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いちご100% 第162話 「決戦前夜」 

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『今はこのままで―――』

東城は目をつぶって、真中の背に腕をまわす…。



(この東城の行動についていろいろと非難はあるだろう。
 よくわかっている。
 だがあえて注さんはいち東城ファンとしてこの行動について語りたい。)




東城にとって、この想いの終着点は
誰にも見られず。誰にも知られずに東城だけの秘密としてひっそりと終わるはずであった。


しかし運命のいたずらにより、東城からのキスだけでは清算は済まなかった。
寝ぼけていた真中は、そばにいた東城を西野と勘違いし抱きしめてしまったのである。


もちろん東城はここで真中の抱擁を回避できた。



真中には西野さんがいる。
自分はいま西野さんと勘違いされて抱擁を受けている。

自分の名前を呼ばれたわけではない…。


でも…。


それでもいい。


それでもいまはこのままでいたい。



この行為は倫理的にいけないことであることは承知のうえ。
この行動が自分の気持ちを満足させるだけで何も解決しないことであることもちゃんとわかっている。


もはや理屈ではないのだ。
3年間の自分の想いをこういう形でしか清算できなかったのである。
たとえそれが人から非難を受ける行為であったとしても。


実際。
男だってこーゆー気持ちはあるのだ。
たとえそれが許されないことだと知っていても。



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しかし。
背徳の幸せの時間は長く続かない。

こっそり入ってふたりを驚かそうとした唯が逆に驚いてしまった。



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あまりの現場を目撃してしまったために悲鳴さえあげられない唯。

この現場はどこをどう見たってキスシーンである。
これだけ顔と顔とが近づいて、
東城の腕は真中の背に回され
スカートはめくれあがってしまっている…。




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「ああっ!」
唯のなかにくすぶっていた謎が解き明かされる。

真中のベッドの下に眠っていた不発弾がここで炸裂する。

『西野さんには大きすぎても、東城さんには…』



以前。この爆弾を発見したとき唯は真中に聞いた。

「そうだ! あのさ淳平ってさ。付き合ってる人いたり…する?」
「へっ? あ…うん一応今は西野と…」

「…ふぅ…ん。じゃあコレは西野さんので二人はもう…。
 お、オトナ… ってこと…???」



真中はたしかに、西野と付き合っていると言った。
それなのに…。
それなのに…東城と部屋で…。


これって浮気!!


唯は真中を許せなかった。
今回、東城に家庭教師を頼んだのは唯である。
それが誤解だったとしても、自分がこの事態を招いてしまったという責任感がある。








唯の責任感など何も知らない真中は、東城との勉強会を楽しんでいた。
高校受験時の勉強会を彷彿とさせるような、この懐かしく居心地のよさを楽しんでいた。

『中学の時。東城のことどんどん好きになってったのも勉強会でだったかな…』


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そして…。
多少の罪悪感を抱えたまま、ひさしぶりに電話をくれた西野にまでウソをつく…。

「そっ。そう今も勉強中…。
 え? ああ。朝から晩まで一人でずっと受験勉強だよ」


それでも受験が終わったら会う約束をするふたり。








そして真中の本命校。青都大学受験前日の夜。

2月12日の夜。 



全国各地に雪を積もらせる静かで冷え込みが始まる夜に

唯からの『清算』 『決戦前夜』が始まる…。



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「淳平に話したいことがあるの」

受験日前日は勉強会をもたない約束だったが唯は真中の家に来た。


唯自身に降り積もった雪を払い落とすよりも先に伝えなければいけないほど重要な話。
普段からは想像もつかないほど真剣な唯の表情。
ここに彼女の責任感を強く感じる。


そして唯から投げつけられた言葉に真中は激しく動揺する。


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「勉強会の初日。淳平と東城さん抱きあってキスしてた」



真中には全然思い当たる節がなかった。
だが、真中から東城に覆い被さっていたことを告げる唯。


…。
そう。
あの日。
たしかに真中の記憶がない時間があった。

それは東城が中座したわずかな時間。
その時間の記憶が抜け落ちている。


「待てよ。けどそれ様子おかしかっただろ?」
「東城さんも淳平の背中に腕まわしてたもん」



真中はこの行為について記憶がない。
女の子を抱きしめている夢を見ていた気がするだけ…。

ただし、唯の言うことが本当なら
その瞬間にふたりは抱き合ってキスをしていた…。



動揺し混乱する真中。
それは事実なのか?

衝撃的な言葉を振り切るように真中は声をあげる



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「…ってなんで!!
 青都大の受験前日にそんな事言うんだよ!!!」




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「ばちが当たればいいと思ったんだよ!」


唯。言った━━━Good━━━d(゚∀゚)━━━Job━━━!!!!


すべてのいちごファンがずーっと思っていたことを代弁してくれました。


「そうだよ、二人の女の子に優しいふりしてさ。
 結局どっちも泣かせるよーな事、淳平はしてきてるんじゃん」


真中のことをよく知っている幼なじみだからいえるこの言葉。
この言葉は唯だけにしか言えないのである。




そして『清算』はつづく…。





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昨日の夜に唯から聞かされた出来事が
真中から受験に対する集中力を欠いていく…。



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ほぼ同じ頃。
東城の携帯に唯からの着信が届く…。



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真中の家の前で、雪と戯れる西野。
「もうそろそろ受験終わって帰ってくる頃だよね」

本命校の受験が終わったら会う約束をした西野。
早く会いたいから、真中の家の前で待っていた…。



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傘を手に真中を待つ西野であるが、ひとつの足音が西野の瞳を凍らせる。




とうとう3人を巡るこの物語に決着をつける日がきた。

三者三様の想い。
それぞれの想い。
ふたりだけしか知らない事実。
ひとりは知らない事実。



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中学3年の初めての出会いから続くこの三角関係。


このアンバランスに決着をつけるために、ふたりはここで出会う。




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「…こんにちは
 西野さんも、真中くん待ってるの?」



なにかを決断したかのような東城の瞳。
もうあのときのようなおどおどした東城ではない。


西野の瞳がさらに凍りつく。











この記事の原作はこちらまで

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余談
この話を読んだのは、すごく暑い日であったことを記憶しています。
汗だくになりながらコンビニに入り読み耽ったのをおぼえています。

しかし、このラスト1ページを見た瞬間に背中に冷水をくらったかのような錯覚を感じました。

来週どうなる!? 
そんな気持ちでいろいろなシミュレーションをしたことをおぼえています。
そんな気持ちで何度も何度も読み返して、ジャンプ買ったことをおぼえてます。
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[ 2006/06/04 17:36 ] いちご100% | TB(0) | CM(4)
こんなに長い間、見ている方を放って置いてスイマセン。


あとは『幕間狂言』まで。
[ 2006/06/04 17:44 ] [ 編集 ]
最初は、唯が西野を連れてきて、この「現場」を発見するのではないかと思っていたのですよ。
そうした予想を覆す展開になって、……
[ 2006/06/04 23:23 ] [ 編集 ]
>>岩淵さん
その大胆すぎる予想は少年誌では扱いきれないでしょ。

でもそんな大胆予想が現実のものだったら
そこで最終話「BAD END」だったよね。

見苦しい痴話喧嘩なんてこのマンガで見たくないですよ。
[ 2006/06/05 01:32 ] [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2017/04/03 14:04 ] [ 編集 ]
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