突然塾に行きたいと言った理由は『東城』が絡んでいたから。
そう思われてもしょーがない留守電が入っていた。
『もしもし真中くん? 東城です。
塾の件ですが4月1日にクラス分けのテストがあるので
朝9時までに来てください。先生にはあたしから話してあります。
…じゃ楽しみにしてるね』
まだ新学期も始まってないその日、真中は雨の中塾に向かっていた。

ちょうどその頃、真中にとってはまだ名前さえ知らない、この子も塾へと向かっていた。
塾への通学に路面電車を使うこずえ。

しかし、そんな車中でこずえは突然下半身に異変を察知する。
真中も、また同じ路面電車に乗り込んでいた。

何気なく周りを見渡した際に、恐怖ですくみ上がっているこずえを発見する。

痴漢…
女の子は恐怖で声が出せない…
そしてそーゆー真中自身もすくんでしまっている。
一瞬葛藤する真中だが、しかし気付いてしまった以上見過ごすことはできない。
真中にできること。
それは痴漢と女の子の間に入り込みこれ以上の被害を防ぐことであった。
路面電車が駅に付いた瞬間女の子は降りていった。
その駅は真中にとっても用のある駅である。

女の子は頭を下げて真中にお礼をする。
なにげない動作ひとつで下着が見えるようなスカート。
これでは痴漢をしてくださいって言ってるようなものである。
被害に合うのは自業自得のように感じてしまうが、しかし短い…。
背後から来た車からこずえを守るため、思わず腕を引く真中。
しかしこずえにはパニック誘発の原因。
ビックリしたままその場を走り去っていく。

『もーっ。いきなり腕掴んじゃダメだよーっ』
『あの人なら触られても平気…かも…』

しかし真中も塾に用があったのである。
都合2度目の対面。
こずえにとってはパニックである。
男子の前だと上がってしまう体質だが、ちょっと病的過ぎやしないか?

「ごめんなさいね」
と言いつつ、机の下に潜ったこずえを引っ張り出したのはこずえの友人『浦沢 舞』
「このコ男子の前だとあがっちゃうのよ。頭ん中じゃ、
いっつも幻想のカレシとエッチなことしてるよーなコなんだけどねー」
こずえは緊張のためか恥じらいからか一言も口を聞かない。
そしてクラス分けテストが始まった。
ところが真中のシャーペンには芯が入っていなかった。

そこへ、『すっ』と差し出してくれたのはこずえだった。
「今日はどうもありがとうたすかりました。こずえ」
というメモ付きで。
ものすごい恥ずかしがり屋なんだな…と真中なりの感想であったが。
こずえは違った。さっきの舞の一言
『このコ男子の前だとあがっちゃうのよ。頭ん中じゃ、
いっつも幻想のカレシとエッチなことしてるよーなコなんだけどねー』
に傷付いていたのだ。

『もーっ。舞ちゃんのバカバカバカ!! あたしものすごく変な女みたいじゃないのよーっ』
ほぼ同じ瞬間『舞』の言葉が真中の頭の中にも回っていた。

『こう見えてこのコエッチなことばっか考えてんのか…。
あっやべ。ドキドキしてきた』
二人そろってテストに集中できなくなっていた。
そしてテスト終了後の追い討ち。

「おねがいします! あたしにえっちの答え教えてください!!」
問Hの答えね…。
こずえの活躍を期待する「注さん」である。

「おねがいします! あたしにえっち教えてください!!」
これは妄想である。
こんな聞き間違えをしてみたいものだ。
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この話から3年目の撮影合宿までの間がしばらく、間延び感があってあんまり調子が上がってこない。
ところどころ端折っていきますので御了承下さい