ヒロイン達からバレンタインチョコをもらった真中。

東城
さつき
唯
ちなみ
なんだかんだでいくつかチョコレートをもらえたけど
まだ気になるあのこからのチョコがまだ…。
それは。
西野からのチョコ。
今年こそは直接もらえるかもと期待してたのに…。
時計は6時3分…。
真中は意を決して『パティスリー鶴屋』へ出かける。

女性客でごった返している店の中で、西野はまだ接客中であった。
「つかさちゃんならまだ働いてるぞい。ワシもつかさちゃんのバレンタインチョコレート期待しとるんじゃが」
と館長がすでに店の前に張っていた。
その接客姿を見て、家に帰ろうとする真中。
『あれじゃ当分、俺に連絡できないだろうし、自分から行くのも催促してるみたいでカッコ悪いもんな…』
帰り道。
ネガティブな考えは真中の胸に広がり
昼の電話はチョコレートあげないっていう内容だったのではと広がり始める。
そんな真中の目に映ったのは本屋で雑誌を立ち読みしている東城の姿だった。

「あ…え…えっと…こ、こんばんは。も、もしかしてまだ家に帰ってないの?」
「う、うん。ちょっと欲しい本があったから。」
なんてぎこちない二人でしょうか。見ていてハラハラしてきます。
もっとハラハラさせるのは東城の読んでいた雑誌。
女性向ファッション雑誌(?) 「Strawberry」
『へー。東城もこーゆー雑誌読むんだ…。 …って告白特集〜〜〜!?』
あわてて雑誌を背中に隠す東城。
突然緊張し始める真中。
そして真中は東城を家まで送っていくと申し出る。
暗くなってきたし、チョコレートのお礼も兼ねて。
会話はチョコの味の保障から始まり…。
「西野さんは料理上手だもんね。こーゆーのって才能なのかな」
「別にいーじゃん? 東城だってすげー才能持ってるもん。小説書くっていう才能をさ!」
「・・・あたしは料理が上手な方が得だと思うけど」
「そんなことねーよ!! これからももっとたくさん小説書いてくれよなっ!?
できれば映研第三作目の映画の脚本もさ!!」

「コンクールだってちゃんとした賞とれなかったもんな。今年は俺優勝目指す!!」
「俺はいつでも夢最優先に生きてくんだ。自分が本当やりたいことやってんだから誰にも文句は言わせねえ!」
これが今の真中の将来に対するスタンス。
受験があろうが、自分の好きな映画作りに没頭したい。
それも聞いた東城も自分の将来を話す。
「あたし…決めた」

「真中くんと同じ大学に行きたい。あたしの夢は、真中くんと一緒に映画作ることだから…!」
「小説はいつでもどこでも書けるわ。
あたしもっともっとたくさん真中くんと映画を作ってみたいの」
東城は真中と共に歩んでいくという意思表示だ。
告白のような余韻をうけたのは私だけではないよね?
夢の共有と、進路の共有は東城なりの告白の形だったのではと考えます。

だってこんな表情見たら、東城なりの告白でしょ?
真中が部屋に帰りついたとき、唯が告げたひとことが再び真中を走らせる。
「わーっ。淳平残念! 今ね、西野さんから電話があったの。もうねホント今!!」
西野からチョコをもらいたいがためにここまで走る真中…。
冷静に考えれば折り返しの電話が筋ではないだろうか。
しかし真中はいきなり西野の家を訪ねる方法をとる。
西野の家の前で立ち往生していると
「ちょっと。ウチに何かご用かしら」
「わあっ」
西野の母親に声をかけられる。
「? つかさのお友達? つかさはまだバイトだと思うけど」
「いえ! いいんですお母さん! あっ『お母さん』って言っちゃった。とっ、とっ、とにかく失礼しまっス!!」
不審者寸前の真中。
次に走って向かった先は『パティスリー鶴屋』だがすでに閉店していた。
ここでやっと電話して連絡とればいいことに気付く真中。
しかし家に帰って電話してみても西野へはつながらない。
ベランダに出てみると雪がちらつき始めていた。
「うわっ雪!! どーりで寒いわけだ」

そしてなにげなく下の公園に目をやった真中は
ブランコで待ちぼうけしている西野を発見する。
昼の電話の一件以来、ふたりは(いや正確には真中だけ)何度かすれ違ったが
ようやくめぐりあえた。

「やっと会えたね」
「じゃあ。チョコ渡すね!」

「はい淳平くん」
「…。ありがとう」
西野から初めて手渡しでチョコをもらった日。
だが西野はこのチョコに自分の将来への可能性を込めていた…。
そんなこと当然知るはずもない真中はチョコひとかけら口に放り込む。
「…すっげーうまい…!!」
「ホント?」
「ホント!」
「ホントにホント?」
「つーか外国のお菓子みたい…。世界にも通用するよ、このチョコレート」
「サンキュ。すごく自信ついた…」

「あたしね。高校卒業したらパリに留学するつもりなの!」
西野の進路は留学…。
それもフランスへ。
西野の力強い宣言に声どころか顔色まで失う真中であった。
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