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いちご100% 第153話 「わかってたのに」 

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「…好きなの」

東城の本気が、いまここにある。

長い間胸にしまっていた感情を伝えるということ。

これは映画のシーンではない。
当然演技なんかでは決してない。


初めて出会ったときに生まれた素直な気持ち。



…いままで口に出すのが怖かった。

だから、いつも想いを心の底にしまいこんでいた。

この想いを伝えなければ、何も始まらないのはわかっている。
 
でも、口にしたらこの関係が…全部消えてしまいそうで…。

だから怖くて…。
 
無理に伝えなくても…今のままでも十分に幸せだけど…。



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「中学のあの日から、ずっと、ずっと…!!」




告白。
東城綾という女の子にとって、この行為はまさに命がけである。


告白をすること。
女の子にとっては大変なパワーがいる行為なのだから…。


東城の言葉はたしかに真中の胸に届いた。
切なく。
重く。
激しく。
真中の全身に響きわたった。




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そして真中は黙り込む…。


『本当はわかってたんだ』


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大草、外村、美鈴… 。
いろんな人に言われてきた。


『でも確かめる勇気がなかった。
 心のどこかでそんなわけないって期待しないで暮らしてた』



って知ってたのかよっ!(怒)




告白のあと。
相手からの返事が帰ってくるまでの時間。
時間にして数秒なのだが、その一瞬が永遠にさえ感じられる。


真中の気持ちは
どんな言葉となって東城に返るのであろう…。


鼓動はますます高鳴る。


息苦しささえ感じる、このわずか数秒間。



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「東城」

「! あ…真……」


告白は終わった。
東城は、たしかに永年の想いを伝えた。


きっと気持ちを受け止めてくれるだろう。

きっと笑顔で扉を開けてくれるはず…。



ぅぅ…すっげー切ない。。。

こんな東城の表情見たら…。



(つд`)もうこのままエンディング突入してくださいっ…。
もうこれ以上東城を苦しめないでください…。(つд`)





東城の想いを真摯に受け止めて真中は答える。


それは東城にとって。


また東城ファンにとって聴きたくない答えだった…。





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「ごめん。 本当にごめん…!」

真中、土下座。
東城に真剣に対して、真中の真剣さはこういう形であらわれた。
永年の東城の想いに対して、真中は真中なりに真剣に詫びた。


何より痛々しいのは東城の右手である。
間違いなく真中を触れるために伸ばされかけたその手。

だがその手は永遠に行く先を失ってしまう。




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「俺、今は西野を大切にしていきたいんだ。…だから」

長かった真中の放浪人生にピリオドを打った瞬間。
そして東城に対して、きちんと筋を通した真中。


すでにうつろな東城の瞳。


(もう東城についてはそっとしてあげたい。
 東城ファンとしてはこれ以上彼女の痛々しい姿を書くことに耐えられない。)




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「ごめん。ごめん。ごめ…ん…」

何度も謝罪する真中。

涙の粒が筋となり、こぼれ落ちる東城。

それは永年の想いがつまった涙。

それを抑えきれなかった感情をあふれさせた代償というには悲しすぎる。



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「…気にしないで真中くん」

謝り続ける真中を止める東城の言葉。



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東城もわかっていた。
真中には西野がいるということ。
中学のあの日。西野に告白の相談を持ちかけられたときから…。

でも、それでもそばにいたいというエゴがあった。

最後の文化祭。
高校時代最後の作品に自分の想いを全て込めた。
だがその作品は真中の胸には届かなかった。



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「謝らなきゃいけないのはわたしの方。
 ごめんなさい真中くん…!」

自分の想いを一方的に押し付けることで、好きな人を苦しめたくないから自分から謝る。



なんで東城が謝るんだよーっ!(怒)



悪いのはキミじゃない。ここまで長く引っ張った真中だ。

謝る姿が切な過ぎる。
まるで土下座だ。

…こんな東城は見たくなかった。


しかしすべての女の子がひとりの男と両思いになれるわけではない。
みんなが笑顔でハッピーエンドにはならない仕組みがある。

それが恋愛なのである。
恋という感情が絡む以上、誰かが陰で涙をこぼすことになる。

しかし、まさか東城が涙をこぼすことになるなんて考えられなかった…。



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そして最後に見せた笑顔。
いちごのヒロインたちは何て健気で強いんだろうか!

まともに考えても、こんな笑顔が出るような状況ではない。

それでも最後ににっこり笑える東城の強さ。

大盛況で終わった映研を。
ひいては真中の映画に対する実力を。
笑顔で褒めてあげられるこの東城のチカラ。



・゚・(つД`)・゚・・゚・(つД`)・゚・

東城さん。あっ、あなた、すげえよ!

・゚・(つД`)・゚・・゚・(つД`)・゚・





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そして、偶然にも告白の一部始終を目撃する事となったさつき。

真中の本命であるとされていた『東城綾』 が振られてしまった。
それによって、自分自身も選ばれなかったという事実を突きつけられてしまったのだ…。

手にした包みを握ることで感情表現をする手腕。



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『今がまだ夏だったら…迷わず東城を追いかけるのに
 一生言うことはないだろうけど、俺が初めて好きになった娘は東城なのに
 今は東城の涙より、西野が見せた寂しい表情の方が、俺を辛くさせるんだ』




…こうして、連載153話目にして神の手は下された。

大多数の読者の希望や推測は、すべて創造主の手に委ねられたのである。






まさに『タイミング』なのである。


『if』 という単語はあまり使いたくないのだが
告白する時が違えば、全く違う結果が待っていたことは想像に難くない。

あの『SCENE122』の演技告白のあとに
「真中くんが…好き」と付け加えるだけでも変わっていたはずだ。

そんな大掛かりな告白でなくてもいいなら、
合宿で進路について話すとき、ふたりきりになったときに『告白』の場を持つこともできたのだ。
美鈴にビシッと言われた後だけに可能性はあった。

極端な話。
「ラブ・サンクチュアリには弟と出るかも…」
というセリフが事前に東城の口からあったら…。


…そうしていれば。


「俺も東城が好きだ」という言葉と、
ふたりのとびきりの笑顔。
感涙。
抱擁。
接吻。
スタッフロールがあったかもしれない。





また、ふたりの仲を決定付けたものに 『扉』と『瞳』 もある。


もしも、東城が真中と向き合ってしっかりと瞳を見て告白していたら…。
真中はきっと、はっきり拒否することは出来なかったと思われるのだ。
それくらい東城の瞳には力があったはずである。あったと信じたい。


事実。明後日の方向を向いた告白というのはありえない。
相手と正対して告白しなければ意味がない。
電話で告白しても本気さが伝わりにくい。


残念だが、東城は肝心要の部分で勝負から逃げてしまったのである。


西野は懸垂して、真中にまっすぐに告白した。
東城は最後の最後で『恥じらい』がでて真中との間に壁を入れてしまった。


ここに二人の大きな差が存在する。





『if』 の話で恐縮だが
西野との交際を輪投げの時点で消滅させることも出来たのである。
真中が積極的に西野を追わなかったことで若干そんなニュアンスを匂わせた。
(注さんはそーゆーふうにとらえてた。)

キス。という接触さえ 『あいさつ』 
(こんな考えのいちごは読みたくないが)
として考えられるのであれば、まだまだ東城にも逆転のチャンスはあった。



東城擁護派のひとりとしていろいろ考えたが…。
もはや、物語は動き始めたのである。


まさに ネ申展開なのである。 
すべては創造主の手に委ねるしかないのである。






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「東城さん!
 泣いているのは足のキズのせい? それとも別のとこが痛かったりして」

覗くつもりはなかったが、偶然にも居合わせてしまったさつき。
東城の報われなかった告白を励まします。



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「結果はさておきホント頑張った! 東城さん!!」

何気に東城のこと「あんまりよく思ってなかった」とかさらりと言い出してるけど
それはさつきなりの表現。

たしか1年次の合宿のときからこんなこと言ってましたよね。

同じ男に惚れて、そして儚く散ったことで戦友という感さえ漂います。



けれど今回のツボはここにある…。



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「ホントよくやった…」

東城の必死な勇気と自身の失恋を再確認し涙するさつき。

そのさつきの背後で、のんびりとモグモグ、たこ焼きを食べてる東城。

フラれたあととは思えないこのホノボノ感…。

さっきまでシリアスに泣いてたはずなのに!?

なんなんだよ、その他人事みたいな顔は~~~っ!



そんなあなたに…無条件で惚れた。
まいりました…。




振られてもなお、ヒロインとしての価値は下がらない。


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「あたし、真中くんにふられちゃったんだ…」

女の子たちが涙する絵。
注さんにとって一番見たくないシーンである。

だからと言って
…こんな痛いシーンを見たくないから恋愛しない。
というのも逃げである。



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「好きな人がいるとね、無敵な感じするんだ!」

恋愛のおかげで人生観が変わる。
好きな人がいたから頑張れた。

東城にとっては真中と出会ったことで小説を真面目に取り組むようになった。
クラスの隅っこにいた女の子がおさげもやめて眼鏡も外した。



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「真中くん。
 あたしいつか真中くんの事忘れられるのかなぁ…
 こんな…こんなに。好き…なのに」



 告白が残念な結果に終わっても、
 好きだった人をすぐに忘れることなんて出来やしない。
 
 そう。ここまでなら片思いのオブラートに包まれながらも、
 彼女の中で一番きれいな形で終われるのだ。
 
 仮に真中との交際が始まった後は、
 間違いなくお互いがお互いの良い面も嫌な面も知ってしまう。
 酸いも甘いもキレイもキタナイも知ったうえで
 別れを迎えることとなってしまった時、
 ふたりが無傷でいるとは思えない。

 東城にとってこの恋はムダではなかった。
 たしかに4年にも及ぶ片思いは悲しい結果に終わってしまったが、
 彼女にとってこの恋が、
 いつかさらなる成長の糧になってくれればと



注さんは願ってやまない。








さて、この話はまだあとちょっと続く。

そして真中は向かう。
彼にとって本命の女の子の元へと。



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「もう誰だよ、こんな時間に~~~」


昼間、最悪な感情で別れたにもかかわらず西野は普通に振舞っている様子だ。


玄関を開けた西野。
そこには息を切らして走ってきた真中の姿があった。

当然西野はビックリする。
今までの真中とは全然違う表情に。
そしてこの言葉に。


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「東城にちゃんと伝えたから」


いいぞ、真中。
その真剣なまなざしも誠実さが伝わっている。



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「俺が好きなのは西野だって、ちゃんと分かってもらえたから…!」


間違いなく西野にとって一番言って欲しかった言葉。

東城の演技告白を見て以来ずっと不安でしょうがなかったはずだ。

だが、今の一言はこれ以上ないほど安心したはずだ。


西野は知っていた。
東城が真中に好意を持っていること。
そして真中も東城に好意があること。

だけど今日。真中が自分を選んでくれたこと。
そしてその事実をすぐに伝えに走ってきてくれたこと。


だから西野は真中を強く抱きしめた。



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「あの…ね、今日うちの親いないんだ…」

伝えることだけ伝えた真中を引き止めるこの西野の言葉。


なんと! 
こんな展開をさらにもってきましたか…。
それも西野の口から言わせますか…。



この西野の後ろめたさ残るこの表情が最高。


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「……あがってく?」

そしてこの西野の色っぽさがたまらない…。


その表情、雰囲気がさっきまでとは全然違う。


もはや、ふたりの間に何も障害はない。


そして閉じられた扉。



…これが河下先生の神展開だっ!!









この記事の原作はこちらまで




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[ 2006/04/24 02:15 ] いちご100% | TB(0) | CM(6)
この次の回も大型記事確定。
仕上がりは未定ですけど。

まさに神展開。
そう。これ。
これが書きたかったから今まで頑張ってこれたんです!!

もう。書きながら曲聴いて泣いたよ。
さすがにパワーある作品ですよね。
[ 2006/04/24 02:31 ] [ 編集 ]
いつもご苦労様です。
ちょうど、GW前の合併号が、次回のあの場面ですね。
[ 2006/04/25 01:17 ] [ 編集 ]
リアルタイムから遅れること一年かかって、カウントダウン14話。

書いてる注さんも154話の仕上げが楽しみです。

といってもまだ冒頭部で筆が止まってる。
週末までに完成させて後はサクサク行きたいですね。
[ 2006/04/25 08:47 ] [ 編集 ]
もうここまで来ましたか、自分がここに来てから2,3ヶ月、結構早いもんですね。それから、「マンガがあればいーのだ」の記事ぱくってませんか?たとえば「タイミング」の事とか・・・。って言いたかっただけなんですけどね。んで、いちご100%の記事書き終わったらまた違うの書くんですか?
[ 2006/04/25 20:46 ] [ 編集 ]
当ブログは「マンガがあればいーのだ」さまに深く影響されて、開設したブログです。


たしかに、この記事を書くに当たり
参考として、このあたりの記事を何度か読ませていただいているのは事実です。


そのため類似している点もあるかと思います。


もしも、そういった点で「マンガがあればいーのだ」の管理人さんから謝罪を要求された場合は素直に「似たような文章書いてごめんなさい」って謝ろうと思います。


また、指摘していただいてくれたことでこの記事の文章構成をいくつか修正しました。
[ 2006/04/26 02:12 ] [ 編集 ]
早く次がでるのをまってまぁーす
それで、いちご100%の記事をコピペしてワードに保存していいですか?
[ 2006/04/28 20:33 ] [ 編集 ]
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