
聞かれてしまった告白。

照れ臭さから砂浜を疾走する男性陣。
それを追う女性陣。
逃げたところで得るものなどない。
すでに告白は聞かれてしまっているのだ。
続行か? 終着か?
失踪もいよいよ浜辺での体力勝負になってしまった。
最初の脱落者は曽我部。
しかし曽我部は頑張った。
初登場時の曽我部。

「じゃあ。ま…また明日」
『明日また挨拶したり声をかけてもいい』
といった訳のわからん約束をしでかして周囲をずっこけさせた男が。

クリスマスの夜。
名央が風邪で不参加との知らせを聞いたすぐあと。
思わず自分の本心をみんなにしゃべってしまった男が。

美術室の壁一枚隔てた向こうにいる。
失恋に涙している千倉に対して
連城との差を思い知らされ、何も出来ずに涙する曽我部だったが。

「僕は、千倉さんのことが好きです…」
勢いにまかせて言ってしまった感があるものの
今の曽我部には、ここしか言う機会はなかった。
そのための旅。
生まれ変わるための旅。

「いつか僕も、絶対追いついてみせるから…!」
連城のようになりたい。
そうすれば名央も振り返ってくれるだろう。

だけど名央は優しく曽我部の勘違いを正す。
「連城先輩にはない、別のいいところを曽我部くんは持ってるんだよ」
「あたし。
連城先輩のことはまだ忘れられないけど、それでも一歩ずつ成長したいって思ってる」

「お互い頑張ろうね」
もう。
千倉名央さん。
あなた出来過ぎたイイ娘ですよ。
ホントに。
前話で衛の胸中を書いたので、今度はあゆみの気持ちを書いてみる。

「なんで逃げるの 今も山本さんのことが好きだから!?」
浜辺での衛の告白は間違いなくあゆみの耳に届いたに違いない。

以前ならこんな感じで気を失っていただろう。
だが、この後あゆみは恋愛について一言持つようになった。

「ドキドキするなら、それはもう恋でしょお!?」
財津衛を見るとドキドキする。
でもそれはカッコイイからとか優しいからでなく、好きだからドキドキするんだ。
好き。という気持ちがあるなら理由なんていらない。
そんな意見を持つあゆみだから
衛が岬のことをあきらめきれない気持ちを抱いているのも知っている。

「好きな気持ちはしょうがないじゃない。逃げたって好きな気持ちは消えないよ!?」
この言葉で衛は立ち止まる。
「逃げたわけじゃないんだ。僕は」

いつのまにか水平線の向こうは夕焼け。
岬との失恋から立ち直りたくて、この失踪が始まった。
でも立ち直れたどうかはわからない。

「でもなんかスッキリした」
それは久しぶりに見た衛の笑顔。

だからあゆみはホッとして泣き出してしまう。。。
「ありがとう有原さん。ここまで追いかけてくれて」
そんなあゆみをいたわる衛からの言葉。
ふたりの距離はさらに縮まっていく…。ように見えます。
いいなあ。
中学生の不器用な恋愛。。。
告白なんかなくてもいい。
この微妙な距離感がイイのです。
見てるぶんにはいいんですけど
これ自分だったらちょっと物足りないなぁ。。。
直接的なほうがいいなぁ自分は。。。

そしてタックルで楠田の旅を止めた慧。
こーゆー実力行使型。おもしろいです。

「…なんで旅になんて出たの?」
「なんで答えなきゃなんねーんだよ」
照れ臭さから回答を拒否する楠田。
自分の外見をいつも慧にバカにされてきた。
そして周囲の声も届いている。
「足が短くて顔がブサイクだからだよ!!」

慧を好きにならなければ
こんなことにコンプレックスを感じることなどなかった。
慧にはきっと一生わからない問題だろう。
俺なんかよりもよっぽど見た目のいい男はいる。
そういうヤツと付き合えばいい。
そう思ってた。
だけど慧は違った。
男は外観だけと肯定してはばからない女の子は
実はしっかり内面も見ていた。
「あたし。楠田のカッコいいところ知ってるよ」
それは体育祭前日。
クラスの応援衣装が出来ずに絶望し、眠り込んでしまった慧に

楠田が男を見せた瞬間。

その日はじめて慧の中に生まれた楠田への感情。
思わずドキドキしてしまった。
そしてクリスマス直前。

慧の気位の高さからはじまった感情のぶつけあい。
ホントはそんなに言うつもりではなかった。
だけど慧の言葉は楠田を深刻なくらいに傷つけてしまったかのように思えた。
さらに雪降るクリスマス。

「なんであたしにばっかり冷たいのよーーー!!」

「じゃあ俺のことなんてほっときゃいいだろ!!」
雪合戦の末に互いが素直になった。
そして
このふたりを底上げするためだけに生まれた
すみれの色気攻撃にも動じなかった楠田。

楠田の帰りを心配していた
慧の恥じらいに読者のこっちがモジモジしてしまいそうな発言。
そして今。

「あたしも、楠田のことが…大好き…」
慧からの告白。
楠田には意外な一言だった。
まさかこんな言葉が返って来るなんて思ってはいなかった。
だから最初、嘘だと思った。
だけど言いたいことが大声で言いあえる。
傍から見たらケンカしているように見えるけど
実は心の中では、ちゃんと通じ合っているふたり。
いやあ。恋愛って素敵だよな。
これで中学生組がほぼ一応の解決を見た。
となると、次は高校生組。
とうとう決着をつけるときが来た兄貴たち。

有二と良彦である。
この意味ありげな視線のやり取り。
すでに蚊帳の外である良彦には不憫で申し訳ないが

「山本さんのことちゃんと考えてあげてるのかよ」
このあと有二が
「あっ?
オマエなに言ってんだ?
俺に爆弾渡そうとしたヤツのことをちゃんと考えてあげろだと?
そもそも俺は殺されかけたんだぞ。
それって友達以前の問題じゃねーのか?
だいたいオマエ突然なんなんだよ?
なんでそんなことオマエに言われなきゃなんねーんだよ!
あの日オマエらが河原にいたのは、山本とグルだったんじゃねーのかよ!?
なんとか言ってみろよテメエ!!」と、突然キレて列車内でつかみ合いでも起きたのか?
という顔つきだっただけにちょっと脳内補完を楽しんでみた。
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