

『お、大きい…小ぶりのスイカ軽く入るんじゃないのか これ…』



そして真中は外村に事実を報告する。

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「なんと! このたびワタクシ真中淳平は! 
 西野つかさちゃんと再びつきあうことになりましたーっ!!」


報告する順番が違うだろ真中!
それもなぜこんなに笑顔なんだ。
その顔で東城に言えるのか?



「東城にもそれ言ったのか? 
 どー見てもさっき部室の方から歩いてきたからさ」

「いや…東城はたまたま部室にいて
 …俺の顔見るなり逃げてった。
 避けられてんの俺。東城も今や彼氏持ちだからなー」

「オマエ それが理由で西野つかさとヨリ戻したなんで言わねーよなあ」


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「それはない!
 西野はかわいくて、やさしくて、
 それでいて俺の気持ち 誰よりもわかってくれてだから必要なんだ。すごく」

めずらしく言い切った。
本当だな? 本当にもうこれでウダウダ迷ったりしないんだな?


だが真中の決意なんて全然信用していないから。




「つかさちゃんとエンドを迎えるためには
 まだまだ超えなきゃならねえ試練があるんだぜ?」

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「えーーーっ 
 真中と一緒に文化祭の買出し行っていいのーー!?」


試練としては当然だ。
西野つかさとのエンディングを迎えるのなら
どうしても真中はみんなに事実を伝えなければならない。


「北大路にまさか西野とのことずっと秘密にしておくつもりじゃないだろう?
 ちゃんと伝えろよ。そして北大路にボコボコにされるがいい~~」




そしてふたりの買出しは終わり、さつきは上機嫌のままデートになっていく。


「…人がいるところは嫌…」


と言いつつ真中のカバンをひったくって、人のいない細い路地に消えていくさつき。


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「やっとふたりきりになれたね」


真中のカバンの中に今朝拾ったブラが入っていることなどさつきは知らない。
しかし、カバンの中に負い目がある真中としてはカバンを取り返さなくてはいけない。


「い…言っとくけど 全部さつきのせいだからな!」


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「うん! だから早くきて…っ」


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近づく真中。
さつきの肉感に戸惑いながら…。


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「好きな男の子からしてもらえたら女の子は何だって怖くないよ」


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さつき本気モード突入…。


「…えっち」


「でもいいよ 真中となら…」


「こ…こ、暑くてヤバイ…けど、二人でもっと熱くなろ…」


さつきの唇が近づく瞬間…。
真中はさつきをふりほどく。


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「だ…ダメなんだ!! 俺にはもう彼女が…」
「え?」









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[ 2006/04/10 07:32 ] いちご100% | TB(0) | CM(1)

いちご100% 第145話 「欲張りな唇」 

自分のことを一番わかってくれる女の子から
「もっと甘えてよ」
と言われたらどれだけ勇気づけられるだろう。


心が弱っているときは、ぬくもりが欲しくなります。

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けれどそのぬくもりは誰でもいいわけではない。

たまたまそばにいたのが西野だったからではない。






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今回の表紙
『大好きな君の…特別になる。』


この雰囲気。
今回の話は一ページたりとも…一コマたりとも見逃すなっ!!





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「あ……っ」


西野の吐息キタ――――――――ッ!!



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「…変な声出ちゃったのはその……い、痛かったから」

いかんいかんいかん。
もう今回の話がどーゆーラストで終わるかわかってしまうよーな素敵な伏線だ。
だってスゲーおいしそーな唇だぜっ!!


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「あんなに強く抱きしめてくるんだもん」

「どれだけギュって抱きしめられても
 他の男子じゃこんなに苦しくはないって思うから…」


河下先生の本領発揮のシーンです。
女心の心情描写書かせたら天下一品。

細かいコマを多用し一瞬一瞬の動きで
読者を引っ張り込んでいく手腕は本当に見事です。



西野はここで見送りを断り自分で帰る。

「じゃ、元気出してね。淳平くん」
あいさつ代わりに淳平の肩を叩き家路に向かって走っていく西野。


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西野に触れられた肩に手を当て、いつになく真剣な真中。
『…俺…』

真中の高鳴る鼓動。


『何か西野に告げなくちゃいけないことがあるんじゃないのか?
西野が俺に言ってほしい言葉。
 俺が西野に伝えたい気持ち』


15歳。中学3年も終わりつつあるその日。
ふたりは恋人となり、紆余曲折を経て
再び西野からの告白を受けた真中淳平。

そして18歳。高校3年初秋。
ふたりの間を流れた3年間の想いは今ここにひとつの局面を迎える。



ついに物語が動き出す!!



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「西野!!」
真中が真剣になった。


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ふり返る西野に真中は思いをぶつける。


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「俺も西野のことが好きだ!!
 だからもう一回、その…。つっつきあってください…!」


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西野エンド確定…!!

もうこれで最終回でもいいや。




ふたりは公園に落ち着いて、もう一度話をする。


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「あたし、欲張りかな…。言葉だけじゃ信用できないみたい」

そう。
中学のときも真中から告白したのに、東城に心が動いてしまった。
そしてふたりは疎遠になっていった。


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「けど俺、中学の時とは全然違う気持ちだから!
 今は西野のためなら何でもできるよ…っていうより…」


言葉より確かなもの。
言葉よりも重みのあるもの。
それは行動。


「淳平く・・・ん?」
西野の腕を掴む淳平。


そして…



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おそらくこれが西野のファースト・キス
あまりに突然その時が来て、
目をつぶることさえ忘れてしまうほどの瞬間。


「……これが、俺の本気」

「かくさず言うな。俺…キ、キスしたことはあるけど
 自分からするのは初めてなんだ」


ここでその一言をいうあたり、疑問符がつくのですが
でもそれが逆に西野に変な不安を与えなくてよかったのでしょうか。


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そして恍惚の西野。
「隣座って…そして…もう一回して…」



…かくして、この物語の方向性は決定しました。

ここまでやっておいて東城エンドで終わったら
女の子の心をもてあそびすぎです。


『その日。俺は西野と計3回キスをした。』


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お互いに家で余韻にふけるふたり。




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そして東城が飛び込んだ男は 弟の正太郎だった。

真中のこの勘違いが、後に大きな波紋を呼ぶことはまだ知らなかった。









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[ 2006/04/05 05:57 ] いちご100% | TB(0) | CM(3)
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