今回の主役。

次回からタイトルは『すいか100%』となりますので御了承願います。

「覚悟はできております。
どうか、私を抱いてください…!」
さすがに脚本をいじられただけあってこんなセリフは想定していなかった。
しかし、演技をしなければならないジレンマに『惚れ』ます。
「恥ずかしがらずに感情を込めて喋ってください」という美鈴もなかなか鬼である。
そのころちなみは泣いていた。

「小宮山さん。ずっとデレデレして練習にならないんだもん!」
「だぁって一生懸命なちなみちゅわんかわいーんだもーん」
「小宮山ってホントサイテー! 女ならダレでもいーんかい!」
と、容赦ないさつき。
「ちなみの恋人役代えてほしいですーっ」
ちっとも撮影が進まずに泣きが入るちなみ。
小宮山のヤル気を出すために、撮影後女子達と海で遊ぼうと提案する外村。
それを聞き、突然気合が入る小宮山。
ラブコメの「コメディー」をもっぱら担当していただいている、小宮山。
そんな彼に一体どんな奇跡が舞い降りるのか…。
美鈴の提案で、午後からの撮影に備え、午前中は各ペアで練習とした。
別荘内の真中の部屋で東城と脚本の読み合わせ。
天地は買い物でいない、みんなは他の撮影場所の下見
…今この建物内にいるのは、ふたりだけ。
密室内にふたりきり…
おりしも昨夜、さつきの誘惑でモンモンとしていたことは想像に難くない。

『今、ベッドに東城を押し倒しても、俺を止めるものは何も…』
こんなよからぬ妄想が浮かぶのも若さゆえ仕方ない。
だがこれでは小宮山のことを笑える立場ではない。
その頃ちなみ・小宮山ペアも練習中であった。
崖の上にきれいな花が咲いているのを見つけたちなみ。
しかしその花の近くには蜂の巣があり取るのは危険な様子。
しかし上ばかり気をとられていたら足元に蛇が近づいていたことに気付かず…。

蛇に足をかまれ、倒れるちなみ。
毒蛇にかまれたのか、だんだん気分が悪くなっていくちなみ。
「歩けないから、お…おんぶして早く、お医者様のところに…」
おんぶ。
それは小宮山の背中にちなみの胸が当たったり
腕にふとももが触れることを意味する…。
「この際、命のほうが大事です!」
そしてドキドキしながら、小宮山はちなみをおんぶする。

「きた――――――――っ!!
よーし町までショートカットじゃあっ!!」

小宮山の頭の中は天国だった。
たとえイノシシに追われても…。
崖から飛び降りても…。
よく動物は極限状態におかれると種の保存の本能が働きお互いを求め合うという。
そのときちなみに本能的…。
いや奇跡的な変化が訪れます。

…あれ?
なんだろ、この胸の高鳴り…。
イノシシに追われ、危険を承知で崖から飛び降りた小宮山であったが
イノシシはまだあきらめなかった。

体当たりをかわしたものの、脇腹を負傷したのである。
さらにかわした勢いで転倒し、岩に頭部を打ちつける。
『あ…』
『ちなみ。血ダメ…』
気を失い倒れるちなみ。
気が付いたらそこは病院の診察台の上だった。
毒蛇にかまれた。と思っていたちなみであったが、医師の見解はアオダイショウにかまれたものという。
たいしたことのない状態だったのだが、もうひとりはひどい状態だという。
もうひとり。
そう、小宮山である。
イノシシの襲撃で脇腹を怪我し、
また岩に頭部を打ち付けて血だらけになったのである。
いくら小悪魔ちなみといえども心配は隠せない。
「こっ。小宮山さん死んじゃいやあっ!!」

…無事であった。
顔中をスズメバチに刺され、こんなに膨らんで…いるものの。
ちなみの見舞いのために崖上にあった花を摘んできた小宮山。

「あたし。今まで男の人にいっぱいプレゼントもらったりしたけど…
こんな…
こんなに素敵なプレゼントってもらったことない…!」
そして午後の撮影。
一気に演技力が増した小宮山。

役を通り越したかのように見える二人の演技は
まさに本物の恋人同士。
見てて恥ずかしくなるくらいの演技におどろく面々。
だんだんと二人の様子がおかしくなってきたので引き離そうとするものの…。

「おいおい何すんだよ!」
「ちなみ達の仲、引き裂こうとするのやめて下さい!!」

「このたび俺達」
「めでたくカップルになりました〜〜」
小悪魔と野獣。
奇跡のカップルに祝福あれ!!
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