
夜更け。
真中は仕上がった東城の脚本を読み、独り泣いていた。
「こんな…こんなラストじゃ主人公悲しすぎだよーっ!!」
「あー。でもいい!! すっごくいい!!」
「やっぱ東城の書くストーリーは最高だーっ!!」
深夜にもかかわらず大声を出したくなるほどいい脚本であったのだ。
今回のストーリーは昭和初期が舞台。
ヒロインは旧家の令嬢。
引っ込み思案だけど優しい心の持ち主。
だが二つの問題があった。
撮影に人が集まるだろーかという問題。
「北大路は…ほら。もう、真中の後をホイホイ追ってくるわけでもねーし
西野だって留学に向けて夏休みは忙しいと思うぜ…。第一、学校違うしな」
もうひとつはヒロイン役

さつきも、西野もいい線いっているけど真中のイメージからは若干違うのだ…。
いっぽう。
塾ではこずえとの雰囲気が少し遠くなってしまっていた。
なにしろこの間、勢いとはいえ押し倒してしまったし…。
だがこずえとしては、真中に近づけば近づくほど意識してしまって

『ドキドキしすぎて死んじゃうよ〜っ』 っていう感じなのである。
そんな恋愛模様をはたから見ていてやきもきする舞。

「あれじゃダメだね。好きになった男となんで離れて座るかなあ〜っ
控えめな女なんて今時はやらないって!
それにさっさと好きって言えばいいのにさ。
早くしないと他の女と仲良くなるの目の前で見せ付けられちゃうじゃん」
その舞の言葉に針のムシロの東城。
すべて東城にも当てはまっている、このビミョーな関係。

「もっと真中っちをドキドキさせんかい!!
向かいのヤツあんないい胸してんだもん。谷間見せてアピールしろ!」
こんな事を平気で言い出す舞も好きだが、自らの胸を見る東城が好きです。
そこへあらわれた『預言者』天地。
「予言当たったみたいだね あとはもうひとつの予言がどうなるか…
まだ変化はないのかな? 綾さん」
そして塾の休憩時間。ファーストフード店で密着アピール作戦を伝える舞。

「変なコだって思われるよぉ〜〜」
「おとなしくしてるだけじゃ、一生意識してもらえないよ?」
この言葉に火がついた二人…。
まずこずえが行った!

「し、失礼します…!」
それを見て東城が遂に動く…!!

「あたし…こっち側に座ってもいい…かな」
塾の面々にも映画作りの事を話し、東城の脚本が場の活性剤となる。

脚本の内容がハッピーエンディングにならないことから
設定面や映像化に関する事柄など、話がどんどん熱くなり…。

気が付けばおいしい場所にいる真中。
脚本に関して二人が白熱すればするほど真中自身もヒートアップ!!
とうとうこずえ自身。映画作成に参加を表明する。

そして勢いで…。
「いいんです! あたし真中さん好きだし…」
言った後。テーブルを倒すほどの勢いで照れるこずえ。

しかし真中はそんな告白なんかより、
今回の映画のヒロインはこのコかもしれないと言う違う事を考えていた。
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