
癇癪を起こして大泣きした雨の日
由紀の背中に乗り
水面の傘に入り
結局はほだされながら家路についたひだり。
由紀はユキとして街に出て現実逃避。
ナンパをされたことからふたたび自分が男であることに嫌悪感を抱く。
ウワベだけの作り笑いとか
下心ミエミエの腰の低い話し方とか
それは自分の嫌な部分をいっぺんに見せられたようになるから・・・。
ひだりにも水面にも、両方にいい顔したがっている自分。
そんな男である自分に絶望してしまうから

だから
ひだりに「好き」と言えない
そんな互いが互いを引き寄せあう。
それは由紀が初めて女装した小山写真館。

「ユキさんと話したい。だめ?」
うーん。
由紀=ユキをあえて忘れて
ユキに由紀の話をするのって
この微妙な人間関係ってなんかくすぐったい。
もうひだりはこの前の涙を清算していた。
紀くんが気を遣ってくれたんだ。と。

「『好き』って言われたこと無いっていうのが大きいんですよね」
ひだりは小さいときから『紀くんが好き』って言ってるのに
由紀の目にはひだりは『女』とは映ってはいないみたいと。
動揺する由紀。
この一言。
由紀の胸に刺さったかな?
刺さって欲しいんだけど水面ファンとしては
ちょっと複雑な心境。。。
そんなひだりにユキは伝える。

「『紀くん』はひだりちゃんだけの紀くんだよ」
ひだりは確かに女と映っていることを自覚したユキ。
でも、まだ時間が欲しい。
どんな形だとしても。。。
これが由紀の口から出てくるにはもうあと何回かかる?
そしてそのためにどれだけの涙が流されるのか?
水面の泣き顔は見たくないんだが・・・。
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