
由紀は困っていた。
水面がひだりの家庭教師をすることで
ひだりの成績がのび、今までの関係が変わってしまうことが。
水面は困っていた。
由紀がそんなにひだりのことを心配するから。

「あんなに価値観の近い子初めて逢ったのに、とりあげないでよ」

ひだりは困っていた。
由紀と水面の空気にいたたまれなくなって。
そんなひだりの前で由紀は水面に対する何気ない想いを口にしてしまう。

「好きな子の前だとつい意地悪しちゃうみたいだ」
「困ってるのを見て逆に可愛いとか思ったりしてさ」
由紀の口からそんなこと聞きたくなかった。
それが嫉妬。
それがジェラシー。
ひだりは夜の街に飛び出した。
あこがれのユキさんに会って相談したい。
由紀はユキになりひだりの後を追い夜の街をひた走る。
『もし万が一ひだりに何かあったら、俺は一生自分を許せそうもない』

そして公園のブランコに腰掛けるひだりを発見する。
ユキとしてひだりに接する由紀。
由紀=ユキを知らないひだりはユキに心のわだかまりを告白する。
ひだりの心にはじめて生まれた醜い嫉妬心。
そして嫉妬心から来る由紀への恋心・・・。

「紀くんが好き。誰にもわたしたくない」
ひだりを傷つけるものは誰であっても許さない。
そんなひだりに対する由紀の特別な思いが形を変えていく。

応えてやれるだろうか、その想いに・・・。
由紀にはじめて恋心を抱かせた水面。
由紀のことをずっと想っていたひだり。
三角形のいずれかの一辺が揺れ動いたとき
三角形はさらにいびつになり、場合によってはその三角形は消滅する。
次回。もう一辺が動く。
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